Erotic Love 〜 case F 〜 芙美香・父と二人の小学生時代
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夏が終わり、秋が過ぎて冬を迎える頃、おじいさまが他界しました。まだ、それほどお歳を召していた訳ではなく、見た目も健康そのもの、という感じでしたが、お酒や煙草をよく召しており、お食事も味付けの濃いものを好んでいたことが理由のようでした。 #twnovels
2017-07-28 12:30:08『思い残すことなどないように、好きなような生きる』ことをモットーにし、私もそれをご本人から聞いたことがありましたが、そんなおじいさまが一つだけ心残りにしていたのが、お身体の弱いおばあさまのことでした。 #twnovels
2017-07-28 12:30:31今際の際でおじいさまは、おばあさまに先に逝ってしまうことを謝り、床を囲む皆におばあさまを頼む、と言い残して息を引き取りました。六十九歳でした。 #twnovels
2017-07-28 12:30:49おじいさまが亡くなっても、変わらず時は過ぎて行きました。変わったことと言えば、パーティーが開かれなくなったことと、執事の方がお暇を戴いてお屋敷を去ったことくらいです。おじいさまと違い、おじさまはパーティーを開くことはありませんでした。 #twnovels
2017-07-28 12:31:12尤も、それはお仕事が忙しいことが理由かもしれません。おじいさまも、現役を退いてこのお屋敷に移ってから、そういう催しを行うようになったそうですから。 #twnovels
2017-07-28 12:31:58おじいさまが亡くなって、一時期は暗い空気に包まれましたが、通いの方も含めれば十人以上が暮らしているお屋敷です。程なく、以前の暮らしに戻りました。ただ、おばあさまには連れ合いの死はかなり堪えたようで、長いこと消沈していました。 #twnovels
2017-07-28 12:32:20おじさまもおばさまも、以前よりも頻繁におばあさまのお部屋を訪ねるようになりました。私も朝陽ちゃんと一緒に、しばしばおばあさまのお相手を務めました。おじいさまが亡くなったばかりの頃は外目にも消沈しているおばあさまでしたが、少しずつ元気を取り戻していました。 #twnovels
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