読売新聞の大学入試を語った本を読んだら、新聞記者のレベルのやばさと日本の人文教育の敗北を思い知らされた、という話。

タイトルそのまんまです。物事を考えるときは、その物事の置かれた文脈というものをきちんと考えよう、ただそれだけの話です。 あ、後「いい学校とは何か」という話と部活動批判が混ざってますはい。 2017年9月2日午前1時20分ごろ、内容追加しました。
102
三塚ハル @mtkharu3

就職活動があるから、大学1-3年生の間にできるだけ単位を稼がないといけないし、そのせいで授業数が多いから授業前に自習で予習させることができないし、内定もらってる学生を留年させるというのはハードルが高いから学力足りなくても卒業させてしまう。

2017-09-02 00:23:52
三塚ハル @mtkharu3

なお、アメリカの大学は授業の前にみっちり予習させるので授業のコマ数は1日に1か2だそうです。

2017-09-02 00:24:44
三塚ハル @mtkharu3

この辺の話を海外からやってきた先生が語っておられたのに、なぜか読売新聞教育部の皆様は「入試でやる気のある子をとれば、学業に熱心な学生が取れる」と思っているらしい……

2017-09-02 00:25:34
三塚ハル @mtkharu3

いやもうこれ、読売新聞の人が高度経済成長とバブルの遺産のせいで「人間はお金を稼いで食べ物を買って食べないと死ぬ」(第一次産業従事者は別)という基礎を忘却しているとしか思えないわけですよ……(そうじゃないというなら反論どうぞ

2017-09-02 00:27:14
三塚ハル @mtkharu3

なので、日本の大学生も好き好んで学業をさぼっているわけではないのです。就職に関する問題と板挟みになっているという簡単には解決しそうにない問題のせいなのです。なお話題の本では就職活動が大学生の学業に与える影響は論じていない模様……(呆れ

2017-09-02 00:30:09
三塚ハル @mtkharu3

3点目、日本の高校生の学力に関する問題です(これは本ではほとんど触れてないかな

2017-09-02 00:30:46
三塚ハル @mtkharu3

昨日上げた分の中でも「作文と面接だけ」みたいな話はしていましたが、日本の高校生って基本勉強に対してびっくりするくらいやる気ないと思っておいた方が精神衛生上いいです。

2017-09-02 00:31:47
三塚ハル @mtkharu3

文系理系の問題とかありますが、日本の高校は留年させないので高三4月時点でも高一でやるであろう古文の動詞の活用や二次関数の場合分け、to不定詞形容詞用法や24グラムの炭素からできる二酸化炭素の量の計算など(あくまで例です)は分かってないと思った方がいいと思います。

2017-09-02 00:34:20
三塚ハル @mtkharu3

なんでかって、だって勉強しなくても高校が進級させちゃうんだからそりゃあ勉強なんてしないよねってそれだけの話ですよ。

2017-09-02 00:35:39
三塚ハル @mtkharu3

それに「学校は人間関係を学ぶ場所(キリッ、勉強のためだけの場所じゃない」とか大人が言っちゃうから、それで大義名分を得たと思った子供たちは学校行事と部活動に現を抜かすわけです。

2017-09-02 00:37:32
三塚ハル @mtkharu3

でまあ、そんなんでも少し前は大学受験があったおかげで大学に進学するような子供は否が応でも勉強させられたのですが、それでも受験に必要な分だけですからねえ……文系なら熱力学第一法則も原子の構造も怪しいし、理系は理系で歴史とか古文漢文が……となりますわな。

2017-09-02 00:39:17
三塚ハル @mtkharu3

まあ日本の高校生が勉強しないのは「部活引退から必死でやれば逆転できる」と言ってきた受験産業の責任も大きいと思います。東大卒の文部官僚が「3年かけて学んで」って言ってる内容を並の高校生が半年でできるわけないでしょ……

2017-09-02 00:40:30
三塚ハル @mtkharu3

私がフォローしている塾の先生たちのコメントを見ていると「中三生が部活を引退まで頑張るといって受験勉強を始めない」「高校1・2年生が受験を舐めてて全然勉強しない」ってコメントであふれてますがな……

2017-09-02 00:42:15
三塚ハル @mtkharu3

というわけで、従来は「受験のためなら」と言って勉強してきた日本の高校生という現実が分かってないと、大学入試で学力試験辞めたらそりゃ学力の底が抜けるのも当たり前なのにその点が全く理解できてないと思うわけです。読売新聞教育部はどんな高校生を相手にしてるんですか……

2017-09-02 00:44:42
三塚ハル @mtkharu3

私がここで言ってる高校生と、読売新聞教育部が本の中で取材している新しい入試制度に対応しようとしている高校生なら絶対に私の言ってる高校生の方が多数派だと思います。

2017-09-02 00:47:04
三塚ハル @mtkharu3

4点目 作文の話です。コメントだと少し私の意図と違う方向に読まれてしまった方がおられるようなので。

2017-09-02 00:52:14
三塚ハル @mtkharu3

私が作文で「高校生が1000字以上かけるはずがない」と言って伝えたかったのは高校生の作文力が低いということではなく、そのような高校生に無理矢理「2000字自宅で書いて大学に提出」ってやればそりゃあ受験生が不正に走るよね、ってことです。

2017-09-02 00:53:49
三塚ハル @mtkharu3

不正とか代筆は言い過ぎにしても、高校生に「自宅で書いたエッセイを大学に提出」ってやらせればそれ周りの大人が添削・指導したものを提出してきますよね、それを大学入学を希望する本人の書いた書類と扱っていいの?ということです。

2017-09-02 00:55:02
三塚ハル @mtkharu3

この辺の話、受験生にエッセイを書かせて審査してるアメリカの大学の話を聞いてみたかったです。

2017-09-02 00:56:02
三塚ハル @mtkharu3

特に日本は受験産業が発達しているので、大学入試の際に作文提出させたらそりゃ大人が内容に介入してくるし、金を積んでプロに直してもらえるか、プロとつながるコネがあるかが受験結果を決めそうです……

2017-09-02 01:06:41
三塚ハル @mtkharu3

5点目、なんで読売新聞教育部がこんな本を書いちゃったのかという話です。

2017-09-02 01:07:49
三塚ハル @mtkharu3

んで、なんでこんな本を書いちゃったかっていう点について自分なりに考察すると、おそらく「日本の教育をどうしたいか」って視点がないのに、話題になるからって大学入試の話をしちゃったことじゃないかなあと感じています。

2017-09-02 01:08:55
三塚ハル @mtkharu3

とにかく「大学入試をよくしたい」っていうならコストをかけて美辞麗句をちりばめたアメリカ式大学入試が素晴らしく見えるのは、(コストの問題を無視しているのをわきに置けば)まあ必然かなとも思います。

2017-09-02 01:09:57
三塚ハル @mtkharu3

でもさー、日本の話ししてるんだから「日本社会をどうしたいか」は言い過ぎでも「日本の教育はどうあるべきか」はある程度定まってないと駄目でしょ。だから高校大学の実態を無視して大学入試を改善すれば大学入試の問題は解決するって思っちゃったんでしょうねえ……

2017-09-02 01:11:00
三塚ハル @mtkharu3

ただこの辺の、グランドデザインをきちんと定めて個別の社会的な問題を考える、ってびっくりするくらい日本人苦手だからなあ……

2017-09-02 01:11:54