佐藤正美Tweet_20170816_31

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佐藤正美 @satou_masami

文学は「絵空事」にちがいないが、事物の特性を顕す造形力なのだ。作家は、自身の個性が手軽に到達できる作品に決して満足しないだろう。いかなる仕事でも、今の自分を乗り越えようと努めるなら、新しい形を制作しなければならない。文学はそれを私に仕込んでくれた。

2017-08-19 16:33:26
佐藤正美 @satou_masami

「普遍性とはまた特殊の絶対的信用以外の何物でもない。芸術上の現実主義とは、心の中にあると外にあるとを問わず、特殊風景に対する誠実主義以外のものを指さぬ」(小林秀雄、「アシルと亀の子ⅳ」)。

2017-08-22 15:13:57
佐藤正美 @satou_masami

「綜合雑誌」に記載された「様々な意匠」を知ることが「知識人(あるいは、教養あるひと)だとしたら、「知識人」というのは呑気な人たち――あるいは、小林秀雄が「広津和郎氏へ」のなかで使った語を借りれば、「なまけものの階級」――だと私は蔑(さげす)むしかない。

2017-08-22 15:21:47
佐藤正美 @satou_masami

萩原朔太郎も荻生徂徠も自らを「怠け者」と自嘲していましたが、彼等の謂う「怠け者」というのは、実生活の生産活動(in the common walks of life)に従事しないで、ひたすら文芸に向かったことを云っていて、自負のウラ返しです。彼等は生涯を費やして文芸に向かった。

2017-08-22 15:24:49
佐藤正美 @satou_masami

いっぽうで、実生活の生産活動に従事して、「綜合雑誌」を読んで、文芸で話題になっている概念を一通りに知って文芸の「本質」をわかったつもりになっている「知識人」は、朔太郎・徂徠の謂う「怠け者」とはちがうナマケモノでしょう。「文学愛好家」のなかに、こういうナマケモノが多いようです。

2017-08-22 15:29:00
佐藤正美 @satou_masami

私は、研究者でもないのに、終日、家にいて専門書(数学書、哲学書、文学書)を読んでいる日々が多い。そういう私のすがたを幼児期から観て育った息子たちに私は「世捨て人」と云われていたw。そして、「一匹狼のふうをしているけれど、寂しかり屋」と。息子といえど侮れないなあ。

2017-08-22 15:33:58
佐藤正美 @satou_masami

我々凡人は、天才たちが食べたパンの屑を拾うだけなのかもしれない。でも、天才たちは、私たちを高めてくれる。もしも、天才たちが私たちを仕込んでくれなかったら、我々は今日あるような思考力を持つに至らなかっただろう。パン屑でもパンの味はわかる。

2017-08-22 15:36:10
佐藤正美 @satou_masami

「あなたの力をセールスしなければ他人にはあなたの力はわからない。黙っていても他人はわかってくれるというのは自惚れだ」、なるほど一理あるが、一理にすきない。存在感を醸さない力は贋物だ。明石さんま さんが或るテレビ番組で言っていた「黙って存在感を出すヤツは邪魔だ」と。これも一理ある。

2017-08-22 15:39:50
佐藤正美 @satou_masami

嫌な事に直面して不安を覚えるならば、その不安を抱かないためには事態を眺めないようにするのも対応策の一つだが、一番の適策は、それをよく眺める(凝視する)事だ。実存するものに対する恐れよりも、想像しているものに対する怖れのほうが強い。自身の煩悩を凝視するのも強さでしょうね。

2017-08-23 10:43:55
佐藤正美 @satou_masami

「ただいっとき、舞台の上で、ぎっくりばったりをやって、やがて、もう噂もされなくなる、みじめな俳優だ」(シェークスピア、「マクベス」)。身につまされる。

2017-08-23 10:46:00
佐藤正美 @satou_masami

考える事を仕事にすれば、世事を味わう余裕がない。それでいいのかもしれない、知った後に止められるものじゃない。続けるしかない。

2017-08-23 10:49:10
佐藤正美 @satou_masami

否応でも老いる。いかにして老年に耐えるか。若作りしようとは思わないが、まだ若いと思う事は滑稽だ。私の精神は40才代の時と同じほど燃えてはいるが、当時の灼熱はない。明晰だが暖かさはない。

2017-08-23 10:59:22
佐藤正美 @satou_masami

「ただわが心のたてつる筋をとらへて、人をばなきになすなめり」(紫式部日記)。「えらそうな事を言っているヤツでも自分の得意な事を鼻に掛けて他人を蔑視しているにすぎない」か、私もそうかもしれない、、、我々は、巨大な装置の中で歯車どうしで軋んでいるだけだ。

2017-08-27 13:26:04
佐藤正美 @satou_masami

「賢者が毒をくれたら―― 一息に飲め」(ゴーリキー)という文を読んで、私の目はその文に釘付けになった考え込んでしまった。

2017-08-27 13:28:18
佐藤正美 @satou_masami

人物評などは、評した人が他人をどういうふうに観ているかという視点を表しているにすぎない。そして、人物評は、たいがい、十指に屈するほどの数の「型」に嵌った裁断だわw――どこかで聞いた事のある事ばかり。人物を観なくても批評は言えるみたいだねw。

2017-08-27 13:31:48
佐藤正美 @satou_masami

損を覚悟で敢然とぶつならねばならぬ事も起こる。賭けられているのは自分自身だ。そう思わないと私の人生は 徒に むなしいものとなってしまう。

2017-08-27 13:34:12
佐藤正美 @satou_masami

後悔とは、使い切れなかった才量の腐敗した臭(にお)いかもね。

2017-08-27 13:35:35
佐藤正美 @satou_masami

「死ぬまで一つの心のなかだけでも、深く分け入ることができたら、それで幸せとしなければならない」(モーリアック)。私は「みずうみ」(シュトルム)という恋愛小説を好きである――終りの章で、老人になった主人公が青年期(「『思い出』の湖」)を回想する下りは絶品だ。

2017-08-28 13:29:40
佐藤正美 @satou_masami

酒のうえで難しい話をする事を私は大嫌い。酔うために必要なのは酒で、論弁じゃない。

2017-08-28 13:30:45
佐藤正美 @satou_masami

「験(しるし)なき物を思はずは一杯(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあらし」(大伴旅人)、私の好きな歌の一つ。私の生活は、考える事と晩酌との二つが柱のようだ。単調な生活だw。でも、集中するためには刺激は邪魔。「験なき物」を思う生活をしている私は、晩酌が慰めなのかも。

2017-08-28 13:35:23
佐藤正美 @satou_masami

食欲は食べているうちに生じる事もある。食わず嫌いは意気地なしだ。酒を人類で最初に口にした人は、たいした人物だ。しかし、酔っぱらいは、味わう事を知らない。それは仕事でも同じだな。確かに、意気地なしは口実を並べるし、酔っぱらいは能書きを並べるわw。

2017-08-28 13:37:44
佐藤正美 @satou_masami

私は「枕草子」の次の文を読んで思わず笑った――「ふみことばなめき人こそ、いとにくけれ。世をなのめに書きなしたる詞のにくきこそ」。「世の中を甘く見て、ぞんざいな言葉で書き下している」か。私がまさにそうだな。私よりも、もっとひどい連中もいっぱい居(お)るが、目くそ鼻くそを嗤う。

2017-08-28 13:42:55
佐藤正美 @satou_masami

じぶんを眺めてほしい距離というものはある。

2017-08-28 13:43:26
佐藤正美 @satou_masami

大きな思想、大きな才を持った人は、そばにいると気持ちのよくないものだ。ウィトゲンシュタイン氏を私は敬愛するが、彼がそばにいれば、きっと、私はむかつくだろう。そして、彼の言うことを聴きはしないだろうw。

2017-08-29 15:39:10
佐藤正美 @satou_masami

「銭(ぜに)が無い時あ狂人(きちがい)が洒落(しゃれ)てらあ」(幸田露伴、「貧乏」)。図星だね、苦笑(にがわらい)しかない。

2017-08-29 15:41:56