アイルランド・ケルトの伝承「ブリクリウの饗宴」(邦訳完了!)について

私が翻訳したアイルランドの伝承(いわゆるケルト神話)についての情報をまとめました。アルスター物語群、「ブリクリウの饗宴」(Fled Bricrenn)です。 原文・英訳のオンラインでの公開状態、私の邦訳の公開情報、あらすじです。 訳文をオンラインで公開しています。最初はこちら:https://note.mu/p_pakira/n/n36e40efb0b93
8
腐れマーズ三等星 @p_pakira

私が現在翻訳しているのは、「ブリクリウの饗宴」(Fled Bricrenn)という、アルスター物語群のうちの伝承の一つです。アイルランド・ケルトの伝承はほとんど邦訳がされておらず、これも同様です。

2017-10-08 16:57:10
腐れマーズ三等星 @p_pakira

「ブリクリウの饗宴」は原文と英訳をオンラインで読むことができます。一つは19世紀末のG. Hendersonによる校訂と英訳で、著作権切れのためarchive.orgというサイトで公開されています。URL: archive.org/details/fledbr…

2017-10-08 16:57:41
腐れマーズ三等星 @p_pakira

また、CELT: Corpus of Electric Textという、アイルランドはコーク大学の運営するサイトで、原文のみ公開されています。URL: celt.ucc.ie/published/G301… CELTは非常に多くのケルト関係テクストを公開しており、英訳があるものもあります

2017-10-08 16:59:24
腐れマーズ三等星 @p_pakira

そして三つ目に、Mac CanaとSlotkinという二人の研究者の共同研究による校訂・英訳版があります。 このプロジェクトは、2004年にMac Canaが死去したために完了間際で打ち切りになり、2005年にオンラインで公開されました。

2017-10-08 17:02:20
腐れマーズ三等星 @p_pakira

公開したのはアイルランドの研究機関であるIrish Text Societyで、以下のページにあります。 irishtextssociety.org/texts/fledbric… Editionから原文、Translationから英訳が読めます。 私が翻訳で使っているのも主にこの校訂版です。

2017-10-08 17:02:46
腐れマーズ三等星 @p_pakira

私が既に邦訳したテクストもオンラインで公開しており、それはnoteというサイトに掲載しています(note.mu/p_pakira) 一番最初はこれです note.mu/p_pakira/n/n36… 各ページの末尾に続きへのリンクを張っているので続けて読めるはずです

2017-10-08 17:05:06
腐れマーズ三等星 @p_pakira

この邦訳では人物・用語一覧もつけて、アイルランドの伝承に詳しくない方でも読めるよう工夫しています。

2017-10-08 17:06:24
腐れマーズ三等星 @p_pakira

「ブリクリウの饗宴」がどういう物語か、軽く紹介します。 このお話はアルスター国の英雄クー・フランの活躍を描くことが主眼となっており、その引き立て役として二人の英雄ロイガレ・ブアダハとコナル・ケルナッハが出てきます。

2017-10-08 17:10:01
腐れマーズ三等星 @p_pakira

彼ら三人の英雄が名誉のために競い合い、そして幾度競い合っても結局はクー・フランが勝つということが何度も繰り返されるわけですが、争点となっているもの、いわゆるマクガフィンが〈英雄の分け前〉と呼ばれる、豚肉の一部位です。

2017-10-08 17:11:06
腐れマーズ三等星 @p_pakira

宴会の一座で最も優れた英雄のみが〈英雄の分け前〉を口にすることを許される、という慣習がありました。そして、ある時アルスターの一貴族、「毒舌」のブリクリウが宴会を開き、王や戦士達を招きます。ブリクリウという男は、巧みな話術で人々の自尊心を刺激し、諍いを起こすことを楽しんでいました。

2017-10-08 17:12:19
腐れマーズ三等星 @p_pakira

ブリクリウは宴会の前に三人の英雄たちに、「あなたこそが私の宴会の〈英雄の分け前〉を食べるべき人物だ」と個別に言い含め、そしていざ宴会が始まるや、クー・フランら英雄たちがそれを巡って衝突するという事態になります。英雄たちの奥方も同様の手段にはめられ、宴会の場で大口論を始めます。

2017-10-08 17:14:07
腐れマーズ三等星 @p_pakira

しばらく争いが続き、あわや刃傷沙汰になるかと思われたとき、もはや自分たちでは解決できないと悟った王たちは、隣国であるコナハト国の王アリルと女王メズヴのところに、争いの決着をつけてくれるよう頼みに行くことにします。

2017-10-08 17:15:47
腐れマーズ三等星 @p_pakira

コナハト国でいくつかの試練を経たり、途中で寄り道をしてまた試練を受けたり、ということが何度かあり、そのたびにクー・フランが勝者となります。

2017-10-08 17:18:07
腐れマーズ三等星 @p_pakira

そしてメズヴ女王の裁定でもクー・フラン以外の二人の英雄は納得せず、引きさがります。そこで今度はまた別の隣国のマンスター王クー・ロイ・マク・ダーリェのところへ、採決を求めに行きます。 その道中、突如霧が立ち込め、巨人が現れる……というところが、先ほどアップした箇所です。

2017-10-08 17:19:02
腐れマーズ三等星 @p_pakira

twitterにアップした分はもう少し先まで進んでます。 残すところ、あと全体の2割といったところです。

2017-10-08 17:20:20
腐れマーズ三等星 @p_pakira

現在はオンラインで公開しているだけですが、いずれ出版したいと考えております。その時は文化的背景などに関する注をたくさんつけ、ケルト文化に詳しくない人でも読めるようにする、むしろ読むことで詳しくなれる、そのような本にしたいです。

2017-10-08 17:22:19
腐れマーズ三等星 @p_pakira

長々と連続ツイート失礼しました。皆さんがアイルランドの伝承に興味を持つきっかけにでもなれれば幸いです。今後ともよろしくお願いします。

2017-10-08 17:24:01

追記:こちらもご参照ください

腐れマーズ三等星 @p_pakira

以前書いたnoteの記事です。「ブリクリウの饗宴」についての説明を行ったものです。 アイルランドの伝承「ブリクリウの饗宴」について|ケルト神話翻訳マン|note(ノート) note.mu/p_pakira/n/n5c…

2017-10-09 17:43:31

追記:翻訳完了しました