武蔵野台地と谷の成り立ちの一例を蟹川に見る(新宿~大久保~早稲田:蟹川の谷巡検)
武蔵野面を形成する際に、川の氾濫原は、降ってくるテフラを洗い流してしまうため、ロームの無い(あるいは薄い)面になって残ります。 ↓は久保純子先生の1988年の論文より twitter.com/hira_sail/stat…
2017-10-11 08:51:47大河川(多摩川、相模川など)の旧流路に流れる残存小河川(神田川、黒目川など)が、上から降ってくるテフラを洗い流して、段丘ができるモデル。 pic.twitter.com/sfSdpYYgcv
2017-09-22 09:45:53さらに海面の低下が進むに従って、本流の河床は侵食されて谷が深くなります(どこかの時点で、多摩川本流と切れて神田川になっています。 (青▼からの海面低下以降を想定しています) pic.twitter.com/IPvNLO4GtR
2017-10-11 09:04:50この後、氷期の最盛期に向けて海面が大きく下がりますが、ここで掘られた谷は、海面上昇期に埋め戻されたのではないかと思います。 海面が上昇するにつれ、蟹川、神田川ともに侵食力が低下して、堆積物が谷に溜まりますが、段丘面もテフラなどで嵩上げされていくため、現在の谷の形が残ったと考えます pic.twitter.com/aaBXu9mvYI
2017-10-11 09:18:38※蟹川の変遷について、あくまでも素人の見解ですのでご注意ください。 手書きは平帆によります。 海面高のグラフは「日本列島の地形学 東京大学出版」より。時期を表す▼は平帆による。
2017-10-11 09:23:34用語編
・ 武蔵野面、下末吉面などの正しい意味
→ ローム層を乗せる武蔵野礫層、下末吉層の面のこと
・ 武蔵野台地という言い方について
→ 多摩川~入間川の間にある下末吉、武蔵野、立川各面に乗る台地の総称
・ 用語の混乱と整理に向けての動き
→ 月間地理ほか、JPGUのセッションなどにおいて順次進行中
わかりやすく合理的な説明だと思いますが、下末吉面の形成は下末吉層の堆積のとき、武蔵野面の形成は武蔵野礫層の堆積のとき。各ロームはその後。 twitter.com/hira_sail/stat… twitter.com/hira_sail/stat… twitter.com/hira_sail/stat…
2017-10-11 18:08:36海水面が下がっていくにつれて、古多摩川が砂・泥面を侵食します。 侵食されずに残った領域にはテフラが積もって、下末吉面(S)を形成します。 侵食され、古多摩川の氾濫原になった領域には、関東山地から運ばれてきた礫が堆積します。 pic.twitter.com/A5pW8K3qCJ
2017-10-10 08:55:43先の▼から、海水面が急速に下がるにつれて、古多摩川は、礫層を侵食しながら北に移動します。 離水した面には、武蔵野ローム層が堆積を始め、武蔵野面(M1)を形成します。 谷の傾斜図の③から先の斜面(と底の礫層の傾斜)は、この時作られたと考えます。 ※一枚目の手書図と三枚目は南北逆 pic.twitter.com/0WsXJir84i
2017-10-10 09:37:20@s15taka いえ、自動的に面の上を指すと思い込んでいました。一般向けの書籍などでは、あまり区別せずに書かれている印象がありますが、地質学的には礫層面の上で定義されているのですね。 まとめる際には、その点の注釈を入れたいと思います!
2017-10-11 20:19:34@hira_sail 地質学的にはそうなります。つまり下末吉面は下末吉層の上面、武蔵野面は武蔵野礫層の上面。ロームがたまった面ではありません。ただ、もしかしたら、地形発達史の人たちは違う地形面の定義をしている?
2017-10-11 18:12:14下末吉面を例にすると「下末吉海進による地層が下末吉層、下末吉層で構成された面が下末吉面」になり、現在は「下末吉面の上に、下位から順に下末吉・武蔵野・立川ローム層がある」となります。そうでないと現在も「下末吉面形成中」となってしまう。 twitter.com/hira_sail/stat…
2017-10-11 20:39:10@s15taka ありがとうございます。 「形成時期」がどの時点を指すのか、少しもやもやしていたのですが、これだと明確ですね。理解しました。
2017-10-11 20:51:48@hira_sail 例えば過去ツイートで私も「下末吉面の淀橋台」などと暗黙の了解で書いてしまって混乱させたかもしれません。真意は「下末吉面にロームがのった淀橋台」でした。しかし一般書などは下末吉面と淀橋台・荏原台のトップを完全同義と誤解してるやつもありそうで要注意・要警戒です。
2017-10-11 20:57:27この案件、もしかしたら、地質学と異なる「地形発達史ムラの方言」があるかもしれない。 twitter.com/s15taka/status…
2017-10-11 20:41:41地質学用語としての下末吉面が世間一般にどう使われてるか気になってググってみると・・・平帆さんのまとめが結構上位に出てくるなど twitter.com/s15taka/status… +-+Togetterまとめ togetter.com/li/1088019 @togetter_jpから
2017-10-11 22:21:19ググった先をざっとサーベイしてみるとやはり混乱している模様。下末吉面や武蔵野面などの地質学用語は地層に着目したテクニカルタームなので、台地をいう場合は「淀橋台」「荏原台」「豊島台」「目黒台」などを使った方が誤解ないだろう。ただ詳細を知らないと時代の判別ができなくなるのは悩ましい。
2017-10-11 23:57:50しかし下末吉面や武蔵野面だって東京の地史をわかっていなければ時代の判別はできないから結局同じことか。であれば、やはり台地を指すなら◯◯台とした方が良いな。
2017-10-12 00:08:04地層(層序学)は「部層<累層<層群」がありますけど、地形面にはそういうのが無いように思ったり。関東地方のMIS5eの地形面全般を示す下末吉面(群)と、箇々の台地を示す淀橋台・荏原台…のように階層で整理できると良いと思ったり。(空間と時間の違いとか色々と違う点もありますけど) twitter.com/s15taka/status…
2017-10-12 00:05:35下末吉面の上には下末吉・武蔵野・立川ローム層がのってて「地表面は下末吉面じゃない」というのが一般にはわかりにくくなってるかもしれません twitter.com/kobiwa_net/sta…
2017-10-12 00:13:31そういえば「武蔵野台地」という用語は学校で出てきた。小学校だった気がする。しかしその用語、武蔵野面と下末吉面が一括して扱われてたように思う。
2017-10-11 21:16:30こびわさんのいう階層的な地形名は存在してて武蔵野台地がそれに相当する。武蔵野面からなる台地のみを指すなら豊島台や目黒台などの総称、下末吉面からなる台地も含むのなら淀橋台と荏原台も追加。 twitter.com/kobiwa_net/sta… twitter.com/hira_sail/stat…
2017-10-13 12:56:21