日本のゲーム社会のありさまを改善するには「2010,20年代のベタ」が必要

高山直人(💉×4)(魔法天使、軍事好き、車バイク鉄道&オタク&サブカル&左翼が死ぬ程超好き) @naobotaka_magi

スマホでテイルズとSAOの最新作とモンスト・パズドラをやっているが、あれを遊ぶとスマホ技術の発展と、没落した現状がよくわかる。どちらも同一プラットフォームのゲームだが、前者に比べ、後者は明らかにつまらなくなっている

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前者はアニメや有料ゲーム原作だが、外伝とは思えないほど洗練されている。高性能化にあわせて、操作が複雑化してきている。で、複雑な操作で敵を倒していくという運びも凝っている。コンシュームゲーム世代はきっと見入った筈だ

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ヴィジュアルも妙に気合が入っている、陳腐になりがちなジャンルなのに、カメラワークが妙に有料ものっぽい。物語もテンポよく進み、戦闘シーンは予想外の戦いを繰り広げる。ド派手なアクションも、演出のセンスも、PCやPS4の作品と勝負できる。革新性と勢いがある

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いっぽう「パズドラ」「モンスト」はダメな意味で初期っぽい。2012~4年に配信開始されたものだが、日本トップクラスとは思えないほどダサい。ゲーム画面や、バトルシーンとかパチンコスロットの演出にしか見えない。ゲーム性が超野暮ったい

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そしてゲームの内容も、徹底的なマンネリ展開である。悪い意味で往年のネットゲームそのものであり、退屈だ。演出も安っぽいし、モバゲーとの区別がつかない。ベタベタ過ぎてダサすぎると、モバゲーの移植版にしか見えなくなってしまう

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SAO・テイルズの値段もくそもないような高度な感じは、外国産のものと同じで最新と割り切って物凄く楽しい。けど、「パズドラモンスト」の場合、なぜゲームが高度にならないのか、なぜ絵柄が古いままかなどの、旧態依然的な非常識さが気になって楽しみにくい

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2012～4年は不況時代ではあるが末期だ。しかし、作風は完全に悪い意味での当時のまま現代を突っ走っている。昔のゲームのいい面だけは削がれている。途中から重課金仕様じゃなくなり、マンネリ感が増している

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若き日にファミコンでスターだった会社が晩年つまらないマンネリゲームを作って老衰したこの感じが、まさに国産ゲームがダメになった過程そのものではないかと思う。おそらく時代の流れに翻弄されたわけである。そして最後は一蓮托生になった

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日本の国産ゲーム文化の黄金時代は1990年代～2000年代である。1980年代はまだまだ発展途上期で試行錯誤時期だった。そしてその黄金時代の番組は、ゆとり世代が今遊んでも勢いが感じられるし、面白いし、褪せない。同時期の欧米のゲームと比べてもクオリティの差はない

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しかし当時それを作った人たちは、出演するキャストも、製作者も、高齢化し、負のベタ臭さだけを引きずって、時代から乖離し、世間の注目も利益も失い、見限り、徐々に定年退職していった。そして完全に当時の世代がいなくなったのが2010年代のことだと思う

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日本で、WIIUが生産終了したのは2016年のこと。任天堂といえば、一世を風靡したマリオで名を馳せた企業である。今も健在で、ゲームや本体がよく売れているが、王座から姿を去って久しい

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2010年代初期は、無料ゲームの黄金期でもある。今振り返ると、昭和から続いていた文化の多くが衰退したのがこの時期である。おそらくその多くは、往時は人気作品だったとしても、「イケイケが野暮になったような」負の昭和性だけが延命して陳腐化した流れがあるのだと思う

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そして今はそれから何年も経っている。PS時代のゲームですら、作者がもう中高年で、中には定年退職しているレベル。前期バブル世代さえもう隠居の段階に入っている。2000年以降しか知らない世代から見れば、自分の生きたことのない時代である1990年代のゲームの方がよほどまともに見える

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私はふとゲームを遊んで気付いた。今の日本のゲームの「古臭さ」はなぜ出来上がったのか。あまりにも昭和の「ベタ」の存在が大きすぎて、それに代わる文化として「ネタ」が支持されたからではないかと。私は強く思うのだ。今のゲーム文化を支配しているのはネタ消費と馴れ合いではないか

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ある種の金字塔的な名作が、DQやFFのマネをしたりするキャラが出てきたり、2000年代のモバゲーのネタをねじこんで、本筋と関係ないボケをちりばめているのだが、それは新参者に通じない内輪ネタ。こういうことをやっているから日本のゲームはダメになるのだ

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しかし、わざと懐古ネタを陳腐であることを承知で持ち込んでコントっぽく作っている現代と比べると、意図せずにコントになってしまった開始当時の方が悲惨なのも事実だ。作品を作るスタッフは、ふざけるつもりではなく真面目にカッコよく演出するつもりであれを手掛けてたはずだから

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で、今のゲーム界で影響を発揮している作者は、若手の頃、自分の親の世代の「ファミコン」的ゲームがあまりにもダサいことを痛感していた。しかしそれを憎むがあまり本来は評価に値する作品さえもひとくくりにして否定し、立派であることを目指すこと、ベタを否定した

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コナミの場合、MGSなどの長寿作品を打ち切った（意外にも初代時点でPSだが）のも2010年代半ばのことだ。古参系のゲーム製作者が、旧態依然を脱したいために「ベタで真面目」なゲーム作りを放棄し、本質価値すら見誤ったのである

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それはゲームだけではない。日本の地上派アニメの惨状。昔の作品をパロディ化して嘲笑するのは現代の風潮である。この作品の原作者もおそらくファミコンあるいはプレッシャー世代。ばくおん!!だってエピゴーネン文化の成れの果てだ

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日常系の作品や、いわゆるネタ消費的なものやインフレ化している小説や漫画をそのままアニメ化したような、そういうアニメ消費社会の源流は、2000年代にあるけど、今、当時のTV番組表を見ると、高品質作品の方が多い

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元祖ネタ消費アニメのケロロ軍曹やらき☆すたが絶大な支持を得たのは、他にめぼしい作品がなかったからである。だから旧態依然のアニメ番組を嫌ったファンがそこに集中した。それを作ったり見たりした世代が、今や高齢化し、岐路に立たされている。というわけだ