編集部イチオシ

実在している剣術の構えいろいろ

日本刀の握りかたについて話題になっていたので、関連項目として実在している日本の剣術の構えの例をいくつか紹介してみました。 流派により目的や手段が違うため、同種の構えでもかなりの違いがあります。 創作者の方々や日本の剣術や剣道に興味のあるかたの参考になれば。
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みんみんぜみ @inuchochin

刀の持ち方の描きかた、みたいなツイートやまとめがえらく回ってるみたいなので、過去ツイートでいろいろな流派の構えについてツイートしたものをいくつか。まずセイガン(正眼、晴眼、星眼、精眼、西岸といろいろ書き方があり、字によって意味が変わる流派もあります) twitter.com/inuchochin/sta…

2018-03-22 20:39:57
みんみんぜみ @inuchochin

中段・セイガンの続き)、駒川改心流の正眼と平正眼、神道無念流のせいがん(?) pic.twitter.com/c7akzJYXYS

2016-04-19 01:45:08

セイガン、中段などの構え

みんみんぜみ @inuchochin

ためしに中段・セイガンと言われる切先を敵に向ける類の構えを諸書より抜粋してみる。新陰流(柳生)の中段、馬庭念流の上段、小野派一刀流のせいがん、直心影流の直立精眼、(続く pic.twitter.com/ddOd4BGLaw

2016-04-19 01:35:59
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みんみんぜみ @inuchochin

1300年代に成立した、法然上人絵伝にあるという、太刀をセイガンに構えた武士。まだ神道流の飯笹長威どころか念阿弥慈恩すら存在しない時代です。 pic.twitter.com/vf4nWpWqYn

2018-03-22 20:44:11
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ハッソウ(八相、発草、八双)
イン(陰、引)

みんみんぜみ @inuchochin

こちらはいわゆる八相(発草、八双)の構え。流派によってはイン(陰、引)の構えとも。新陰流(柳生)の発草、香取神道流の陰の構え、示現流の蜻蛉、小野派一刀流の陰の構え pic.twitter.com/VaGZchSA9t

2018-03-22 20:48:59
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みんみんぜみ @inuchochin

ハッソウ・インの構えの続き。駒川改心流の八相、二天一流(野田派)の八相、神道無念流(八戸藩)の八相。ハッソウとインの構えが別の構えとして存在する流派もあります。 pic.twitter.com/2f4dDWPEik

2018-03-22 20:50:57
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高波の構え
(一部の流派で高い八相のような構えを高波と言いました)

みんみんぜみ @inuchochin

疋田豊五郎の新陰流の「高浪」(福岡市立博物館の黒田長政あての疋田新陰流絵巻より。図録の抜粋)、現存の肥後新陰流(疋田伝の新陰流)の高波 pic.twitter.com/yvwWKwpILw

2018-03-23 14:45:37
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湖北屋 満造 @kohokuya

@inuchochin 片山流剣術の高波は絵図に残っています。分かりにくいですが、鍔を肩より上にして構える。 ちなみに車(斜)の構えは左のように肩よりも下にして構える八相風の構えになります。他道場では車の構えを脇構えと同じとする所もあります。 岩国徴古館蔵、伯耆守撰武内中務工夫組合真位外より pic.twitter.com/el2IGkVQfO

2017-06-05 01:11:05
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みんみんぜみ @inuchochin

黒田先生の駒川改心流にも高波の構えがあります。疋田豊五郎の絵目録の高波と刃の向きは違いますが、良く似てますね。(黒田鉄山「剣術精義」より) pic.twitter.com/LCIjFDCN1I

2018-03-24 07:53:21
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霞の構え

みんみんぜみ @inuchochin

せっかくですから、剣術の構えで創作作品のモチーフにされる「霞の構え」、実際の剣術で使われている例もいくつか。新陰流(疋田豊五郎系)の花車、小野派一刀流の上段~下段の霞の構え、駒川改心流の上段霞、示現流の燕飛に現れる構え(払い打ち?) pic.twitter.com/VlfKkfUbG3

2018-03-22 22:15:08
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みんみんぜみ @inuchochin

そして、貫心流剣術の東軍の構え、北辰一刀流の上段霞、甲源一刀流霞隠の形の構え。 pic.twitter.com/fu4W0zfxUD

2018-03-22 22:15:09
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みんみんぜみ @inuchochin

鳥取藩の名流、雖井蛙流兵法の霞。熊本の二天一流の一刀太刀(一刀の剣術)の刺手の構え。直心影流の翳。 pic.twitter.com/gH0Dp8nq9V

2018-03-22 22:15:09
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みんみんぜみ @inuchochin

心形刀流の丸橋、神道無念流の霞、鞍馬楊心流の構え(名前がわかりません) pic.twitter.com/emg8OVdcm2

2018-03-22 22:51:12
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霞の構えについて

オムニ P @OMNI_P

@inuchochin 素人質問ではありますが、霞の構えの利点や想定使用状況など、大まかに御教授頂いても宜しいでしょうか

2018-03-22 22:24:13
みんみんぜみ @inuchochin

@OMNI_P 流派によってかなり高さや向きが違うのでなんともいえませんが、上記の絵の新陰流では 1、敵の打つ場所(上から打つ場合、太刀がかなり邪魔になる)を限定できる 2、振りかぶらなくてもそのまま振り下ろせる  くらいはあると思います。 youtube.com/watch?v=Mx1ijt… 左右が逆ですが、最初の形の動きです

2018-03-22 22:29:37
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みんみんぜみ @inuchochin

@OMNI_P 笹森順造「剣道」では中段霞についてこのように書かれていました。 『霞の構えはしないをあたかも霞のようにつかい、その奥に何があるかを包み、相手に知らせず、相手がわからないところから、おのれのあらゆる変化の技を出す構えである』上段霞も『右足を踏出せばどんな技でも出し得る』とあります。

2018-03-22 22:36:30
オムニ P @OMNI_P

@inuchochin なるほど動画を拝見した感じだと、受けと上段の折衷というか、あらかじめ相手の可能行動を制限しつつ、攻撃準備動作を完了しておく感じに見えますね

2018-03-22 22:40:15
みんみんぜみ @inuchochin

@OMNI_P わたしはそのような感じで理解しています。実際どういう意味で開祖が作ったかはわかりませんけど…

2018-03-22 22:52:35

示現流の例

みんみんぜみ @inuchochin

示現流の太刀のいろいろ。示現流では「構え」という言い方はしないそうです。奥伝的な、天真正自顕流由来の「十二の打」に出てくるものだけでこれだけあるようです。燕飛には他にもいろいろ出てきます。 村山輝志『示現流兵法』から抜粋です。 pic.twitter.com/FsKEQUTj5x

2018-03-22 23:14:13
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みんみんぜみ @inuchochin

示現流と自顕流(薬丸示現流)のトンボ(の構え)、この画像のように結構違います(学研の「日本の剣術」より)。 pic.twitter.com/cmdafqU37P

2018-03-22 23:15:49
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