上代語擬古文作文における注意点のまとめ
- Namkin_Maturyog
- 10303
- 53
- 3
- 0
上代語に特有の注意点
1上代特殊仮名遣ひ 上代特殊仮名遣ひは、現代語の入力環境では百%意識することはないので、馴染みが薄からうと思ひます。 ツイッターで上代語による擬古文をツイートする分には、あまり意識する必要はありませんね。(現代語を上代特殊仮名遣でツイートする方もいらつしやりますが)
2018-04-29 18:32:04上代特殊仮名を調べられる辞典は、多分以下のものです。(歴史的仮名遣による五十音順) ・岩波古語辞典 ・古典基礎語辞典(大野晋) ・字訓 ・時代別国語大辞典上代編 ・小学館古語大辞典 ・日本国語大辞典 ・ベネッセ古語辞典 他にもあつたかもしれませんが、忘れたのです。
2018-04-29 18:32:05上代特殊仮名遣ひの勢ひによる覚江方は、時々ツイートしてゐますので省略するのです。(上一段は廻る以外甲類、形容詞活用語尾は甲乙あれば全て甲類、など)
2018-04-29 18:35:222活用形 wikipediaに、助動詞以外が載つてゐますね。 助動詞活用形も現在ツイート中なのでそちらを参考にしてみてくださいね。
2018-04-29 18:37:063助動詞の用法上の注意 軽い尊敬の助動詞「す」は、四段活用なのです。 以前、下二段活用で作文してゐる方がいらつしやりましたので、注意が必要でせう。 下二段活用で活用するのは使役の「す」ですが、上代語では「しむ」を使ふやうにしたはうが良いと思ひます。
2018-04-29 18:40:56「まほし」、「めり」は用例が非常に少ないのでできるだけ使はないやうにしませう。「まくほし」「みゆ」などと云ひかへませう。 亦、活用がある語+断定の「なり」は絶対に使つてはいけません。ヲシテのやうになります。
2018-04-29 18:43:07散文では、(ゆ・らゆ」を使はないはうが良いかもしれないので注意してください。 4語彙 上代と中古で意味が異なる動詞もあるので、注意が必要なのです。(例:訪ふ) 歌語と通常語彙の区別も必要でせう。(たづ→つる、等」 当然、中古以降の語は使はないやうにしたはうがよいと思ふのです。
2018-04-29 18:46:03- まとめ作成者註
上代語において用いられる語は、その出自が日本語にあるものが圧倒的ではありますが、漢語も多数使用され(例:「轆轤」「法師」など)、和漢合成語(例:「土師(はジ・はにシ)」「女餓鬼(めガキ※」)、朝鮮語かと思われる語、漢訳された梵語などもあり、当時の識字階級の語彙には漢語を和訳したもの(例:生死「イキシニ」)も見られます。
また、通常和語とされる語にも「うま(馬)」「うめ(梅)」「たけ(竹)」「ゑ(絵)」など漢字音由来かと思われる語があります。
※鬼の字音仮名遣ひは「クヰ」であり、上代特殊假名遣ひにおいてキ乙類となる字には貴、歸など同様に合拗音となる字が含まれる(キ乙類字全てが合拗音という分けではない)。
6人称代名詞 代名詞はいろいろとあります。一人称は「わけ」「まろ」「わろ」などと沢山有るのですが、「あ・あれ」、「わ・われ」、あたりを使つてみるのが無難と思ひます。二人称も沢山あるのです。 ・なれ ・なむぢ ・なひと ・みまし ・いまし ・おれ ・い ・きみ ・まし
2018-04-29 18:57:077その他代名 こそあど言葉なのです 場所 ・ここ:此処 ・そこ:其処 ・いづく:何処 物 ・これ :是 ・それ :其れ ・かれ :彼れ ・いづれ・なに:何れ 一般 ・こ ・そ ・か 方角 ・こち・こなた:此方 ・ ・(かなた)をち:彼方 ・いづち・いづへ:何方
2018-04-29 19:04:11この表から分かるごとく、指示代名詞は未発達だつたらしいのです。 6散文と韻文 散文では、「テアリ」「ニアリ」、韻文(和歌など)では「タリ」「ナリ」が用ゐられる、といふ傾向があるのです。意識してみませう。。
2018-04-29 19:12:26