【英霊剣豪201x番勝負】 第七節『英霊剣豪、再び』

推敲中に公式からお出しされる光秀とかいう新キャラ 6:https://togetter.com/li/1246827 8:https://togetter.com/li/1248141
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劉度 @arther456

CD2 14 極限の刻へ Fate/Grand Order OST 2 youtu.be/_adecsosS9U @YouTubeさんから

2018-07-16 22:07:00
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劉度 @arther456

英霊剣豪七番勝負 勝負・番外 宮本武蔵 対 ランサー・大焦熱地獄 一切圧壊 三浦義意

2018-07-16 22:07:00
劉度 @arther456

二の丸に辿り着いた立香たちは、早速化け物の群れと衝突していた。「わかっていたが、数が多いな!」段蔵は愚痴りながら手榴弾を投げる。数匹の化け物が吹き飛ぶが、すぐに次の化け物が現れ、陣形の穴を塞ぐ。「というか、動きがいいぞこいつら!指揮官は誰だ!?」25

2018-07-16 22:10:00
劉度 @arther456

突然、鋭い鞭が段蔵を襲った。「ぬうっ!?」間一髪で段蔵は避ける。攻撃の源は、化け物の群れの中央に立つ人間の男だった。だが、放たれる禍々しい気は生者のそれではない。《生体反応無し、死人だ!気をつけて!》「上杉憲政。貴様も蘇っておったか」小太郎が呟いた。26

2018-07-16 22:12:00
劉度 @arther456

「控えい、下郎共。関東管領の御前であるぞ」憲政に付き従うように、大型の化け物が姿を現す。「マスター。宝具を使いますか?」段蔵が囁く。しかし立香は、なるべく宝具を温存したいと考えていた。本丸にはキャスター・リンボが待ち構えているのだ。どんな罠があるかわからない。27

2018-07-16 22:15:01
劉度 @arther456

「お主ら、伏せろっ!」立香の後方から、憲政に向けて銃撃が繰り出された。「ッ!?」憲政は鞭を振るい、これを防ぐ。振り返った立香が見たのは、ライフルを構える氏康だった。「氏康さん!」「すまん、待たせた。ここはワシらに任せろ!」氏康の後ろから、北条の兵士たちが駆けつける!28

2018-07-16 22:18:00
劉度 @arther456

「ガアアアッ!」化け物たちが飛び出し、北条軍に襲いかかる。しかし、騎馬武者が飛び出し、彼らを蹴ちらした。「おう、立香殿!早く行け!」「綱成さん!」綱成を先頭にして、北条最強の騎馬隊が化け物の群れに突撃する。「この戦、勝った、勝った、勝ったぁ!」29

2018-07-16 22:21:01
劉度 @arther456

「北条……氏康……!」乱戦の中、憲政の目は、氏康だけを見ている。「……上杉憲政」氏康はその視線を正面から受け止め、剣を構えた。「……立香殿。ここは殿に任せてくれ」「大丈夫なの?」「あの2人の因縁に、ワシらが割り込むのは無粋であろう」立香たちは本丸へ向かう。30

2018-07-16 22:24:01
劉度 @arther456

その足元を炎が焼いた。「熱っつう!?」火炎放射器だ。驚く立香たちの前に現れたのは、奇妙な機械仕掛けの兵士たちと、彼らを率いる紫色のスーツの男だった。《サーヴァント!と、何だコイツらは……シャドウサーヴァントのような……未知の反応だ!》ダヴィンチが叫ぶ。31

2018-07-16 22:27:00
劉度 @arther456

「お初にお目にかかる。我が名はキャスター・明智光秀」スーツの男が名乗った。「この先は本丸だ。通すわけにはいかん」「どいてよっ!リンボが何しようとしてるか、わかってるの!?」「愚問を。承知の上で手を貸している。リンボ殿が集める霊力は、数千の英霊に匹敵するからな。邪魔はさせん」32

2018-07-16 22:30:00
劉度 @arther456

機械仕掛けの兵士が、隊列を組んで火炎放射を放つ。「お下がりを、マスターっ!」小太郎は炎を飛び越え、クナイを放った。刃が装甲を貫通し、機械兵たちが倒れる。だが、彼らは自力で頭のクナイを引き抜き、何事もなかったかのように立ち上がった。「何っ……!?」33

2018-07-16 22:33:00
劉度 @arther456

「紹介が遅れたな。これは私が作った英霊兵に、リンボ殿の術で改良を加えたものだ。さしずめ――」機械兵たちの左腕から、片刃の剣が展開される。「英霊剣豪兵、とでも言うべきかな。二千体いる。ゆっくり遊んでいくといい」「なっ……!?」その名前と数に、立香は愕然とした。34

2018-07-16 22:36:00
劉度 @arther456

英霊剣豪を倒すには、業を断つ一閃、因果を超えた一撃が必要だ。それを放てるのは、剣聖と呼ばれるほんの一握りの人間しかいない。だから、武蔵を海岸に残したのだ。英霊剣豪らしき海岸のサーヴァントを倒すために。それが裏目になった。立香の鼓動が、早鐘のように加速する。35

2018-07-16 22:39:00
劉度 @arther456

「マスター、気をしっかり保ってくだされ」落ち着いた声。立香が顔を上げると、横に宗矩が立っていた。「全てを相手にする必要は無し。拙者が足止めする故、マスターは横を抜けて本丸へ向かわれよ」「でも、宗矩さん、相手は――」そこに、1体の英霊剣豪兵が斬りかかる!36

2018-07-16 22:42:00
劉度 @arther456

宗矩が踏み込んだ。剣の軌跡が残ったように錯覚するほどの、美しい一閃が、英霊剣豪兵を両断した。斬られた英霊剣豪兵の傷は繋がらず、立ち上がらない。「不肖ながら、かつては剣術無双と謳われた身。その程度では、英霊剣豪に及びませぬかな?」剣聖は1人ではなかった。37

2018-07-16 22:45:01
劉度 @arther456

「主よ、命令を」「……宗矩さん、英霊剣豪兵の足止めをお願いします!私たちは、その間に、本丸へ向かいます!」「委細承知」宗矩は敵軍の真っ只中に踏み込んだ。英霊兵たちが剣を振り上げるが、遅い。その時既に、彼らは宗矩に斬られていた。その間に、立香たちは本丸へ向かう。38

2018-07-16 22:48:00
劉度 @arther456

「本物の英霊剣豪のように、不死身というわけではないが……こうも容易く討たれるとはな」光秀の声には、驚愕と感嘆が含まれていた。「流石、但馬守。生前と変わらぬ腕前よ」新たな英霊剣豪兵たちが、光秀の前に整列する。「だが、これだけの数、例え逆風の太刀でも捌ききれまい」39

2018-07-16 22:51:00
劉度 @arther456

「侮るなよ、天海。ここにいるのは将軍指南役に非ず」宗則はゆっくりと、刀を正眼に構える。「サーヴァント、セイバー、柳生但馬守宗矩。我が剣、御留流に非ず。柳生新陰流の妙技の数々、とくと味わうがよい……!」「ならば、存分に見せてもらおうか。かかれっ!」光秀が命令を下した。40

2018-07-16 22:54:00
劉度 @arther456

数体の英霊剣豪兵が、宗矩に斬りかかった。宗矩はそれを危なげなく避け、反撃の太刀で斬り伏せていく。その頭上を、別の兵士が飛び越えていった。「むうっ!」立香たちが出ていった門へ向かっている。後を追うつもりだろう。しかし、門を出る前に、青い太刀筋が彼らを叩き落とした。41

2018-07-16 22:57:00
劉度 @arther456

「成程、こうか!」門を守ったのは、エージェント武将の柳生宗矩だった。「お主、なぜ残っておる」「残れと言われたからよ」「それはお主ではない、拙者だ」「そうだったか?」吹き付けられた火炎を飛び越え、宗矩は英霊兵の頭を叩き割る。だが、英霊剣豪兵は倒れない。反撃の太刀を繰り出す。42

2018-07-16 23:00:04
劉度 @arther456

「むうっ!」宗矩は剣を避け、相手を袈裟懸けに斬り捨てた。今度は復活しない。「コツが掴めんな……よし、次、来い!」「下がれ。お主ではまだ早い」サーヴァントならいざ知らず、こちらの宗矩は生前、それも若い頃の宗矩だ。未熟な剣技では、英霊剣豪兵の相手は荷が重い。43

2018-07-16 23:03:00
劉度 @arther456

しかし、宗矩は叫ぶ。「儂の剣が見れるのだ!この機会、逃してたまるか!」「儂ならいずれ辿り着く境地よ。今、追いつく必要はない」「何を言うか!」宗矩は、英霊剣豪兵の喉を突く。「追いつくのではない、追い越すのよ!お主が今までの儂の限界なら、儂はこれからそれを乗り越える!」44

2018-07-16 23:06:00
劉度 @arther456

「……まったく」若い頃の自分を思い出し、宗矩は薄く笑った。幕府に仕える前は、ああした血気盛んな振る舞いもしていたものだ。他人ならいざ知らず、そへが自分自身なら責められない。「そこまで言うなら、一人も討ち漏らすなよ?」「応、任せろ!」2人の宗矩は英霊剣豪兵たちに向き直った。45

2018-07-16 23:09:00
劉度 @arther456

【英霊剣豪201x番勝負】 第七節おわり 第八節に続く

2018-07-16 23:10:00