アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-10話脚本:若さゆえの焦燥

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、F-エフ-10話脚本。 前回は、同作9話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/07/… 上記ブログのtogetter版: togetter.com/li/1247022 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本F-エフ-10a アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなって数々の熱い勝負を繰り広げていく。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。 今回のコンテ/演出は古川順康氏。

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高屋敷氏脚本F-エフ-10b 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-10話脚本:若さゆえの焦燥 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/07/… #はてなブログ F-エフ-の記事一覧: makimogpfb2.hatenablog.com/archive/catego…

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高屋敷氏脚本F-エフ-10c 今回の話: 前回、筑波サーキットでの練習走行時に、上位ランカー・砂井と乱闘した軍馬。聖(後の軍馬のライバル)は、そのトラブルの解決に奔走する。全ては、タモツ(軍馬の親友で、メカニック)の才能に惚れ込んだためであった。その事を、軍馬はまだ知らない…

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高屋敷氏脚本F-エフ-10d 開幕、高屋敷氏の大きな特徴、「物」の意味深アップ。暗いのでわかりにくいが、聖(軍馬の後のライバル)がボールをお手玉している。画像は、「物」の意味深アップ集。今回、めぞん一刻・チエちゃん奮戦記・DAYS脚本。 pic.twitter.com/UNFN6pcNVO

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高屋敷氏脚本F-エフ-10e 聖は、タモツ(軍馬の親友で、メカニック)の腕に惚れ込み、色々と根回しする。このシーンは、アニメオリジナル。聖は、恋人のルイ子に「興味があるのはマシン」と言うが、後の展開を考えると、色々考えさせられる。本作のオリジナル部分は、伏線の宝庫。 pic.twitter.com/sACOxpKTAx

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高屋敷氏脚本F-エフ-10f 森岡モータース(軍馬とタモツのバイト先)の店長・森岡は、筑波サーキットでの軍馬の大暴れの顛末をタモツから聞いて驚き、軍馬と色々話し合った方がいいと助言。森岡の煙草描写が丁寧な所に、高屋敷氏の特徴が出ている。カイジ・アカギ・めぞん一刻脚本と比較。 pic.twitter.com/Qz76zMikLz

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高屋敷氏脚本F-エフ-10g 一方軍馬は、前回怪我した左足を病院で診てもらう。幸い、骨折はなし。 どさくさに紛れて純子(同じアパートの住人)を口説こうとする軍馬だったが、純子はそれを回避(アニオリ)。なんとなく、ルパン三世2nd演出/コンテと比較。どちらも男性が、女性にいなされる。 pic.twitter.com/E97Ta9c8S7

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高屋敷氏脚本F-エフ-10h 原作では、軍馬は女医を口説き、純子を怒らせていたが、アニメでは、あくまで純子を口説いている。「男の純粋さ」を貫く節のある、高屋敷氏らしい改変。 どのみち純子は怒り、軍馬を病院に置き去りにするが、アニメでは、岸田(軍馬を慕うインテリ青年)が、軍馬を拾う。

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高屋敷氏脚本F-エフ-10i さらにアニオリ展開は続き、岸田と軍馬は喫茶店で話す。 軍馬が片手で豪快にパフェを食べており、高屋敷氏特徴の、食いしん坊描写が出ている。元祖天才バカボン演出/コンテ、ルパン三世3期・チエちゃん奮戦記脚本と比較。 pic.twitter.com/lyXW0vRuxP

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高屋敷氏脚本F-エフ-10j 岸田から、もうすぐFJ1600のレースがあることを聞いた軍馬は、自分も参加したいから、金を貸してくれと岸田に迫る。金持ちの岸田は、最終的に金を貸す。 カイジ2期脚本にて、原作通りだが、遠藤から大金を借りるカイジが思い出される。軍馬もカイジも、人たらしな面がある。 pic.twitter.com/bhDwCFnIKy

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高屋敷氏脚本F-エフ-10k エントリーに行く途中、軍馬と岸田は、砂井(鼻持ちならない上位ランカー)に遭遇。この展開もオリジナル。 対峙する二人だったが、砂井は軍馬の杖を引っ張るなど、咄嗟の悪知恵を働かせる。悪知恵が冴えるキャラは、高屋敷氏の担当作には、実に多い。 pic.twitter.com/EiS74DEHiV

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高屋敷氏脚本F-エフ-10l これ以上のトラブルを回避したい砂井は、その場を去ろうとするが、軍馬は杖を砂井の車に投げつける。そして結局、乱闘へ。後の軍馬の談によれば、軍馬が勝ったようで、意外な結果。アニメでは、軍馬に少し華を持たせたのかもしれない(原作では、軍馬の乱闘の勝率は悪い)。 pic.twitter.com/mTRh7YmUfq

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高屋敷氏脚本F-エフ-10m 夕刻、タモツが帰宅すると、聖が待ち構えていた。聖は、筑波サーキットにおける軍馬と砂井の乱闘の件について、軍馬が一筆書けば丸く収まるよう、関係者に話をつけてくれていた。だが軍馬は、乱闘は自分だけの責任ではないとして反発。ここの軍馬は、原作もアニメも幼い。 pic.twitter.com/8lSzYtUNmq

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高屋敷氏脚本F-エフ-10n 砂井にも一筆書かせろと、軍馬はペンを聖の方に転がす。聖はそれを了解し、軍馬の方へペンを転がし返す。この演出はアニメオリジナルで、「手+物」の意味深な表現にこだわる、高屋敷氏らしい。 画像は「手+物」の意味深表現集。 今回、めぞん一刻・チエちゃん奮戦記脚本。 pic.twitter.com/dZ4XnimJbU

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高屋敷氏脚本F-エフ-10o 軍馬は、頼みもしないのに、妙に親切で恩着せがましいと、聖を怪しむ。軍馬は本能的に、聖に何か魂胆があることだけは当てる。 カイジ脚本では、さらに複雑な腹の探り合いが展開されていく。高屋敷氏は、多くの作品にて、心理戦を描写/強調している。 pic.twitter.com/lczmzrtvBC

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高屋敷氏脚本F-エフ-10p 軍馬の推理は半分当たったものの、ターゲットがタモツであることまでは見抜けず。そして、聖が買っているのは自分なのだと、軍馬は自画自賛し始める。聖は内心苦笑しながら、それを肯定。 気を良くした軍馬は、謝罪文を一筆書く。

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高屋敷氏脚本F-エフ-10q 軍馬は聖に、近々行われるレースに、自分も出ると宣戦布告。タモツは驚き、そして、軍馬が岸田にエントリー料を借りたことを知って愕然とする。 軍馬は、ガタガタ言うなと、タモツを突き飛ばす(アニオリ展開)。 それを目にしながら、聖は小森荘を後にする。

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高屋敷氏脚本F-エフ-10r タモツは、「何をそんなに焦ってるんだよ」と軍馬に問う。 軍馬は、「あ、焦ってなんかねーぜ！俺はな、お前みたいにつまんねーことでウジウジしたかねえんだよ」と返し、そっぽを向く。この会話もアニオリ。高屋敷氏は、若者の感情のぶつけ合いを描くのが上手いと思う。 pic.twitter.com/uAmd1HFYaQ

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高屋敷氏脚本F-エフ-10s 一旦頭を冷やすため外に出たタモツに、聖が声をかける。聖は、タモツのメカニックの腕を褒め、友達になりたいと言い残し去る。 アニオリで、タモツと軍馬の口論を差し挟んだのが効いている。タモツと軍馬の間に、聖が入り込める隙を作っており、意義のあるオリジナルと言える。 pic.twitter.com/ZGusPQ4uhP

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高屋敷氏脚本F-エフ-10t 後日、聖はタモツに電話をかけ、あらためてタモツの才能を買っていることを告げる。 タモツを口説いている間、意味深にボールを持つ手が映る。「思いを込めた物を持つ手」のアップ・間は、高屋敷氏の作品に頻出。グラゼニ・MASTERキートン・あしたのジョー2脚本と比較。 pic.twitter.com/8fXDSRZtxo

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高屋敷氏脚本F-エフ-10u 聖は、風呂上がりのルイ子に向かい、彼(タモツ)は本物だ、と断言。ルイ子は、そんな聖に抱きつき、その拍子にバスタオルが落ちる(アニオリ描写)。ここも、高屋敷氏の特徴である、意味深な「物」の描写。めぞん一刻・あしたのジョー2・コボちゃん脚本と比較。 pic.twitter.com/3r0xZAX6kL

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高屋敷氏脚本F-エフ-10v 一方軍馬は、病院に行く途中、ゲームセンターに立ち寄ってレースゲームをする。これもアニメオリジナル。ここでの軍馬の幼さは、ルイ子とのアダルトな関係を匂わせる聖と対照的。長年「幼さ」を描いて来た高屋敷氏の才が発揮されている。 pic.twitter.com/IgQUgtfRrL

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高屋敷氏脚本F-エフ-10まとめ1 タモツと軍馬の関係に、歪みやねじれが生じて来るわけだが、アニオリで岸田を投入したことが、うまく効いている。 岸田を絡めて発生した、軍馬とタモツのイザコザは、二人の間に聖が入り込む隙を作っている。こういった「意義のあるオリジナル」は本作に多く、感心する。