同人の異常な変革 または私は如何にして擁護するのを止めて同人を訝しむようになったか

金剛石 @Golden_ratio_S

だが事態はエスカレートした。R-18やR-15の二次創作がTwitterで出始めたのだ。エレン・ベーカーは中学生向けの教科書のキャラクターだ。英語を教えることが本来の役割であり、そこに余計なイメージを持たせてはならない。東京書籍側は「静謐な環境で教育を行えること」を望みとしている。

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影の匠氏がグッズを作ろうと許諾を得ようとして失敗し、総スカンを食らったのを見て、私は困惑した。東京書籍の所属している教科書著作権協会のガイドラインにて、許諾が必要だと知っていたからである。 同人においての「暗黙の了解」に浸かり切っていた彼らには、事情が異なることに気づかなかった。

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そして私は東京書籍に対し、二次創作ガイドラインの明文化を要求し、それを公表した。目的は3つ。 1つ目は文面通り、2つ目は早い段階で対処し、PTAや教育委員会等からの抗議などによる二次創作文化に対する被害を最小限にとどめること。

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そして3つ目は、二次創作を委縮させ、東京書籍の望む「静謐な環境下での教育」を達成させることだった。果たして、それは成功した。エレン・ベーカー事件は収束したが、未だにGoogle画像検索では、セーフサーチをつけても、以下のような画像が出てくる。 繰り返し言う。セーフサーチをつけてもこれだ。 pic.twitter.com/QVKbhtIEm1

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こうして私は「二次創作者の作者に対する好意と敬意」に対する不信感を募らせることとなった。 事件は続く。同年10月に起きた、「デッドオアアライブ成人向け二次創作販売中止令」だ。 togetter.com/li/1035961 二次創作において作者の言うことには絶対に従わなければならない。

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だが、この期に及んでも、版元に対する頓珍漢なクレームを言う人がいたことに私は落胆した。もはやその人たちには、作者に対する敬意など、微塵も感じられなかった。 こうして「作者に対する好意や敬意を持ち合わせていない二次創作者が少なからずいる」という疑念が確信に変わり始めた。

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まだ事件は続く。ムシキングで女キャラクターが悪堕ちしたことに対し、元からいたファンが、エアプイナゴにキャラクターを汚されていく様は見るに堪えないと苦言を呈したことだった。 togetter.com/li/1155453 問題はそれに対してある人がそのファンに対し「メンヘラクソ女」と言い放ったことだった。

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平和に過ごしていたら、どこからともなく現れたイナゴどもによって、キャラが汚され、それに対して文句を言ったら「メンヘラクソ女」とか言われるってどんな理不尽なんだ。 それで、あのキャラの二次創作を作った人で、今現在もムシキングをやってるって人はいったいどれくらいいるのかね？

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そしてこの事件、「ウマ娘二次創作に対する注意喚起」だ。 togetter.com/li/1239205 togetter.com/li/1239211 この件で私は確信した。「明らかに作者に対する好意や敬意で二次創作を作っていない人が少なからずいること」を。

金剛石 @Golden_ratio_S

アへ顔ダブルピースやら妊娠検査薬のコラをあげて面白がることが、子供向けアニメの製作者に対する敬意か？ 無法地帯に近い二次創作を描いて盛り上げることが、静謐な環境を望む人たちに対する敬意か？ 二次創作が版元に規制されたから、版元に文句を言うのが、版元に対する敬意か？

金剛石 @Golden_ratio_S

公式で悪堕ちしたからと言って色々な二次創作で荒らし、文句を言ってきた元来のファンを罵倒することが、版元に対する敬意か？ 私はそういう奴等には、中指を立てて応えたい。

金剛石 @Golden_ratio_S

今の二次創作は、昔のような好意と敬意で溢れていた時代とは違い、批判や風刺など、ぱっと見では、好意や敬意があるのか疑わしいものや、そんなものがさらさらなかったりするものも増えてきている。代表的なものでいえば、ニコニコ運営爆破シリーズだろう。

金剛石 @Golden_ratio_S

私にこう言った二次創作を止める権限はない。そして最初から作品に対する批判や風刺のために作られたものには別段、嫌悪感が湧くことはない。 だが、今後とも好意と敬意のない二次創作が増えていく可能性がある。 そのような事態にどう対応するか。ここで「トリビュート」という単語が出てくる。

金剛石 @Golden_ratio_S

「元に対する好意や敬意を以て作られた二次創作」を指す「トリビュート」という単語が生まれたということは、恐らく英語圏では、好意と敬意を以て作られたものと、そうでないものが混ざってた状態であり、それを区別するためにこの単語が生まれたのだろうと考えている。

金剛石 @Golden_ratio_S

日本の昔の、恐らく00年代から10年代初期にかけての二次創作文化は、作者に対する好意と敬意による二次創作が主流だった。しかし時代が進むにつれ、二次創作文化は変化している。 そろそろ「作者に対する好意と敬意を以て作られた二次創作」には「トリビュート」と呼ぶべき時代が来たのかもしれない。