水を描く展@山種美術館 館長・山崎による作品紹介

山種美術館「[企画展]水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお―」(2018/7/14~9/6) 会期中の館長・山崎妙子による作品紹介のつぶやきをまとめました。次回は9/15から「「[企画展] 日本画の挑戦者たち ―大観・春草・古径・御舟―」」を開催。
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山種美術館 @yamatanemuseum

横山大観《夏の海》(山種美術館)。大観が得意とした墨線の片側をぼかして山の稜線などを表現する「片ぼかし」という描法。本作品にも、海に向かってそそり立つ岩の複雑な表情や硬い質感表現に用いられています。(山崎) pic.twitter.com/8uEkkPKJdV

2018-08-15 12:10:04
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宮廻正明《水花火(螺)》(山種美術館)は、高知県四万十川の投網を描いたもの。極薄の美濃紙に裏彩色をした後、表から水衣という能装束に使われた絹を張り、その上から細かい網目を描いています。卓越した技法と色彩の層にご注目。(山崎) pic.twitter.com/t15zeiAf4P

2018-08-16 12:19:35
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強い雨の中、濡れる海棠が幻想的に描かれた小茂田青樹の《春雨》(山種美術館)。青樹は松本楓湖の安雅堂画塾で速水御舟とともに学んだ親友。絵具のにじみを用いて描かれた、しっとりと湿った空気を感じてみてくださいね。(山崎) pic.twitter.com/rQY0JC37G9

2018-08-17 12:00:08
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守屋多々志《波乗り兎》(山種美術館)。「波に兎」は古くから絵画や工芸に取り上げられてきた主題。兎のつぶらな赤い目、ぴんと立った耳がなんとも愛らしい扇面型の作品です。金色の筆線で描かれた海面の表現にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/KQfdUXbiq4

2018-08-19 12:00:10
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山本丘人《白滝》(山種美術館)は、岩間から流れ落ちる滝の様子が象徴的に表現された作品。山本丘人は、本作のように力強く、装飾性に富んだ風景画を数多く描いた画家。岩壁や木々の描写に金泥を用いている点にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/53ndXlGIpz

2018-08-21 12:00:16
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歌川広重(初代)《東海道五拾三次》のうち「蒲原・夜之雪」(山種美術館)。当館所蔵の「蒲原・夜之雪」は、絵師が直接作品の色合いを決めて摺られた「初摺」のうちの1つ。雪降る夜空や暗い部分の薄墨が繊細に表現されています。(山崎) pic.twitter.com/23zTXuG5Xn

2018-08-22 12:00:07
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奥村土牛《雨趣》(山種美術館)。大正期に住んでいた麻布・谷町(現在の六本木1丁目付近)を描いた作品。この年の夏は雨続きで遠出が難しく、近所を取材したそうです。濃淡のついた胡粉で雨を一本一本描いている点にもご注目。 (山崎) pic.twitter.com/rnhz1Zs1DF

2018-08-22 12:10:04
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暦では今日は、暑さが峠を越えて後退し始めるころとされる #処暑川端玉章《雨中楓之図》(山種美術館)では、雨の中、楓の葉が3枚、舞い落ちる様子が涼しげですね。このたび修復を行い、本展覧会で初公開となる作品です。(山崎) pic.twitter.com/I1yGTZC78M

2018-08-23 12:00:06
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小林古径《河風》(山種美術館)。団扇を手に縁台に座り、足先を川に浸して涼をとる娘。髪型や着こなしは菱川師宣や喜多川歌麿の美人画を連想させます。奥村土牛旧蔵品で、表具屋から紹介されて購入した土牛が大切にしていたそうです。(山崎) pic.twitter.com/D96dpFQgwj

2018-08-24 12:01:40
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中林竹渓《高士観瀑図》(山種美術館)。高士が世俗を離れ、山中の滝を眺めるという中国画の主題は、室町時代以降に日本でも好まれ、数多く描かれています。画中の高士は唐の詩人の李白の姿として表される場合が多いんですよ。(山崎) pic.twitter.com/HAn4v2bJr7

2018-08-28 12:00:07
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今村紫紅《富士川》(山種美術館)。縦長の画面の大部分を使って富士川を描き、山の向こうに富士山が顔を覗かせた作品。川原の石を表した「点」と川の流れを表した「線」によって作品全体にリズムが感じられますね。(山崎) pic.twitter.com/wCW7MFwfTJ

2018-08-29 12:00:13
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川合玉堂《渡頭の春》(山種美術館)。山のふもとの清流に浮かぶ小舟と農民たちを描いた作品。様々な水を巧みに表現した玉堂。水を描くことについて「水の如くに素直な、そして謙虚な態度で熟視すること」と述べています。(山崎) pic.twitter.com/3l2YlKyej9

2018-08-30 12:00:14
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洋画や写真技術を研究し、伝統的な写生画風に新風を吹き込んだ山本春挙《冷夢図》(山種美術館)は、縦長の画面いっぱいに滝のみを描き、流れ落ちる水の勢いや滝の高さを表した作品。飛沫の冷たさまで伝わってきそうですね。(山崎) pic.twitter.com/1PfeV5Emby

2018-08-31 12:00:16
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縦長の画面に奥行を持って山間の渓流を表現した、平福百穂《清渓放棹》(山種美術館)。下部を斜めに横切る渓流には、ひとり舟をこぐ人物が描かれています。放棹(ほうとう)は中国の山水図にしばしば見られる舟をこぐ様子の画題です。(山崎) pic.twitter.com/IEteFBNh2N

2018-09-01 12:00:06
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山元春挙《清流》(山種美術館)。画面上部の岩壁の力強さと、渓流の繊細な表現の対比が印象的な作品です。飛んでいる一羽の鳥によって、自然の雄大さが効果的に表現されています。水際の透明感や渓流の複雑な色合いが美しいですね。(山崎) pic.twitter.com/Ho710cC9mK

2018-09-03 12:00:11
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水郷・潮来に取材した竹内栖鳳《雨中山水》(山種美術館)。雨粒や線によらず、水気の多い墨のにじみによって煙るような雨を表現しています栖鳳は潮来に、かつて中国蘇州で受けたような感銘をおぼえ、度々訪れたそうですよ。(山崎) pic.twitter.com/TiDS8XVyo5

2018-09-04 12:00:13
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