あかり「好きです」結月弟「知ってる」【完結済み】
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マキ「あかりちゃんともずん子さんとも友達なだけだよ」 マキ「ただ単にお互いが誤解してて辛いなって感じてるだけ」 ずん子「そうですか…」 マキ「うん」 ずん子「…」ハァ
2018-10-31 23:11:52-過去・東北家- ずん子「お母さまー!言われたことできましたー!」タッタッタッ…ギュッ 母「あら偉いわね」ナデナデ イタコ「お母様、そろそろ出ないと会合に遅れてしまいますわ」 母「そうね…ではずん子はきりちゃんと仲良くお留守番してなさいね」スッ スタスタスタ…
2018-10-31 23:12:40ボソッボソッ… ずん子「…」チラッ 「流石次の当主様は威厳が違いますわね、それに比べ次女様は…」ボソッ 「…えぇ、もうすぐ中学に上がる頃ですのにまだ甘えん坊のまま…困りますわね」ボソッ ずん子「…」 〜〜〜
2018-10-31 23:13:00ずん子「きりちゃん、これは何をしているのー?」 きりたん「…ゲームです」 ずん子「面白いの?」 きりたん「えぇ…」 ピピピピ…ピロン きりたん「終わりました」 「素晴らしい、この年で何たる才覚の持ち主だ」パチパチ
2018-10-31 23:13:29「この子はぜひともうちで〜」 「いや、我らが〜」 きりたん「…」チラッ ずん子「…?」 トコトコトコ… きりたん「…」ギュッ ずん子「ど、どうしたのきりたん?」
2018-10-31 23:14:03「…」 「…あーそうだな、まだ年半ばも行かない幼児だ」 「姉に甘えたい頃合いだろう」 「ただ姉さえいなければ〜」 「このプロジェクトは〜」 ずん子「…」 きりたん「…」ギュッ 〜〜〜
2018-10-31 23:14:28「流石はイタコ様! それに引き換え…いえ何でもございません」 「なぜですか!? あ、もしやあの次女が原因なら〜」 「なぜあなたは何の取り柄もないの?」 「東北家の出来損ないでしょ、あの次女は」 「そうそう、いつもいつもずんだ餅を作って」 「脳みそ開いたら一面緑一色なんでしょうか?」
2018-10-31 23:15:04「こんな事もできないの? だから出来損ないなのよ!」 ずん子「お母様、あの…」ニコニコ 母「どうしたのずん子?」カリカリカリ… ずん子「その、私に何かお手伝いできることは…?」
2018-10-31 23:15:59母「そうね、あなたのずんだ餅が食べたいわね…」 ずん子「…あの他には?」 母「…?」 ずん子「いえ、なんでもありません…失礼しました」 〜〜〜
2018-10-31 23:16:09イタコ「ずんちゃ〜ん♪」ダキッ ずん子「わっ!? なんだイタコ姉さまでしたか…」 イタコ「〜♪」スリスリ ずん子「耳かき…します?」 イタコ「ずんちゃんにされる耳かきは極上ですわ〜♪」 きりたん「ずん姉さまに膝枕されながら耳かきされると聞いて」ヒョコ
2018-10-31 23:16:41ずん子「私にとって二人は自慢の姉と妹です」 ずん子「ですがあの二人の株が上がれば上がる程私に対して向けられる目は酷くなっていきました」 ずん子「だからいつも笑顔を絶やしませんでした」 ずん子「皆さんに認められたくて少しでも色んな事に挑戦しました」
2018-10-31 23:17:52ずん子「ただいつも頑張れば頑張る程に空回りしてしまいます」 ずん子「私はどれだけ努力しても認められません」 ずん子「母も心の中では私に期待していなかったでしょうし…」 マキ「…」 ずん子「ですが結局の所、私にとって東北家は全てでした」
2018-10-31 23:19:13ずん子「辛いことばかりです、苦しいことばかりです…ですがあの二人の笑顔を見るとそれだけで明日も頑張る勇気が湧いてきます」 ずん子「そしていつかあの人達も認めてくれるとひたむきに努力していたら…一夜にして全てなくなってしまいました」
2018-10-31 23:19:51ずん子「そして私から生きる意味を奪ったあの方は私の命を助けて私に何をやらすんでしょうかね?」ハハッ… ずん子「こんな何の価値もない私を…」 ヒュッ パチン!! マキ「…」ポロポロ ずん子「え…?」 マキ「…」ギュッ ずん子「な、何ですか急に…?」
2018-10-31 23:20:17マキ「どうしてそんなに自分をいじめるの?」 マキ「なぜ自分を無価値だと決めつけるの?」 ずん子「あそこでは私はなんの取り柄もない…」 マキ「それが普通だよ!!」 マキ「周りなんて気にせずに自分のために生きればよかったんだよ…ずん子さんはさ…」 ずん子「自分のため…」
2018-10-31 23:21:04マキ「誰かや周りのためでなく自分自身のためにさ」 マキ「皆からの評価が欲しい、認められたい、尊敬されたい…」 マキ「それは素晴らしいことだと思うし、憧れることだと思う」 ずん子「だったら…」 マキ「でも!!」 マキ「でも…ずん子さんそれはそんなにも苦しむ理由にはならないよ」
2018-10-31 23:21:26マキ「そしてそれを見せないように笑顔の仮面を貼り付けてさ」 マキ「それはあまりにも辛すぎるよ…」 ずん子「…」ジワッ マキ「多分、誰にも弱音を話せなかったんだよね…」 ずん子「うん…うん…」ポロポロ マキ「ほんとうに、今まで辛かったね…」ナデナデ 〜〜〜
2018-10-31 23:25:01マキ「あの、そろそろ…」 ずん子「もう少し甘えさせてください」ギュッ マキ「…うーむ、ん?」 ずん子「どうしました?」 マキ「…」 マキ「…いや、多分気のせいかな」 マキ(この病室、幽霊とかいないよね?) ずん子「あの…」 マキ「うん、なにかな?」
2018-10-31 23:25:26ずん子「確かマキさんは明後日退院するんですよね?」 マキ「…そうだね」 ずん子「…たまにでいいのでこうやって甘えさせてもらえませんか?」 マキ「まぁ私なんかでよかったら、いくらでも?」 ずん子「…そっか」ギュッ マキ「…」ナデナデ ずん子「あともう一つ…」
2018-10-31 23:26:29ずん子「あの人…あかりさんについて教えてもらえませんか?」 マキ「うん、もちろん」 ずん子「まだ少し、色々不安な事がありますがマキさんと一緒なら大丈夫なきがします…」 マキ「…そっか」ナデナデ ずん子「…」ボソッ マキ「?」 ずん子「い、いえ…はしたないですね、すいません」
2018-10-31 23:27:10ずん子「こういう気持ちを抱いたのは生まれて初めてでして…」 マキ「そ、そうなの?」 ずん子「あれ、聞こえてませんでした?」 マキ「う、うん」 ずん子「…」 マキ「…」 ずん子「いえ、ならいいです」コホン マキ「え、なになに気になるなー?」
2018-10-31 23:27:49-数日後- セイカ「はーい診察おわり、特に問題なしね」 セイカ「これももう必要ないわね」 ずん子「胸のこれ、取っていいんですか?」 セイカ「そうねー別に身体に違和感はないんでしょ?」 ずん子「ないですね」 セイカ「ならおわりーあとはもうサボって…」 ナース「ダメです」
2018-10-31 23:28:35