ぶたとクマの物語

1話は占ツクから読んでね!
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はぐ🕊 @516hug

忠義くん…私たち、もう、……。 pic.twitter.com/p99gAIhfH6

2018-09-10 20:49:03
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はぐ🕊 @516hug

打たれ弱い人だから…私がいけなかったの。…私たち傷つけあう位なら、… 忠義くんはモテる。わたしなんか、そもそも釣り合わないわかってたけど好きだった。どうしようもなく、好きだったの。『ごめん、俺…』「忠義くんに質問してい?…わたしの好きな動物は?」『え…、犬?』「違うよ?イルカ」

2018-09-10 22:14:39
はぐ🕊 @516hug

「忠義くん、やっぱ私の事あんま知らないんだねっ、…っ。…私は、忠義くんの事ならなんでも答えられるよ?だってずっと忠義くんを見てきたんだもん。」忠義くんに好かれたくて好かれたくて。目が合ったらビリビリって電流が流れる。手を振られると叫ばずにはいられない。それくらい好きだった

2018-09-10 22:21:37
はぐ🕊 @516hug

『〇〇』後ろから、私を呼ぶ声。『横山くん。』「横山さん…」私のそばに来て、私の肩を抱く横山さんは、忠義くんをジッと見た。『ほんま。こいつ泣かす天才やな(笑)』『は?』『…もうええやん、はっきりさせよ。』「横山さん?」『この際やん。はっきりさせとこ。…大倉、〇〇と離婚して。』

2018-09-10 22:32:05
はぐ🕊 @516hug

ぶたちゃんが、忠義くんからもらったオルゴール。 pic.twitter.com/b4Nn3xbtmv

2018-09-10 23:31:51
はぐ🕊 @516hug

「横山さんっ…横山さん待ってっ」私の手を強く掴んで、ずんずん進んでいく。痛い。こんな横山さん始めてだ。怒ってるんだ…。「横山さっ」涙が目を濡らした時「わっぷ」急に立ち止まった横山さんにぶつかる。『…れて』「え?」『忘れて。』『…大倉の事。ほんまに。』ドクッ…と胸が重く鳴った

2018-09-11 20:39:29
はぐ🕊 @516hug

『追いかけてもこぉへんやん』「それ…は…」『幸せにする。…俺ならそれが出来る。』「横山さん…」『2番目でいいなんてもう無理。』「…」『忘れて…大倉のこと。』わかってた…横山さんにいつか言われるこの言葉。『どんな形でもいい。…手に入るなら。』怖いくらい優しく、ふわりと抱きしめられて

2018-09-11 20:46:27
はぐ🕊 @516hug

『手に入るなら、どんな手だって使う。…そうゆう面あるん知らんかったやろ?』…確かに、知らなかったのかも。『忘れてくれるやんな?』忠義くんは、追いかけてこない。…離婚してって横山さんに言われても、何も言い返さなかった…。「ただよしくん…っ」 『消して』彼を想う最後の涙が流れていく..

2018-09-11 20:54:33
はぐ🕊 @516hug

私の中に残ってる、キラキラと眩しい、1番に眩しい最後の忠義くんのメモリー。それがパリンと割れてしまえば本当に…『終わらせよ。』横山さんが囁いて、私の胸に酷く優しくて酷く鋭い刃を突き刺していく。メモリーにどんどんヒビが入れられてく。『好きやないんやない。〇〇の事。』割れてしまえ。と

2018-09-11 21:04:01
はぐ🕊 @516hug

壊れちゃう。もうすぐ壊れちゃう。横山さんやめて「はぁ…はぁっ泣」息が苦しい。うまく呼吸できない。『俺の為に、消して』「横山さ…ん」『はやく楽になりたいやろ?幸せになりたいやろ』胸が痛い、「痛いよっ泣」へたりこんだ私を抱きとめ横山さんは『ネックレス外してたな。大倉』トドメを刺した。

2018-09-11 21:17:30
はぐ🕊 @516hug

最後のメモリーが割れた音と同時に重なった唇は、ピリッとした痛みと同じだけ甘くて。『俺だけこれから見てくれるやんな?』今の私には答える気力もあまり無くて。『幸せになろ』心が無くなってしまった。…そんな感覚が身体中を支配する。「……」なんにも考えられない中で、横山さんはまた唇を重ねた

2018-09-11 21:46:20
はぐ🕊 @516hug

それからしばらくして、私は横山さんの家に引きこもるようになった。というか、外に出る気力がない。何もしたくない。『〇〇、おいで』「はい」横山さんに呼ばれ、ぎゅう、と抱きしめられる時だけ、安心する。「キスはしてくれないんですか?」横山さんに依存していくのに、時間はかからない。

2018-09-11 21:58:34
はぐ🕊 @516hug

そんなふうな日々を過ごしてた私。「下で飲み物買ってきますね」『うん、気付けてな。』外に出ると、夏から秋に変わる風が私の肌をかすめる。「…はやいなぁ。もう秋かぁ。…あれ、売り切れ…」なんてこった。お目当てのジュースが売り切れだなんて。「コンビニ行こ。」すぐ近くだし。

2018-09-11 22:09:40
はぐ🕊 @516hug

聞き慣れたコンビニの音をくぐって中に入る。「(横山さん肉まんいるかな?)」お目当てのジュースをレジに持って行く時だった。『〇〇っ…?〇〇やん…な』「あ…」近づいてきて、私を真っ直ぐに見つめるこの人。「ただよ、しくん」時間が止まってく。『どうしたんっ…?なんでそんな…』彼が顔を歪めた

2018-09-11 22:22:23
はぐ🕊 @516hug

なぜそんな辛そうな顔するの?『横山くんと幸せになってるんかと思ってた』「はい」『けど、違うやん』「え?」『違う…。』意味がわからない。どう違うの?…そうだ離婚しなきゃ。横山さん安心させなきゃ。『俺、…あん時弱くて、…情けなくてごめん…』「はい」『でもあの子となんも無かった』え…?

2018-09-11 22:27:44
はぐ🕊 @516hug

忠義くん…何言ってるんですか? pic.twitter.com/zT5KekPiL4

2018-09-11 22:44:43
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はぐ🕊 @516hug

「何されたって…?」『…』じっと見つめてくる忠義くん。「何もされてないですよ」『うそや。』「何言ってるんですかほんとに」『…気付いてないだけ』「忠義くんおかしいです、」切なげな顔をしないでよ、「帰っても…っ!?」言葉を遮るようにギュッと抱き締められた。

2018-09-12 17:13:51
はぐ🕊 @516hug

頭が一瞬真っ白になったけど、ハッとして正気に戻る。「店員さん見てますって、離してくださいっ、」そうやってグイグイと忠義くんの腕の中で身体を離そうと抵抗すると、『出よ。』って私のジュースをレジに持っていって支払いを済ませ、私を外に連れ出す。 …と『…横山くん』『なんで大倉が?』

2018-09-12 17:16:49
はぐ🕊 @516hug

忠義くんが…『ぶた』って呼ぶのは いつぶりですか..?(訂正) pic.twitter.com/m7G5yxSaZm

2018-09-12 17:32:06
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はぐ🕊 @516hug

大倉side 『〇〇…』なんで追いかけられへんかったんやろ、ほんま自分が嫌になる。ラブホ出た時に〇〇に見つかるってそんなんある?横山くんに返す言葉もなかったし、『俺のや』って抱き寄せることもできひんかった。『俺いつまでグズついてんねん…』ポッケの中で暖かくなった〇〇の指輪を握りしめた

2018-09-12 17:41:34
はぐ🕊 @516hug

大倉side それでも無情に日々は過ぎていく。特に動くこともできひんまま、もうかれこれ〇〇に1ヶ月は会ってない。フラッと立ち寄ったコンビニで『〇〇…?』少し小さくなった背中。でもすぐ分かった。けど、ひどくやつれてて、前より痩せてて、違う人かとも思ってしまいそうになるくらい。

2018-09-12 21:40:37
はぐ🕊 @516hug

インターフォンが鳴った。横山さんはお風呂だから、「はーい…」私が。ホントは出ちゃダメって言われてるけど。ドアを開けると、「!?」『うん、忠義くん。』「な、んで、」『遅くなってごめん、うじうじしてごめん。』貝殻つなぎにされた手を引かれ、忠義くんは私を、横山さん家から連れ出した。

2018-09-12 22:15:42