エネルギー、交通、環境、農業、商業……あらゆる政策が「コンパクトシティ」に通じる!
国内のコンパクトシティの例としては、富山と青森の例がよく挙げられる。とくにこの青森が「コンパクトシティに失敗した」と批判される。これについて答えよう。
2018-11-10 20:47:38これについては、ハコモノ商業施設への投資による「中心市街地の活性化」に失敗したのであって、「中心市街地の活性化」=「コンパクトシティ」ではない!
2018-11-10 20:49:25政府や自治体が推進するコンパクトシティ計画は、「中心市街地の活性化」がメインになりがちだ。が、重要なのは過疎地からの「公共インフラ縮小」だ。
2018-11-10 20:51:39失敗するのは、ハコモノ行政の延長で「中心市街地の活性化」をしようとするからだ。そうではなく、「(赤字)公共インフラの縮小」は財政的必然だし、失敗しようがない。
2018-11-10 20:53:12「(赤字)公共インフラの縮小」で成功しているのは、財政破綻した北海道の夕張市。破綻後にコンパクトシティ化して、財政再建しているところだ。
2018-11-10 20:54:45政治家や役人は利権がないと動かないので、中心市街地の活性化を優先するが、本当に必要だったものは、過疎地からの公共インフラ縮小だ。つまり、コンパクトシティの本質は、基本的に撤退戦なのだ。
2018-11-10 20:56:46地方分権というが、コンパクトシティは中央集権でやらないと、前に進まない。なぜなら、自治体に任せていたら、外から税金投入してハコモノ拡大しかしたがらないからだ。
2018-11-10 20:58:09住人だって高齢化しているから、転居するのは面倒くさいだろう。しかしだからといって、強制移住させるのでは問題がある。憲法で居住の自由を保証しているからだ。
2018-11-10 20:59:11郵便や宅配サービスなどの全国一律料金は、均一にならすことで成立している。民間業者は本当は過疎地への配達を止めたい、もしくは値上げしたいのだが、国が介入して無理やりやらせている。
2018-11-10 21:03:04鉄道やバスの赤字のローカル路線なども、同じように延命させている。そういう延命はその場しのぎで、人口減少の社会ではいつか成立しなくなる。それを止めることでコンパクト化を達成できる。
2018-11-10 21:04:33一日の利用者が一人以下とか、百円の運賃を得るのに千円以上の経費が掛かるとか、そういう極端な過疎地の赤字路線は廃止する。そのかわり、市街の中心に近い部分に、交通システムを整備していく。
2018-11-10 21:06:19ほかの批判も、いくつか拾い上げておこう。たとえば、「大規模ショッピングセンター(SC)があるから、コンパクトシティ化は不要だ」という意見。
2018-11-10 21:08:05こういうのは、短期的にはそうかもしれないが、長期的には当てはまらない。人口減少するし、高齢化で自動車を運転できない層が増えるのだから、イオンなどの大規模SCも、長期的には撤退していく。
2018-11-10 21:09:01今はイオンで買い物すればいいかもしれないが、それが撤退した後は、買い物難民が残ってしまう。だから、コンパクトシティ化は長期計画である。
2018-11-10 21:09:53コンパクトシティ化は、東京への一極集中ではない。地方の県庁所在地など中心市街地への一極集中でもない。そうではなく、過疎地から撤退しての、多極集積である。
2018-11-10 21:12:15コンパクトシティ化では、【30万人】程度の規模で、【複数】の場所で、人口集積することを想定している。この「30万人」という数字の出所は、国土交通省(国土計画「国土のグランドデザイン2050」より)。
2018-11-10 21:14:49だから、「地価が高いから成立しない」という反論も当てはまらない。まあ、建築のイニシャルコストは高くなるかもしれないが、ランニングコストまで考えると安くなるはずだ。
2018-11-10 21:17:34その程度の適度な集積であれば、災害に弱くなるというより、むしろ強くなる面もあるだろう。なぜなら、東日本大震災の津波被害も、「ここより下に家を建てるな」という場所に、家を建てたからだろう。
2018-11-10 21:18:39国土地理院や自治体などは、ハザードマップである程度自然災害のリスクを把握している。ので、そこを避けてコンパクト化した方が、災害に強くなる。
2018-11-10 21:19:43平安時代の貴族とか、江戸時代の武士とか、特権階級は次の時代で、権利を剥奪されていく。当事者は不満だろうけれど、それが時代の流れというものだ。
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