科学論文にこんな用語を使っていいの? - 生態学における「性的嫌がらせ」

"Journal of Ecology"に掲載された生態学に関する論文タイトル、 "Sexual harassment sustains biodiversity via producing negative density-dependent population growth 繁殖行動上の「性的嫌がらせ」が自然界の生物多様性を維持する" …科学論文が「性的嫌がらせ」なる日常語や人文用語を用いることの妥当性について議論する https://univ-journal.jp/23643/
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KASUGA, Sho @skasuga

「嫌がらせ」も「介入」的な用語にすればよりニュートラルだろうけど、そこまで気にするべきかは、ちょっと判断保留。

2018-11-28 15:35:23
discoder_x @discoder_x

@skasuga 用語の断絶についてはどうお考えですか。

2018-11-29 15:01:19
KASUGA, Sho @skasuga

1)用語の断絶は、学説史がきちんと整理されていれば大きな問題は生じないんじゃないでしょうか。例えば優性遺伝を顕性…に変えたという実績はすでにあるわけで、それに習えばいいわけです。2)大前提として、その煩わしさを回避して「学術上のXXと日常語のXXは違うんですよ」と一般公衆に(続) twitter.com/discoder_x/sta…

2018-11-30 23:00:04
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)理解してもらう手間を惜しまないか、公衆理解を諦めてピアの間で新しい合意を作り直すかということになると思うのですが、多くの場合、後者の方がはるかに楽ですよね。3)で、今回の場合「セクハラ」が学術用語として有用なのかということなんですが、Google ScholarとかPubMedとか(続)

2018-11-30 23:01:57
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)複数のデータベースでやってみたのですが、sexual harassment と入れてしまうと圧倒的に日常語としてのセクハラの話が出てきてしまい、学術的な検索用のフラグとしてあんまり機能してない印象はあります。Ethology とか Theory of Evolution とか言葉を捕捉すれば多少はマシになりますが(続)

2018-11-30 23:04:34
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)それも「多少はマシ」程度な印象です。で、今回の場合は、先行研究をみると、あまり変わらない(ように見える)意味で Mating Harassment と言われていたりして、それなら一般用語とのバッティングも小さいだろうし、そっちを専門用語として確保する、というのは一つの手かなという印象です。

2018-11-30 23:07:10
KASUGA, Sho @skasuga

もちろん、「ハラスメント」ではなく、もうちょっと「専門用語っぽい」「擬人化しない」用語を選べるならその方がいいかもしれません。いずれにせよ、第一に、安易な擬人化や人間とのシームレスな連続性を一般公衆に想起させる用語は、社会的に問題を引き起こす、という認識がもう少し一般的(続)

2018-11-30 23:09:08
KASUGA, Sho @skasuga

(承前)になり、学会の発表もそう言ったことに配慮するのが当然である、という時代に転換していく必要がある、というのは強調したいと思います。

2018-11-30 23:09:52
Takashi Hayashi @tkshhysh

学術用語が社会一般で日常的に使う言葉と被ることにかけては経済学も負けちゃいないですね.「完全競争」なんて言葉使われたら,いったいどんな万人が万人と殺し合う修羅の世界かと思うよね.

2018-12-01 00:53:17
Takashi Hayashi @tkshhysh

この用語法の齟齬について,詳しくは私の『ミクロ経済学』の序文と「完全競争」の章を読んでねwww

2018-12-01 00:57:21