「コメディの奇妙な死」

行き過ぎたポリティカル・コレクトネスによって、世の中からユーモアがどんどんなくなっていることを嘆く動画。オーウェン・ベンジャミンの「コメディの奇妙な死」を訳してみた。
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tarafuku10 @tarafuku10

PragerU の動画からオーウェン・ベンジャミンの「コメディの奇妙な死」を訳してみた。行き過ぎたポリティカル・コレクトネス(PC)によって、世の中からユーモアがどんどんなくなっていることを嘆く動画。ベンジャミンはNY出身のコメディアン/俳優。 youtube.com/watch?v=JFIBNw…

2018-12-03 01:24:53
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tarafuku10 @tarafuku10

コメディアン「3 人の白人の男がバーに入っていった」 観客「このレイシストが!」(登場人物が白人だけなのか!) 冗談だろ!? pic.twitter.com/uVLYFeK7Ee

2018-12-03 01:25:31
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今日の過敏な世界では、何が面白いのかさっぱりわからなくなった。コメディアンとして生計を立てる人間として、これは大きな問題だ。ジェリー・サインフェルドに訊いてみればいい。彼はもう大学のキャンパスでは演じないと宣言した。PCの対応に疲れてしまったからだ。彼が特に神経質なわけではない。 pic.twitter.com/o2ZaMpTSjE

2018-12-03 01:26:04
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コメディは大事。なぜって? それは、居心地の悪い真実をフレンドリーに議論するための圧力弁の役割を果たすから。笑いはパンチよりも強し。 しかし、アイデンティティ・ポリティクスが笑いの息の根を止めようとしている。次のようなセリフを誰かが言うのを何度も聞いたことがあるだろう。 pic.twitter.com/mSwFdTeZ1u

2018-12-03 01:26:29
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「おまえは黒人じゃないのだから、俺の気持ちなどわからないだろ」 「あなたは男なんだから、女性問題について意見を言う資格はないのよ」 「左利きでパンセクのレプラコーンである私だけが、エレベーターの安全性を理解している」 pic.twitter.com/Vu7NvujKUD

2018-12-03 01:26:45
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コメディーは、特定の現実について私たちが同意する場合のみ機能する。 このジョークはどうだろう。「魚釣りに出かけるとき、バプティスト派の友人を少なくとも2人連れて行くのはなぜなのか? 1人しか連れて行かなかったら、そいつがビールを全部飲んじまうだろ」 pic.twitter.com/BAjrKYVGwh

2018-12-03 01:27:05
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このジョークで笑いが起こるのは、信心深い人達の間でもその深さに少し差があることを、多くの人が理解しているから。誰もがある程度思い当たる節があるし、少々偽善的に振舞うことは誰にもある。問題は、この基本的な事柄、つまり共有された前提に同意する人がどんどん少なくなっているということだ。 pic.twitter.com/5u8DNwAdqK

2018-12-03 01:27:22
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私は最近、劇場でこんなジョークを言った。「ドナルド・トランプをアドルフ・ヒトラーに喩える人がいっぱいいるが、トランプはヒトラーと似ても似つかない。ヒトラーならCNNにあんな言い方をさせないだろうし、アンダーソン・クーパーは「長いナイフの夜」を生き延びることはないだろう」 pic.twitter.com/aE4fP8xqCp

2018-12-03 01:27:43
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tarafuku10 @tarafuku10

このジョークを理解しない人は大勢いる。その理由は、ヒトラーはとてつもなく悪い男で、「長いナイフの夜」はとてつもなく悪い出来事。そして、トランプ大統領は、好むと好まざるとにかかわらず、あんな悪い事をしたあんな悪い男とはまったく違う、という前提に皆が同意する必要があるからだ。

2018-12-03 01:27:59
tarafuku10 @tarafuku10

もちろん私はトランプにあんな風になってほしくない。だが、私達は今、ヒトラーのように愚かな人々と、トランプがヒトラーだと考える愚かな人々が存在する世界に住んでいる。だからこの明らかに不条理なジョークが面白いということに同意できない。明らかに不条理だということにすら同意できないのだ。 pic.twitter.com/b7VbYAQM0q

2018-12-03 01:28:23
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これはどうだろう。「どうして鶏は道路を渡るのか? 同じ道を渡るのにどうして雄鶏は高い給料を支払われるのか?」。不条理さの加減は十分だったかな? (訳注: 道路を渡る鶏は英語圏定番ジョーク。元々は「向こう側に渡るため」というスカし系のオチ。オチだけ変えて現在でも繰り返し使われるジョーク) pic.twitter.com/Z7JhHhCu81

2018-12-03 01:28:45
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映画『ブラックパンサー』の公開に向けて、「黒人による黒人のための黒人の映画が遂に登場」みたいなマーケティングが盛んに行われた。私はこの現象がとても面白いと思ったので、仮にこの映画の無茶苦茶な世界観を白人が持てばどう反応するかジョークにしてみた。 pic.twitter.com/6FajoIgmYI

2018-12-03 01:29:25
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「この間、『ブラックパンサー』の予告編を見た。白人が誰もいない。つまんなそう。俺は見ない。誰に感情移入すればいいのよ? 白人がいないんだぜ」 pic.twitter.com/wAFB3b0QiK

2018-12-03 01:29:43
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2人の有名な黒人俳優、ドン・チードルとジェフリー・ライトが私にツイートしてきて、時代は黒人の映画を求めているとか、黒人のおかれた状況にもっと気をつかうべきだとか説教を始めた。ちなみに、この2人の黒人俳優は既に富も名声も手に入れていることは言うまでもない。 pic.twitter.com/rX4xUCL9M3

2018-12-03 01:30:12
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tarafuku10 @tarafuku10

このジョークはアイデンティティ・ポリティクスを風刺したものであることは明らかで、それを理解できない人がいるとは思ってもいなかったが、私は間違っていた。私は風刺を通して社会のストレスを少し和らげようとしただけだ。それがコメディアンの仕事なんだから。

2018-12-03 01:30:34
tarafuku10 @tarafuku10

社会的なストレスを和らげることは、以前は深夜のコメディ番組が果たした特別な役割だった。それは、長い1日の終わりにすべての人が出会える場所だった。だが、この文化も死んでしまった。こうした番組の司会者である元コメディアンほど、自分の存在を重要だと考えている人はいない。 pic.twitter.com/RrUoEsFNJB

2018-12-03 01:30:55
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tarafuku10 @tarafuku10

最近のジミー・キメル(民主党支持の司会者/元コメディアン)は人を笑わすより自分が泣くことが多くなったし、スティーブン・コルベア(同)はオチのあるレイチェル・マドウ(リベラル評論家)になり下がった。社会の分断がまだまだ足りないと言わんばかりに、彼らは国の半分だけに向けてジョークを飛ばす。 pic.twitter.com/MWwMYTngYF

2018-12-03 01:31:15
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tarafuku10 @tarafuku10

笑いにできることはいくらでもある。ただそれを見つければいいだけだ。みんなで。それができなければ、私たちは破裂する。 そしてこれはジョークでもなんでもない。 (了) pic.twitter.com/mZHXityRiU

2018-12-03 01:31:39
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