英米ミステリ各賞短編部門候補作読み比べ(まだ途中)

2019年度のエドガー賞、アガサ賞の短編部門候補作を読んでみました。
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今回の企画の発端

翻訳者の高山真由美さんが今年のエドガー賞短編部門候補作を整理されていました。その際、リザ・ウンガー "Sleep Tight Motel" を読まれての感想がこちら。

高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

短篇賞候補をざざっとおさらい。"Rabid" と "Paranoid Enough for Two" は長篇シリーズものからの派生だからたぶん読まない。"Ancient and Modern" の出どころのアンソロは去年も何かで話題になってたけどあまり惹かれず未ポチなのでこれもパス。あとはEQのアート・テイラーと、これ↓だけど… twitter.com/mayu_tak/statu…

2019-01-27 16:13:58
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

エドガーの短篇賞候補作。Lisa Unger “The Sleep Tight Motel” の出どころの Dark Corners Collection って一冊のアンソロじゃなくて短篇の叢書なのね。何いってるかわからないと思いますがこういうことです→ amazon.co.jp/exec/obidos/AS… それぞれがキンドルシングル程度の長さ。

2019-01-23 01:33:53
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

とりあえずこっち amazon.co.jp/exec/obidos/AS… を読んでみた。ヤバい恋人から逃げてきたマディ(仮名)(本名イヴ)が疲れ果てて泊まることにした Sleep Tight Motel は、感じのいい受付係に、思ったよりきれいな部屋、おいしい朝ごはん…と理想的なんだけど、どこかおかしい。→

2019-01-27 16:37:37
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

→夜中に謎の物音、そのうえ翌朝パトロールカーがやってくる。マディ(イヴ)はこっそり逃げだそうとするが、乗ってきた車が動かなくなっていて……という、まあこう書いてみるとありがちかもなんですが。

2019-01-27 16:37:37
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

ポイントはふたつあって、ひとつは「なぜマディ(イヴ)がおんぼろの車で大金を持って恋人から逃げるはめになったか」、これがフラッシュバックで語られていく。もうひとつはホラー的な側面。濃い霧が立ちこめていて、正体不明の物音はやまないし、ものの置き場がちょくちょく記憶と食い違い…。

2019-01-27 16:37:37
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

これはホラーなの? それとも全部に論理的解決がつくの? と思いつつ読み進めていくと、(以下自粛)。個人的にはなかなか楽しみましたが、エドガー獲りそうな感じはしないかな…。あと、もすこし刈りこんでもいい気はする。

2019-01-27 16:37:37
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

でも Sleep Tight Motelって。こんな名前のモーテルじゃ、逆に安眠できなさそうw

2019-01-27 16:42:41
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

ただ、これ、電書オリジナル出版で短篇一篇売りのシリーズからの一作なので、そういう出版形式の短篇がエドガーの候補になったことに意義があるのかも。動画配信サービスのオリジナル作品がアカデミー賞候補になるようなもの?

2019-01-27 16:51:12

ちなみに、リザ・ウンガーは一作邦訳がありますぜ。
https://www.amazon.co.jp/dp/415176951X


次に、今年のアガサ賞短編部門候補作についてもまとめて下さいました。

高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

アガサ賞の短篇賞候補作は、だいたいオンラインでフリーで読めるので(期間限定になっているものもあるけど)、今回も探してみた。 "All God’s Sparrows" Leslie Budewitz → lesliebudewitz.com/wp-content/upl… "Bug Appetit" Barb Goffman → barbgoffman.com/whose-wine-is-… (つづく)

2019-02-01 12:09:30
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

(つづき) "The Case of the Vanishing Professor" Tara Laskowski → taralaskowski.com/wp-content/upl… "English 398: Fiction Workshop" Art Taylor → arttaylorwriter.com/arttaylor/wp-c… "A Postcard for the Dead" Susanna Calkins →これだけフリーで見つからなかった amazon.co.jp/exec/obidos/AS… ポチれば読める

2019-02-01 12:09:31
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

休憩がてらざらざらっとザツに探しただけなので、もし "A Postcard for the Dead" 全文がオンラインで見つかったら教えてください(ゆるぼ)

2019-02-01 12:20:08
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

アガサ短篇賞受賞作予想@アフタヌーンティーとか、したい。

2019-02-01 12:15:14

じゃあ読んでみましょうか

三門優祐 @m_youyou

エドガー賞短編部門受賞作予想ならやってみたいかもだ。

2019-02-01 12:28:42
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

@m_youyou エドガーは最近EQとかAHからの候補が減って、アンソロぽちりまくらないと候補作が揃わないのでハードル高いのです。あと、長篇シリーズからの派生作品をへーきで挙げてくるので、それだけ読んでも真価わかんないんだろーな読む気になれない、ってのもあったりしてですね…。

2019-02-01 12:44:57
三門優祐 @m_youyou

@mayu_tak サクッと調べてみましたが、2019年ので言うとジョン・ラッツとマクダーミドの作品がそのカテゴリのようですね。<シリーズ派生/高額アンソロ(しかも電子なし) とりあえず、アガサ賞でも候補に挙がっているアート・テイラーの作品を読んでみます。

2019-02-01 12:50:12
高山真由美 MayumiTakayama @mayu_tak

@m_youyou わたしもそれはそのうち読みますー!

2019-02-01 12:52:04
三門優祐 @m_youyou

「アガサ賞短編部門候補作レビュー」とタグでまとめるかあるいは後でTogetterにまとめるかした方がいいのか。

2019-02-03 06:26:14

ということで以下感想

三門優祐 @m_youyou

Art Taylor ”English 398: Fiction Workshop” を読んだ。2019年のエドガー賞短編部門候補作で、アガサ賞の候補にも挙がっている。恐らくは作者にとっても馴染み深いのだろう大学の文芸創作クラスを舞台に、「創作する」という行為自体が秘めた魔性を暴きたてる、まさに「奇妙な味」を感じさせる逸品。

2019-02-02 19:18:50
三門優祐 @m_youyou

「生徒の書いた、現実を歪めて作った不出来な短編もどき」が逆に現実を浸食し、主人公の講師を衝撃的かつ必然的に希望果つる奈落へと突き落とす(それが彼の教え通りである皮肉よ)。ある一点について「そういうもの」と考えるしかないことを除いて不満はない。栄誉ある賞の候補に選ばれるのも納得だ。

2019-02-02 19:18:50
三門優祐 @m_youyou

なお、こちらから全文が無料でダウンロードできるので、興味の向きは読んでみてもいいかもしれない。単語はそれほど難しくなく文構造も読み解き易いので、原書読みの初心者という人でも気楽に取り組めます。 arttaylorwriter.com/arttaylor/wp-c…

2019-02-02 19:21:25
三門優祐 @m_youyou

Tara Laskowski "The Case of the Vanishing Professor" を読んだ。昨日のTailor 同様、アガサ賞短編部門の候補に挙がっている。酔狂な両親にナンシーと命名されたため、一生「少女探偵の?」とからかわれることを運命付けられたドルー嬢が彼氏と出席したイベント、「謎解きの一夜」での冒険を描く。

2019-02-03 06:21:35