本の紹介『Kate Brown著 Manual for Survival |A Chernobyl Guide to the Future』 #チェルノブイリ #放射線防護 #原発事故 (2019.3.21作成)

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

しかし、事故後に放射能汚染された動物を解体し、その核廃棄物化した部位を惜しみなく再流通ことに、すべての人が協力していたわけではなかったことが、Zhytomirの衛生局長Chekrenev氏から当局に送られた書簡からわかる。

2019-04-29 03:34:39
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Chekrenev氏と部下らは、1987年7月に、Berdychivにある製皮所からの排水が事故後の緊急レベルの6倍まで放射能汚染されていることを発見。氏は、排水が放水される川が最終的にZhytomyrの飲用用貯水池まで流れることを指摘し、「長命核種が飲料用貯水池に流されるなどもってのほか」と激怒。

2019-04-29 03:34:39
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Chekrenev氏は、1980年の公害法に言及し、Chernihivの羊毛洗浄工場で誰もしなかったことをした。作業停止命令を出して製皮所を閉鎖し、19000頭分の羊皮の処理を止めた。それだけでなく、処理された皮が工場から出荷されるのも止めたのだ。

2019-04-29 03:34:39
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権力を持つビジネスマンらは、チェルノブイリ事故により無料で提供された19000頭分の動物の死骸から予定外の利益を得ることを期待しており、モスクワの専門家らは、数ヶ月保管して高線量の短命核種が減衰したあとの皮を余分の水とクロムで洗浄するという衛生局長官自ら署名した計画まで立てていた。

2019-04-29 03:34:39
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それを、地方の医師が、「除染」という、「清掃作業(liquidation)」や「許容可能線量」と同じ願望的語彙集に収録されるべき言葉の欠点、つまり、放射性核種はただ移動するだけで、皮がきれいになればなるほど製皮所の排水が汚れるということを指摘することにより、妨害したのだ。

2019-04-29 03:34:39
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Brown氏が製皮所の所長にアポを取って訪ねてみたところ、ちょうどBerdychivの水の化学物質汚染のために遊泳場が閉鎖されていることが新聞沙汰になっていたためか、所長はそれどころじゃなかったらしく、そのニュースのためか外で汚染水を下水に流している作業員に話を聞いてみようとしたが、

2019-04-29 03:34:39
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その作業員はあまり事情を知らなかった。しかし、その作業員は、チェルノブイリは事故などではなく、CIAのサボタージュだったという情報を提供してくれた。(orz) Chekrenev氏の、自身も医師である未亡人を訪問。氏は厳格できっちりしていた一方、親切で生真面目なほど正直だったと話してくれた。

2019-04-29 03:34:40
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Chekrenev氏は、事故の翌日、Zhytomyrの保健省から、他の5人の医師と一緒に事故現場までボランティアとして手伝いに行き、ヘリコプターから投下するサンドバッグに砂を詰めたり、バスを洗車したり、避難されている村の家々から家具を運んだり、公衆衛生専門家の仕事ですらないことを手伝った。

2019-04-29 03:34:40
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驚いたことに、Chekrenev氏の未亡人は、Berdhychivの製皮所について揉めたことは、まったく知らなかった。それだけではなく、Chekrenev氏が反抗したために検閲されていたことも知らなかった。だが、1986年にChekrenev氏が衛生局長からただの検査官に降格されたことを、突然思い出した。

2019-04-29 03:34:40
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

旧ソ連崩壊から時間が経ってから、トップの科学者らは、チェルノブイリ事故について発言したら投獄されるために黙っていたと語ったが、Chekrenev氏の経験からは、その危険はずっと低かったことがわかる。当局から製皮所の再開を迫られたChekrenev氏は、をれを拒否し、キエフの上司に嘆願。

2019-04-29 03:48:07
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キエフはモスクワの指示をあおぎ、最終的に、ウクライナ保健省のAnatoly Romanenko大臣(長官?)が、Chekrenev氏の主張を支持。汚染された皮は核廃棄物として埋められ、飲料水の汚染は避けられた。 残念ながら、Chekrenev氏は、事故後2〜3年に40代後半で臓器不全で亡くなった。

2019-04-29 03:48:08
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チェルノブイリ事故後、汚染された家畜は殺処分後に埋められた。しかし、秘密裏に、さらに5万頭の家畜が60km圏内から連れ出され、汚染家畜は汚染区域の、非汚染家畜は非汚染区域の屠殺場に運ばれていた。モスクワの農学者らは、放射能汚染肉の処理について解体処理者用の特別マニュアルを作った。

2019-04-29 05:00:02
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肉は、放射能レベルにより等級付けされ、汚染肉はひき肉にされ、適切な分量の非汚染肉と混ぜられてソーセージ用の肉となった。広大なソ連の国民ひとりひとりが、知らずに事故のほんの一部を消費するように、汚染肉を広範囲に拡散するのである。ソーセージの表示は通常にするようにと指示された。

2019-04-29 05:00:02
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緊急マニュアルによると、臓器は数分水に浸し、ナトリウムと硝酸塩を入れ、再測定され、乳房、脾臓、肺と唇以外のすべての軟組織が使われる。骨、爪、ツノは、さらに特別の処理が必要。レバーソーセージは特にやっかいで、特別指示が何ページにもわたった。許容線量超えは廃棄物とされるはずだった。

2019-04-29 05:00:02
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しかし、綿密な計算通りには行かなかった。屠殺場は通常、秋の終わりが一番忙しいため、5〜6月に大量の屠殺を行う準備ができていなかった。現場の責任者らは、特に夏の暑い時期の屠殺への対応もあり、処理スピードを上げたが、測定者として強制徴募された教師らは測定に慣れておらず測定機器も不足。

2019-04-29 05:00:02
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

結果的に汚染肉がソーセージに紛れ込み、市場に流通。モスクワの食料品店で放射能に高汚染されたソーセージや仔牛肉が出回った時、ソビエトの保健大臣はキエフにトップシークレットの電報を送り、汚染食品をモスクワに送るのやめるように最大限尽くし、レニングラードでの流通も制限するように頼んだ。

2019-04-29 05:00:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ウクライナ政府関係者は、すでに、キエフでの放射能汚染肉を6ヶ月間禁止することにより、自分らの食卓を守っていた。KGBも、非汚染食料の「特別流通」源を確保していた。KGBのバイヤーらは家畜置き場に出向き、自分らで屠殺される家畜を選んでいた。

2019-04-29 05:00:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

ウクライナのRomanesko保健大臣は、政治局のチェルノブイリ医療委員会に放射能汚染された肉についてアドバイスを求めた。Romanesko大臣からの電報を協議した委員らの結論は、「肉は食べれるだろう」と推測し、「肉の放射能汚染は日々減っている」というものだった。

2019-04-29 05:00:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

数日後、Romanesko保健大臣の部下は、Zhytomyrの食品加工工場からの肉すべての販売を禁止した。

2019-04-29 05:00:03
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しかし、肉、特に牛肉は、旧ソ連では貴重だった。その貴重な食料を廃棄することに気が進まないウクライナ農業省は、許容線量を超えた肉を他の地域の食品加工工場のソーセージ部門に再分配し、許容線量を超えて「不良品」とされた肉も他の工場のソーセージ部門に送るように命じた。

2019-04-29 05:00:03
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

そんな具合で、家畜は屠殺場に運び続けられた。 汚染された屠殺体が保存庫に押し込められ続け、6月初めには、Zhytomyrには、3500トンの家畜肉が集まり、9月には6300トンになっていた。キエフ当局は、冷凍肉をウクライナ中の冷凍庫に保管した。

2019-04-29 05:00:04
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ベラルーシでは、ゴメリの食品加工工場でに16000トンの肉が集まり、工場長が冷凍庫の追加を懇願した。もしも冷凍庫がγ線を遮る鉛製だったり、汚染核種が数ヶ月で減衰する短命核種のみであれば、冷凍するのも意味があったかもしれない。しかしこれらは普通の冷凍庫で、肉は長命核種に汚染されていた。

2019-04-29 05:00:04
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

肉を加工する作業員らは、通常の自然放射線量より最低でも100倍の空間線量の場所で作業し、消費者は、国際的に安全とされている基準の6〜10倍の放射能で汚染された肉を食べた。これらは不必要な被ばくだった。

2019-04-29 05:00:04
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