「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄(略)」の続き(と、TVアニメ『YU-NO』3話の感想)

「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄で、今は薄くなったのか?」の考察(と、TVアニメ『YU-NO』2話の感想) https://togetter.com/li/1342316 前回した、美少女コンテンツの絵柄(変遷)談義の続きと、 テレビアニメ版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』3話の感想を語ります。
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しろうと @sirouto

「「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄で、今は薄くなったのか?」の考察(と、TVアニメ『YU-NO』2話の感想)」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1342316

2019-04-28 01:05:16
しろうと @sirouto

「なぜ、90年代の美少女ゲームは濃い絵柄で、今は薄くなったのか?」(前回) togetter.com/li/1342316

2019-04-28 23:42:24
しろうと @sirouto

前回、意外と反響をいただいたので、まずそれに対して、簡単にコメントしておきたいと思います。

2019-04-28 23:43:08
しろうと @sirouto

詳細は先のリンクに譲るとして、簡潔にまとめ直すと、90年代、とくに病女ゲームの絵柄が濃くて、今は薄いのはなぜか? という問いを立て、パソコンからスマホといったメディア環境の変化で答えた。

2019-04-28 23:44:50
しろうと @sirouto

別にこの考えを押しつけたいわけではないが、たんに「流行だから」ではぜんぜん答えにならない。「流行だから流行した」というトートロジーになってしまう。

2019-04-28 23:46:16
しろうと @sirouto

そこでなぜ、流行したのかと考えたときに、メディア環境の変化をひとつ挙げたわけだ。ただもちろん、要因はそれだけではない。

2019-04-28 23:48:03
しろうと @sirouto

また、リンクのコメント欄で、濃い絵柄のクリエイターの名前を挙げ、その人たちが活躍したから、ということと、環境の変化は必ずしも矛盾しない。どういうことか?

2019-04-28 23:49:22
しろうと @sirouto

たとえば、90年代以降に薄い絵柄になっていったことに、女性クリエイタたちーが活躍した、というのは指摘の通り、たしかにあるかもしれない。

2019-04-28 23:50:31
しろうと @sirouto

しかしなぜ、女性クリエイターが活躍するようになったかといえば、たとえば美少女ゲームが、家庭用機に移植されたから、ギャルゲーの流行と合わせて、それに影響を受けたのかもしれない。

2019-04-28 23:52:33
しろうと @sirouto

あるいは、アニメに関して言えば、90年代にOVAが普及していくことで、濃い絵柄が求められる市場環境が形成されたのかもしれない。つまり、子供向けアニメだけでなく大人向けアニメの市場がより広まった。

2019-04-28 23:54:19
しろうと @sirouto

また、90年代よりも80年代のPC美少女ゲームの方が、8色と色数が少ないのに、絵柄が薄い、という点については、「作画技術が発達してなかったから」という、別の理由が挙げられるだろう。

2019-04-28 23:57:08
しろうと @sirouto

90年代の描き込み競争が、00年代でリセットされたとして、そうなったのは、コミケの拡大(晴海→有明)や、ネットの普及で、アマチュア層(同人作家)が増え、彼らが描きやすい絵柄を支持したから、と考える。

2019-04-29 00:01:32
しろうと @sirouto

そして、コミケやネットも広く見れば創作環境と言える。そういった環境の変化を見出そうという視点で、前回のまとめ記事を書いた。

2019-04-29 00:06:33
しろうと @sirouto

前回、作家主義的に個々の作家に深入りすることをしなかったのは、時代を俯瞰できなくなるし、過去から未来への時代の変化を捉えにくくなるから。令和に切り替わるタイミングで、作家ではなく時代を見たかった。

2019-04-29 00:08:23
しろうと @sirouto

たとえば、今の時代から浮世絵を見たときに、個々の浮世絵師の作家性は違うだろうが、全体として浮世絵的な絵柄の傾向はたしかにある。これは、「版画」という物質的な条件にある程度規定されているからだ。

2019-04-29 00:10:43
しろうと @sirouto

あるいは、浮世絵が一部に影響を与えた「印象派」についても同様のことが言える。印象派の画家は「油絵の具」という新しいメディアを入手したために、それまでよりも表現の幅が広がった。

2019-04-29 00:14:41
しろうと @sirouto

本題から外れるから、ここであまり詳しく説明しないが、印象派以前のテンペラ画やフレスコ画は、印象派の油彩ほどには、気軽に修正できなかったので、表現のフットワークが全然違ってくる。

2019-04-29 00:16:07
しろうと @sirouto

マンガ・アニメ・ゲームの世界に話を戻すと、コンピュータとインターネットは、表現メディアとして、大きな技術革新だろう。

2019-04-29 00:18:55
しろうと @sirouto

技術ではなく人材が移動してきたから、といっても、人材が活躍できる場に関わってくる。マンガやアニメのデジタル化にパソコンのスペック向上は関係するし、(電子)ゲームはそもそもコンピュータが前提だ。

2019-04-29 00:21:19
しろうと @sirouto

もちろん、デジタル文化の創成期に、突出した集団は存在する。ハリウッドのCGを作成する環境には、ひとつのソフトウェアで、(日本円で)何百万円もするものがあった。

2019-04-29 00:24:03
しろうと @sirouto

日本でも、まだ貧弱な時代に、何百万もかけて環境整備することで、当時はまだ珍しいPCでのデジタル制作を可能にした例はある。が、大衆に普及していくことは、やはり時代を形成するのには大きいはずだ。

2019-04-29 00:26:02
しろうと @sirouto

それから、アニメやゲームは共同作業なので、他の分野の影響はあるだろう。たとえば、最近のアニメできらら系や百合系アニメが、一定の枠を占めているが、これは当然、女性的な柔らかい表現の方が適している。

2019-04-29 00:28:29
しろうと @sirouto

だから、PCのスペックがすべてではなく、ストーリーとの相互影響もあるだろう。もちろん、複雑な要因は誰もすべて把握できはしない。が、単に「主語が大きいからダメだ」では、全体像が分からなくなってしまう。

2019-04-29 00:32:11
しろうと @sirouto

もちろん、アニメで言えば、全体の絵柄を統一する傾向が強まったとか、個々の分野での違いも、もちろんあるだろう。

2019-04-29 00:34:06
しろうと @sirouto

しかし、パソコンからスマホへとか、インターネットの普及とか、そういうアーキテクチャー、環境の大変化はやはり外せない。絵柄にまったく影響を与えない方が不自然だ。

2019-04-29 00:35:30