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「セカイ系となろう系の違い」の考察の続き(と、TVアニメ『YU-NO』5話の感想)

「セカイ系となろう系の違い」の考察(と、TVアニメ『YU-NO』4話の感想) https://togetter.com/li/1343497 「セカイ系」と「なろう系」作品における、表現の違いを考察します。 そして、テレビアニメ版『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』5話の感想を語ります。(ネタバレの配慮はないので、視聴前提です)
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しろうと @sirouto
「セカイ系となろう系の違い」の考察(と、TVアニメ『YU-NO』4話の感想) togetter.com/li/1343497
しろうと @sirouto
『YU-NO』のテレビアニメ化を記念して、令和から平成(のコンテンツ)をふり返ります。今日は第5話分。
しろうと @sirouto
まず『YU-NO』5話の感想を述べます。アニメ視聴前提なので、ネタバレ注意。
しろうと @sirouto
「YU-NO」5話を短く要約(ネタバレ)しよう。亜由美が自殺する運命を回避しようとして、何度も宝玉のセーブポイントからやり直す主人公。しかし、自殺の運命をなかなか変えられない。そこに朝倉が現れた……。
しろうと @sirouto
本題に入る前に、ちょっと細かい訂正。3話の主人公のセリフ、「パンツ脱げ」じゃなくて、「パンツ脱げ【ば】」でした。ニュアンスが少し弱まるけど、感想の大意は変わりません。
しろうと @sirouto
「YU-NO」5話は、亜由美の生死に関わるので、ループ感が強く印象に残る。そこで、ループ物の作品において、ループ物がどういう役割を果たしているのか、今回は考えてみたい。
しろうと @sirouto
なお、「YU-NO」の世界観は「パラレルワールド」だから、たとえば『ハルヒ』の「エンドレスエイト」のように、単純に「ループ」する世界観とは少し違う。が、例によって、大まかなくくりでざっと捉えたい。
しろうと @sirouto
さて、ループするのと、しないので何が違ってくるのか? 表現面で言うと、出来事の一回性が失われる。現実と同じように、時間が流れているという感覚はなくなる。だから、リアルでないという見方もできる。
しろうと @sirouto
しかし、一方でリアルな部分もある。それは、現実と違って物語の主人公は運が良い、ご都合主義だ、というよくある批判に対応している。
しろうと @sirouto
もし「YU-NO」5話がループしない場合、亜由美は運良く助かった印象が残るだろう。「本気で死のうとしていた訳ではないのではないか?」といった疑問の余地も残るだろう。
しろうと @sirouto
しかし、何回もループすることで、亜由美が自殺することの確率が高いことが示される。そして、亜由美は偶然助かったのではなく、豊富の悪事の証拠が示される、必然的な出来事による、という別の印象を生じさせる。
しろうと @sirouto
このループによって確率(の高低)を表現する手法は、ループ系作品の『ひぐらし』にも見られた。
しろうと @sirouto
「ひぐらし」では、「時報」の相性で呼ばれていたように、富竹は毎回ほぼ必ず死ぬ。しかし、他の登場人物は、死んだり死ななかったりする。だから、富竹が死ぬ必然性と、強い殺意を持つ犯人の存在を示唆している。
しろうと @sirouto
だから「YU-NO」5話で、ループで何回も、亜由美の自殺を繰り返しているのは、それだけ自殺の強い意志(または生きる意志の弱さ)を示している。まあ、クライマックスを作る、演出上の都合などもあるだろうが。
しろうと @sirouto
今言ったのは、作品内部の表現の問題だが、作品外部の制作体制の問題もある。どういうことか? ループ系が相性が良いノベルゲームを例にしよう。「YU-NO」も「ひぐらし」も、ループ系かつノベル(ADV)ゲーだ。
しろうと @sirouto
まず前提として、PCゲームでADVゲームやノベルゲームは、テキストの分量が多い。「YU-NO」も「ひぐらし」も何十時間も掛かる。なぜ、大作化するのか。これにはいろいろな要因があるが、ここでは簡単に説明する。
しろうと @sirouto
ひとつには、作画に労力が掛かるマンガやアニメなどと違い、テキストは量を増やしやすい部分。なので、ボリュームが大きいことは、ADV/ノベルゲームの長所だから(ただし短所にもなりうる)。
しろうと @sirouto
もうひとつは、PCゲーム(多くはエロゲ)は、流通の都合があって、単価を下げにくい価格構造になっていたから。価格を下げるよりも、価格を固定して、ボリュームの方を増やすインセンティブがあった。
しろうと @sirouto
それならパッケージがなく、コストが安いDL販売に移行すれば良いではないか、と考えるかもしれない。が、エロゲ制作企業は、流通のしがらみでなかなか移行できなかったのだ。
しろうと @sirouto
この「しがらみ」というのは、まったく何の根拠もなく、決めつけでそう言っているのではなくて、PC美少女ゲーム情報誌(エロゲ雑誌)の、制作企業に対するアンケートを踏まえて言っている。
しろうと @sirouto
さて、そういうわけで、エロゲはボリュームが大きいことが求められた。しかし、それはそう簡単ではない。だから、ひとつには、シナリオの前半では日常パートを描いて尺を稼ぐ、という手法がある。
しろうと @sirouto
原作「YU-NO」でも、序盤は日常の描写が多いし、「ひぐらし」の最初の「鬼隠し編」でも、部活などの日常を描く部分の量がかなりある。この二作は代表で挙げただけで、「序盤は日常」は、ノベゲで普通の手法だ。
しろうと @sirouto
しかし、日常部分がずっと続くのは単調でもある。ループ構造にすることで、事件が起こる非日常部分を、全体の途中に差し込める。
しろうと @sirouto
『ひぐらし』は分割リリースされているが、もし最初の数編はずっと日常パートを続けていたら、(同人発で商業化するほど)ヒットしなかっただろう。
しろうと @sirouto
「ひぐらし」においては、ボリュームを確保しつつ、分割リリースするので、各編ごとに話の山を作りたい、という販売戦略上の要求があり、その条件を満たすのがループ構造だった。
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コメント

たかのり@ @T_takanori_ 2019年5月3日
色々言いたいがコメント欄を占領してしまうのでひとつだけ。なろう系とは小説家になろうで見かけるような、成功したラノベの設定や文体を真似した作品、またはそういった作品なんだろうと言うレッテル貼りの意味合いが強いです。早い話が悪口です。多少誇張はありますが、「○○はなろう系」と呼ぶとその作品のファンに悪口だと捉えられる場合があります。