反緊縮経済政策Q&A Q22 高齢化で社会保障支出が増えているので財政赤字が増えるのではないですか。この調子で将来高齢化が進むと国の借金がGDP比でも爆発するのではないですか?

Q22 高齢化で社会保障支出が増えているので財政赤字が増えるのではないですか。この調子で将来高齢化が進むと国の借金がGDP比でも爆発するのではないですか? A22 社会保障支出の増加のせいで財政赤字が増えているのではありません。
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Q22 高齢化で社会保障支出が増えているので財政赤字が増えるのではないですか。この調子で将来高齢化が進むと国の借金がGDP比でも爆発するのではないですか? A22 社会保障支出の増加のせいで財政赤字が増えているのではありません。 「反緊縮経済政策Q&A ver.1」rosemark.jp/2019/02/18/01-…

2019-05-05 19:08:35
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24個も作ったQ&Aで、それらを逐一紹介しますが、まずは財務省自らが平成の「財政再建」に失敗したと認めているところから、財務省の「財政再建論」批判を紐解きます。以下、Q22の回答を転載します。

2019-05-05 19:19:08
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社会保障支出の増加のせいで財政赤字が増えているのではありません。これも財務省エリートのプロパガンダです。これは財務省の資料を読み解いても明らかです。

2019-05-05 19:20:23
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2018年11月10日に財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」が出した「平成31年度予算の編成等に関する建議」は、総論の「平成財政の総括」で、財務省なりに財政再建が失敗したことを認めています。

2019-05-05 19:21:01
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その理由として社会保障費の増大をあげつつも、他方で「税収については、消費税率の導入・引上げを行ってきたにもかかわらず、平成2年度(1990 年度)と平成30 年度(2018 年度)の税収はほぼ同水準に留まっている」「景気対策として所得税や法人税の制度減税を重ねてきた要因も大きい」としてます。

2019-05-05 19:21:58
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つまり97年と2014年に消費増税しても税収が延びなかった理由は、所得税と法人税を減税したからだということを認めているのです。

2019-05-05 19:22:28
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それならば、財政赤字は社会保障費の増大が「最大の要因」ではなく、「所得税や法人税の制度減税を重ねてきた要因」が最大のものです。  しかし、ここから大きなごまかしがあります。

2019-05-05 19:23:58
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税収を増やせなかった穴埋めを国債でまかなっているというのが本当のところなのに、自然増として必然的に増加する社会保障費が大赤字の原因だとして、減らしてきた法人税と所得税を引き上げるのではなく、さらなる社会保障費の負担増・給付削減を勧めているのです。

2019-05-05 19:24:22
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ある試算(兵庫県保険医協会の「政策解説 グラフで見る「財政危機」論のウソ・ホント」hhk.jp/senmonbu/seisa…)によれば、

2019-05-05 19:25:02
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仮に、90年度から2015年度まで、90年度並の法人税と所得税が確保され続けていたとすれば、総額392兆円もの税収が確保され、同期間の社会保障関係費増230兆円を差し引いても、なお財政に162兆円の余裕があったことになります。

2019-05-05 19:25:25
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また、消費税は2度の増税分で123兆円の増収となっていますので、消費税を3%に据え置いたとしても、39兆円の財政の余裕が残っていたはずです(162-123=39)。この金額を社会保障や教育の予算に振り分けられたはずです。

2019-05-05 19:26:00
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また、2度にわたって消費増税をして経済成長を鈍化させることもなかったでしょう。

2019-05-05 19:26:22
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以上のように、(私たちは財政再建論者ではなく、そのプロパガンダにくみしませんが)「財政再建の失敗」というならば、財務省エリートの失策にこそ責任があるといえるでしょう。

2019-05-05 19:26:46
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この自らの失敗を何ら省みずに、消費増税、法人減税、社会保障負担増・給付削減の計画を「経済財政運営と改革の基本方針2018」(「骨太方針2018」)に盛り込んでくるということは、まさに国を滅ぼすような愚策に、さらなる愚策を重ねる行為です。

2019-05-05 19:27:08
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さらに、「骨太方針2018」にある「社会保障の将来見通し」をみても、実は高齢化が進んでも社会保障費の増大によって、「国の借金がGDP比でも爆発」するようなことは、ありえないことが分かります。

2019-05-05 19:27:33
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「社会保障の将来見通し」によれば、2040年度の社会保障給付費の対GDP比は「現状投影」でも23.8~24.1%、「計画ベース」(現在行われている諸改革がすべて計画通りに実現すると仮定)でも23.8~24.0%となり、「諸改革」をしても結果はほとんど変わりません。

2019-05-05 19:27:55
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またその水準は、2018年度の21.5%と比べて、2.3~2.6%ポイント高くなるだけにすぎません。そして、社会保障給付費が対GDP比24%という水準は、現在のドイツに近く、フランスよりはるかに低く、先進国では決して高い水準ではありません。

2019-05-05 19:28:18
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つまり、政府が進める社会保障の負担増・給付削減などの「諸改革」をせずに、現在の社会保障制度を維持しても、社会保障費の対GDP比の伸びに大きく差が生じるわけではないのです。

2019-05-05 19:28:40
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もちろん、「骨太方針2018」の「社会保障の将来見通し」は経済成長率が実質2%・名目3%という前提がありますので、名目3%の成長率を実現できないと見通しが違ってくるかもしれません。

2019-05-05 19:28:57
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だからこそ反緊縮・積極財政での経済成長を促すこととミックスさせて、社会保障制度の現状維持にとどまらず、抜本的な充実をはかり、高度な福祉社会を実現していくことが求められます。

2019-05-05 19:29:12