技術と倫理の未来について

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carmine @carmine_RR

この心構えは本当に大事。しかしこれは可能なのだろうかとも思う。 RT @meigenbot: 発明とは、それが人類にとって本当に必要なものなのかを判断する能力である。(Thomas Alva Edison)

2011-05-12 03:32:27
carmine @carmine_RR

できることがわかっていながら、やらないという選択に成功した事例はあるのだろうか。神を殺し自然への畏怖を失ったいま、非論理的な歯止めはきかない。原子力も生殖医療も、「よいこと」をもたらすためにつくられた。 どこまでやっていいのか、何をしてはいけないのか。新しい倫理はまだ見えない。

2011-05-12 03:42:09
carmine @carmine_RR

もうひとつ、それを「発明」する時点ではそれが何をもたらすのか予測できない。革新的な技術であるほど社会に大きな変化を引き起こし、環境に影響を与える。分かるのは必ずあとになってからだ。そして、大きな影響を与えたことは分かっても、それが良いのか悪いのかさえ判断が難しいこともある。

2011-05-12 03:50:40
carmine @carmine_RR

単純に技術の進歩を止める方向に倫理の壁を構築しようとしても、うまくはいかない。そうではなくて、技術の進歩の向かう先、人の進む方向が変わることによってしか、問題の構造は変わらないだろう。

2011-05-12 04:10:40
carmine @carmine_RR

そのキーになるのが、量的変化ではなく質的変化をめざすという発想と、共鳴の考え方、そして自然環境や生態系のような多数のファクターが関わる複雑な系と複雑なまま関わる知恵だと思う。言いかえれば、有限のものをどううまく調和させるか、そして未知、理解できないものとどうつきあうか。

2011-05-12 04:20:11
carmine @carmine_RR

今までは、複雑な系を単純化し、計算可能なモデルにすることで発展してきた。既知のことを増やし、予測できることを増やしてきた。倫理や近代的人間像(主体や意思決定という概念)もこのモデルのもとにつくられてきていると思う。十分な初期条件と完璧なモデルがあれば正しい判断が下せるという希望。

2011-05-12 04:35:15
carmine @carmine_RR

しかしこのやり方の延長では世界の秘密を理解できないことが、いろんな分野で既にわかっている。たとえば、砂山に一粒ずつ砂を落とすような非常に単純な系でさえ、予測不可能性を示す。そして自然界におけるふるまいは、予測可能な系よりもそうでないものの方がずっと多い。

2011-05-12 04:57:57
carmine @carmine_RR

先ほどの砂山では、いつ、どのくらいの規模の崩壊が起きるかが予測できない。こういう状態を自己組織的臨界状態と呼ぶ。分かっていることは、こういった系のふるまいを予測することはできないが、性質は明らかにできるということだ。参考http://bit.ly/iBoCki

2011-05-12 05:10:56
carmine @carmine_RR

まさに地震がその典型だが、「いつ、どのくらいの規模で起きるかは予測できない」ということを勘定に入れたうえで、どううまくつきあっていくかという知恵が求められていると思う。未知、わからないという状態を込みで、知性の枠組みを再設定すること、ひいては倫理を考え直すことが必要だと思う。

2011-05-12 05:19:52
carmine @carmine_RR

神域を設け、神を祀り畏れることは、人間が自然という不可知で抗いがたいものと折り合っていく上で必死で編み出した知恵だった。農業や職人の分野でもまだ知恵は受け継がれている。昔から蓄積された経験知に学ぶべきだと思う。神秘主義ではなく、より本質的に生きられる社会にするための知恵を。

2011-05-12 05:38:32
carmine @carmine_RR

参考:『歴史は「べき乗則」で動く』http://amzn.to/iUyavG 超おすすめ→「大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀」http://amzn.to/jdqPCo

2011-05-12 05:49:34
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ミヒャエル・エンデ @Michael_Ende_jp

自然科学の真理を宗教に持ち込むな、持ち込んだら、宗教が宗教でなくなる。一方、宗教の真理を自然科学に持ち込むな、でないと自然科学がファンタスティックなものになる、と公言されるようになります。でも人間はそんな態度を取らされるとなると、精神分裂を引き起こします。 『三つの鏡』

2011-05-12 05:49:38
carmine @carmine_RR

社会をかたちづくり、うまく回していくためにはどちらの真理も重要。

2011-05-12 06:01:47
carmine @carmine_RR

技術と倫理の話からそれていくけど、「人間社会」で役立てる以上、倫理=ルールは人間の性質を勘定に入れてつくられるべき。間違える存在であること、傷つきやすいものであること、弱い存在であること、主体は変化するものであること、その他人類学的な知見。

2011-05-12 06:15:19
carmine @carmine_RR

「人間」が非科学的なものを含むなら、それを込みで社会を構想しなければならない。人間の性質を勘定に入れない社会が破綻することは共産主義の歴史からも自明。リスク管理においても当然の発想だと思う。そして、同じように「自然」の性質も考慮に入れなければならない。

2011-05-12 06:23:58
carmine @carmine_RR

頭の中で考えて正しいことが現実にはそうならないと、「~であるべき」と現実を思考に合わせようとし始める。自分は「正しい」のだから相手が悪い、と。そうするとしんどくなってくる。無理が生じ、いずれ破綻する。そうではなくて、自分の頭の方を現実に合わせて、やり方を変えなければならない。

2011-05-12 06:32:51
carmine @carmine_RR

人間の思考、言語の性質上非常に難しいことではあるけれど。言葉や論理は非常に便利な道具。道具だからこそ使い方が大事。そして道具は媒介であると同時に、必ず使う主体を変容させる。論理に振り回されないためには、身体や心の感覚を大切に扱い、無視しないことだと思う。

2011-05-12 06:43:35
carmine @carmine_RR

うまくことばにできないもの、とも言えるか。うまくことばや論理でつかまえられないけれど確かにそこにあるもの。

2011-05-12 07:06:43