トランスサイエンス・ポストノーマルサイエンス/「科学だけでは答えを出せない問題」にどう取り組むか/「公共的決定の主体の覚悟と責任」
(続)つまり、その確率が相当に低いという点では科学者たちの意見は一致するが、定量的にどれくらいの大きさかはばらつく。そして「では、そのような超低確率である過酷事故のために追加の対策をすべきかどうか」は、科学を超えた問いであり、科学で答えらると偽装してはならいな問い。
2011-05-20 18:26:05@hirakawah 予防原則も社会的合意ですから、「予防原則がだいじだ」とかいうだけの人は役に立たないわけです。実現可能な合意プロセスについて言えないと
2011-05-20 18:26:06@hirakawah 原発とかPLCでは、本来専門家に任せても良いはずの問題でも、専門家の質が低すぎて科学的にも?な結論を出していそう。批判されない権威は腐敗する。RT @hirakawah: 専門家コンサルタンシーの範囲のものとして専門家にお任せしちゃっていい問題と、
2011-05-20 18:27:01(続)そう考えるワインバーグは、たとえば原子炉の多重防護システムについては、「純粋に工学的には過剰であり、その点ではソ連の原子炉でもいいが、我々は民主主義の世界に生きているからこうなる」として、まさにそれが公共的決定の問題であることを指摘している。
2011-05-20 18:28:57(続)このようなトランスサイエンスの概念を提唱したワインバーグは、先にも書いたように米国で大変有力な科学者で、日本の原子力関係者にも留学して彼のもとで学んだ人も多いのだとか。けれど、トランスサイエンスの精神まで学んだ人はほとんどおらず、その現れの一つが例の「割り切り」発言。
2011-05-20 18:31:38(続)で、こういうトランスサイエンスやポスト・ノーマルサイエンスの話までは話しませんでしたが、近いことをお話しさせていただいた、synodos代表の芹沢さんによるインタヴュー記事があるので、自己宣伝(笑)
2011-05-20 18:34:17【広告】「科学だけでは答えを出せない問題」に、普通の人はどうすればいい? 平川秀幸・大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授に聞く http://tinyurl.com/63zff3a 昨夜深夜から公開で既にお読みになられた方も多いかと思いますが、ぜひ。
2011-05-20 18:35:40ですね。ご指摘の通りと思います。とくに・・・RT @masahirokit: @hirakawah 専門家委任の実態を国民や在野の研究者がリアルタイムでチェックできるシステムが必要です。審議会や委員会のインターネット配信… (cont) http://deck.ly/~A0m2e
2011-05-20 18:38:02(続)・・とくに公開が大事なのは、社会的交渉事項が含まれてるからだということですが、同じくらい、専門的問題も公開で多数の専門家がチェックできるようにする必要があるのですよね。RT @masahirokit: @hirak… (cont) http://deck.ly/~GkRuS
2011-05-20 18:40:09批判されない権威は腐敗する。まさにその通りで、外からの批判が可能になるようにすることで信頼に値する権威のシステムを作らないといけないんですよね。RT @masahirokit: @hirakawah 原発とかPLCでは、… (cont) http://deck.ly/~PWkvm
2011-05-20 18:42:06oO(そう、問題は権威があることじゃなく、その権威が更新され、権威に相応しい能力を発揮できないこと。近現代の権威の正統性の源泉の一つは、無謬性ではなく、外部からの批判可能性とそれに裏付けられた学習・更新可能性でなければならないのだが、官僚機構は依然として前近代的権威のまま。
2011-05-20 18:44:21ぶっちゃけていえば、そのほうが委任される側にとっても楽だと思うんですよね。無謬性を言い張ると、背負いきれない責任を負うことになるし、後でダメだと分かったら、下手すれば薬害エイズのように刑事裁判待ってるよ、と。RT @mo… (cont) http://deck.ly/~mFSXr
2011-05-20 18:46:07日本語で読める概論はこちらをどうぞ。 http://tinyurl.com/6hsxpdd (神戸大・塚原東吾研究室) RT @nebula121: 平川先生 @hirakawah が興味深いお話をされてるのでちぇき。ポストノーマルサイエンスという言葉があるのか。
2011-05-20 18:48:23ポスト・ノーマルサイエンスについて、「英語でも読んじゃるぞ」という人はこちらも。提唱者のラベッツらが運営。 NUSAP.net http://www.nusap.net/
2011-05-20 18:49:52まさしくその通りだと思います。RT @konamih: 公共的に決定されたことの結果は,公共を担う主体が(自覚と覚悟を持って)引き受けることになると理解していいのですかね。 RT @hirakawah まさにそれが公共的決定の問題であることを指摘している。
2011-05-20 18:50:50.@konamih ちなみに「公共的決定の主体の覚悟と責任」は、吉野川可動堰問題の故・姫野雅義さんには明確にあったと思うんですよね。あるところで「建設が必要かどうか、自分たちも納得して決めたい。その結果、建設することになり、どんな結果になったとしても、それはそれでいい」・・・
2011-05-20 18:53:29(続)・・・というような発言があるんですが、これは決して投げやりなものではなく、何であれ自分たちも公共的決定に加わりたい、そしてその結果は自分たちが決めたことの結果として引き受けるという覚悟を示す言葉なんです。
2011-05-20 18:54:55全く同感です。(つづきます) RT @kikumaco: @hirakawah 予防原則も社会的合意ですから、「予防原則がだいじだ」とかいうだけの人は役に立たないわけです。実現可能な合意プロセスについて言えないと
2011-05-20 18:56:49(続)予防原則は「科学的に確実なことだけで判断せず、社会的価値等も考慮してより安全寄りにリスク管理しましょう、そのための交渉を始めましょう」という「宣言文」でしかないんですよね。ご指摘の通り肝心なのは、そういう交渉をどう開始し合意にもっていくかの段取り作り。 @kikumaco
2011-05-20 18:58:54@hirakawah 電磁波問題などを見ていると、逆に、「予防原則」と唱えれば何かが自動的に決まると錯覚しているのではないかと思わせられることがあります。「予防原則」は魔法ではないわけです
2011-05-20 19:01:47(続)そういう「予防原則に基づいた意思決定プロセスの段取り」の一つが、2000年にEUが発表した通達。 http://tinyurl.com/mfw299 とはいえ、これですら実際に適用するにはあいまいなのですが。@kikumaco
2011-05-20 19:02:46@hirakawah これから原発の再稼動問題が次々に出てきます。それは待ったなしでやってくるわけです。「2年以内に全部停められる」と僕が言い続けているのは、現実的な合意形成プロセスがあろうがなかろうが、確実に事態がやってくるからですが。これは緊急の課題のはずです
2011-05-20 19:07:16その背景には「予防原則イコール禁止・中止の論理」という誤解もありますね。RT @kikumaco: @hirakawah 電磁波問題などを見ていると、逆に、「予防原則」と唱えれば何かが自動的に決まると錯覚しているのではないかと思わせられることがあります。「予防原則」は魔法ではない
2011-05-20 19:25:44@hirakawah ええ、その誤解はおそらくどちら側にもあるのでしょう。穏健な予防原則はむしろ当然の考え方だと思いますが、過激化しやすい
2011-05-20 19:27:39