【R18】絶倫ペアの情交模様・EP14・初めてのあと
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それから、もう一年近く、何度断っても、ここであたしを見かけるたびに誘ってくる。月一、二回しかあたしはここに来ないし、あたしが来る日程は限られた人間しか知らないのに、二回に一回はこの人に見つかる。この会社の専属男優というわけじゃないのに。 #twnovels
2019-07-27 17:35:58誰かがあたしのスケジュールを漏らしているとも思えないから、足繁く通っているのだろう。最初にここで会う前は、ちらりとも見かけることは無かったし。そのおかげかどうか、彼がこの会社製作のアダルトビデオへの出演が増えていて、売り上げも伸びているらしい。 #twnovels
2019-07-27 17:36:42「オトナトーイさんとは親しくさせて貰ってるからね」 大木さんは、『女殺し』と陰で言われている素敵な笑顔を見せた。ちらりと覗いた前歯がきらりと光った、気がする。これで迫られたら堕ちない女はいないんじゃないかと思う。堕ちていないあたしが思うのもなんだけど。 #twnovels
2019-07-27 17:37:18それでいて、女関係はしっかりしている。沢山の女と遊んでいるらしいけれど、彼を巡って女同士で揉め事が起こったなどと言うことは、噂にも聞かない。 「それでさ、考えてくれないかな。僕とのAV共演」 「またその話ですか」 と言うか、彼との間で、これ以外の話題はほとんどない。 #twnovels
2019-07-27 17:37:58「毎回お断りしているはずですが」 「だってさぁ、諦めきれないんだもん」 淫らがましい視線であたしを見る。この瞳で見つめられただけで堕ちちゃう娘もいそう。 「大木さん、相変わらずだねぇ」 まだ部屋に残っていた、開発部の男性社員が言った。 #twnovels
2019-07-27 17:38:55「そりゃ、こんな美貌と完璧なスタイルを持った素晴らしい女性、AV女優さんたちの中でも見ないもの。あ、これ女優さんたちには内緒ね」 流れるように溢れる賛辞の言葉。まあ、褒められたら悪い気はしないけれどね。それとアダルトビデオ出演は別の話。 #twnovels
2019-07-27 17:39:36「褒めて戴いて光栄ですが、演技では女優さんたちの足下にも及びませんし、出演するつもりはありません。それでは、失礼します」 いつもはこれくらいのやり取りで、『残念。じゃ、また』と終わるのだけれど、何故か今日は、さらに喰い下がってきた。 #twnovels
2019-07-27 17:40:23「絡みは、男が巧ければそれなりに魅せられるから、僕に任せてくれれば大丈夫。ストーリーのない、絡みだけのAVだってあるわけだし、素人モノだって未だに売れ行きは落ちていないし」 「それでも、出演する意思はまったくありませんので」 #twnovels
2019-07-27 17:40:58「そんなこと言わずに、一回だけ、一回だけでいいから。僕、是非にも耶麻女さんと作品を作ってみたくて。お願いっ」 「今日はやけに食い下がりますね。何かありました?」 さっきの男性社員と同じく部屋にいた女性社員が大木さんに言った。 #twnovels
2019-07-27 17:41:54「いや、実はその、最近、シナリオ書いててさ、その相手役のイメージが耶麻女さんにぴったりって言うか、耶麻女さんを意識して書いたから」 「え? 大木さん、シナリオも書くんですか?」 「いや、勉強中で、まだ習作だけどね」 #twnovels
2019-07-27 17:42:23大木さんは照れたように頭を掻いた。 「ってか、耶麻女さんとの共演を考えてたら、いろいろアイデアが湧いてきちゃって、それで書き始めたんだけど。だから、お願いっ 耶麻女さん、僕の作ったシナリオのAVに、僕と出演てください」 #twnovels
2019-07-27 17:43:00そう言われてもね、困るんだけど。あたし、女優じゃないし、女優志望でもないし。 「耶麻女さん、こんなに頼んでいるんだから、受けてあげたら如何です?」 さっきの女性社員が言う。 「私なら、二つ返事でOKしますけどねー。大木さんと共演できるなら」 別の女性社員も後押しする。 #twnovels
2019-07-27 17:43:38普通、『好きになった女の子をモデルにAVのシナリオを書いたっ』なんて男が言ったら、女の子の方は当事者であろうと他人であろうとヒいてしまうと思うけれど、彼が言うと、何故かそんな気にはならない。それは、横で聞いていた女性社員も同じみたい。 #twnovels
2019-07-27 17:44:36彼が色男だから、と言うよりも、彼のあたしとの共演に対する熱意の賜物、だと思う。その熱意を向けられているあたしにとっては傍迷惑以外の何物でもないのも、また事実なのだけれど。 「耶麻女さん、どうか、お願いしますっ 一回、一回で良いので、僕と共演してくださいっ」 #twnovels
2019-07-27 17:45:25その、いつになく熱心な彼の態度に、あたしは根負けした。 「はあ、解りました」 「本当ですかっ? やったっ!」 飛び上がらんばかりに喜ぶ大木さん。と言うか、実際、少し飛び跳ねているし。あたしより歳上の筈なのに、歳下に見えてしまう。 #twnovels
2019-07-27 17:46:13「ですが、条件があります」 喜色満面の彼に、あたしは言った。彼はすぐにあたしを見る。先走る人だと後の言葉を聞きゃしないけれど、彼はきちんと聞いてくれる。流石に、何度も顔を合わせてはいるから、そのくらいの性格は解っている。でなけりゃ、先に『解った』なんて言わない。 #twnovels
2019-07-27 17:46:58「どんな条件?」 「あたしとセックスしてください。あたしを先にイカせられたら、一回だけ出演してあげます。でも、大木さんが先にイッたら、今後一切あたしに出演依頼しないように。良いですか?」 「ちょ、ちょっと耶麻女さんっ」 #twnovels
2019-07-27 17:47:46あたしたちのやり取りを見ていた男性社員が慌てた。 「大木さんに対して失礼だよっ」 それは解っている。素人が現役のAV男優に対して『どちらか先にイクか勝負しろ』と言っているのだから。草野球チームがプロ野球チームに喧嘩を吹っかけるに等しい。 #twnovels
2019-07-27 17:48:27けれど、あたしはその声を無視して大木さんに挑戦的な視線を送り続けた。大木さんも、怒ることなく、何か考えている。 「それだと、報酬のバランスが悪いんじゃないかな。ぼくが勝っても一回だけ、なのに、耶麻女さんが勝ったら永久に誘えない、なんて」 #twnovels
2019-07-27 17:49:16まあ、そうよね。あたしもそう思う。 「あたしを先にイカせる自信がありませんか?」 さっきの男性社員、いや、この場にいる他の社員もはらはらと見守っている。 「そんなことはないけどね。 耶麻女さんの口調からすると結構ヤレそうだから、慎重にもなるよ。今後誘えないともなれば」 #twnovels
2019-07-27 17:50:03「では、こういうのはどうです?」あたしは続けた。「どちらが先にイクか、ではなく、大木さんがあたしをイカせられるかどうか。大木さんは何回イッても、勃たなくなるまでは勝負続行ってことで」 「耶麻女さんっ」 悲鳴にも近い、あたしを非難する声。 #twnovels
2019-07-27 17:51:00「ぼくも舐められたもんだなぁ」外野の心配を他所に、大木さんは楽しそうに笑った。「そこそこ長くヤッてきて、それなりの実力は付いていると、自分でも思うんだけどな」 「も、申し訳ありません。失礼なことを言って」 青くなった社員たちが頭を下げる。 #twnovels
2019-07-27 17:51:36「いや、気にしないで。それで、耶麻女さん、君をイカせられた場合、AVに出演して貰った後、また依頼するのは良いんだよね?」 「ええ、構いませんよ。お受けするかどうかは、判りませんが」 「よし、決まりっ」 大木さんはぱちんと指を鳴らした。 #twnovels
2019-07-27 17:52:12「善は急げ。今からヤる?」 「ええ。あたしは構いませんよ」 今日は猛くんと会う約束もないし、他の用事もない。「じゃ、どこかホテルにしけ込もうか」 「あ、あの」 男性社員の一人があたしたちの会話に割り込んだ。 「それなら、ウチのプレイルームを使ってください」 #twnovels
2019-07-27 17:52:58「え? いいの? 僕と耶麻女さんの間の話なのに」 「今、空いている筈ですし、お二人とも弊社にとって大切な人ですから、これくらいは。一応、社長に確認しますが、問題ないでしょう。おい」 「あ、はい」 一人の男性社員が慌てて部屋を出て行った。 #twnovels
2019-07-27 17:53:34