生誕125年記念 速水御舟展@山種美術館 館長・山崎による作品紹介

山種美術館「山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】 生誕125年記念 速水御舟展」(2019/6/8〜8/4) 会期中の館長・山崎妙子による作品紹介のつぶやきをまとめました。次回は8/10から「【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】 Seed 山種美術館 日本画アワード 2019 ― 未来をになう日本画新世代 ―」を開催! http://www.yamatane-museum.jp/exh/2019/seed2019.html
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山種美術館 @yamatanemuseum

《蛤》(山種美術館)は、御舟が茅ヶ崎の別荘に家族を訪ねていた時期に描かれた作品。蛤をさまざまな方向から捉え、三角形の構図に収めています。筆の毛先や絵具の滲みを活かし、表面の筋目や斑が表現されている点にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/qribrLfSQ1

2019-07-09 12:02:20
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御舟はこの時期、《秋茄子》を3点連作しており、そのうち2点にはバッタを、1点にはコオロギを添えている。この《秋茄子》(山種美術館)ではバッタが葉の上に。バッタの緑と花の紫が、墨を基調とした画面にアクセントを与えています。(山崎) pic.twitter.com/V6QjrK8G8O

2019-07-10 12:00:53
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《桔梗》(山種美術館)は、「空想で絵が描けるようになった」という御舟晩年の作品。秋ではなく三月に、しかもわずか二日間で描かれました。「模写は芸術ではない」と模写を嫌った小林古径が、本作品に魅了され、模写したそうですよ。(山崎) pic.twitter.com/35N1FzhjCA

2019-07-11 12:03:00
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この時期複数の牡丹図を制作した御舟。弟子の吉田善彦によれば、この《牡丹》(山種美術館)のための写生は、花と葉に濃彩が施され、「すさまじい美しさ」だったとか。葉の表現にも新たな工夫を取り入れ、「之はものになった」と述べたそうです。(山崎) pic.twitter.com/xtxg8C1ETR

2019-07-12 12:06:51
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今日は #海の日。御舟と海をつなげるエピソードから、昭和5年の洋行をご紹介。御舟は、イタリア政府主催・ローマ日本美術展覧会の美術使節として大観らと横浜港から白山丸に乗り、ナポリ港まで39日間の船旅を経験しました。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/ylR4uWBjpC

2019-07-15 12:14:44
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御舟がギリシャ・アテネでオデオン劇場を訪れたのは、和5年3月16日。日記には「壮麗 優雅比肩其の類なからん」と記されています。《オデオンの遺址》(山種美術館)は、写生に基づきながらも、複数の視点を一つの画面で再構築した作品。(山崎) pic.twitter.com/bPmc4g7pYr

2019-07-17 12:08:06
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昭和5年3月15日から21日までの1週間、ギリシャ・アテネに滞在した御舟。古代遺跡を見て回り、建築には特に強い関心を持ったのだとか。《オリンピアス神殿遺址》(山種美術館)は、現地で描かれた写生に基づいて、制作された作品です。(山崎) pic.twitter.com/jkHnvyTMXm

2019-07-18 12:01:18
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約10ヶ月の渡欧で、御舟はイタリア、ギリシア、フランス、スペイン、イギリス、エジプトなど13カ国を訪れています。現地では様々な史跡を訪れ、著名な彫刻や絵画などの写真も数多く購入して持ち帰りました。(山崎)@山種美術館 pic.twitter.com/kYGq5GxOYL

2019-07-19 12:07:28
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昭和5年9月12日、ナポリから3日をかけてナイル河氾濫期のエジプトに渡った御舟。《埃及所見》(山種美術館)は、現地で見た光景を描いた作品。ロバの足と蹄のリズミカルな配置、紙の繊維を活かした毛並みの表現にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/ts8CXXJjs5

2019-07-23 12:04:44
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今日は#大暑。エジプトを「熱の国」と称した御舟。《埃及土人ノ灌漑》(山種美術館)は熱国特有の灌漑作業を描いた作品。対照的な人物やモティーフの配置、仏画の火焔表現を思わせる水流の様式的な描写にご注目。(山崎) pic.twitter.com/XAy8MWKGst

2019-07-23 12:05:15
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《ギリシャ少女像 (素描)》(山種美術館)。「女神像数多とてもすばらしきもの」と日記に記した御舟。本作品は《ペプロス・コレー(衣をまとった少女像)》(3/19-20に訪れたアクロポリス博物館所蔵)を写生したと推察されます。(山崎) pic.twitter.com/3q4qcgc6OZ

2019-07-24 12:07:05
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速水御舟《豆花》(山種美術館)など晩年の小品は、《翠苔緑芝》、《名樹散椿》に見られた装飾的、構成的傾向を小画面において発展させた作品。真横に伸びる茎や花の色の鮮やかさなど、御舟ならではの形態感覚、色彩感覚にもご注目。(山崎) pic.twitter.com/rfLsdzSDBl

2019-07-25 12:04:33
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速水御舟《日蓮上人像 (模写)》(山種美術館)は、池上本門寺旧蔵の《日蓮上人像》(第2次世界大戦時に焼失)を写した作品。のちに退色してしまいましたが、制作当初は紅花を使い、背景を赤く色付けていたそうですよ。(山崎) pic.twitter.com/t57tGdoI9B

2019-07-25 12:05:01
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ヨーロッパから帰国した翌年(昭和6年)以降、速水御舟は毎年女性を描いた作品を秋の院展に出品。《青丘婦女抄 蝎蜅(カルボ)》(山種美術館)は、1933(昭和8)年当時の朝鮮の女性風俗を描いたシリーズ中の一作。青丘とは中国では理想郷、憧れの地、東方の地(=朝鮮)の意。(山崎) pic.twitter.com/IgNP5Y5q6h

2019-07-26 12:04:10
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さまざまな花、鳥などを丹念にスケッチした2冊の《写生帖》(山種美術館)。御舟の制作の基本は自然を見つめ、写生することにあったそうです。現在展示中の薔薇の写生は数種類のグッズとしても人気です!(山崎) pic.twitter.com/dZTjMioNdG

2019-07-27 12:08:02
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花の特質や仕組みを徹底的に覚え、その美しさがどこにあるのかを探求し、それらを確実に記憶することが写生であると弟子に説いた御舟。山種美術館で展示中の写生からは、細部まで観察し、丹念に写し取ろうとする姿勢がみてとれます。(山崎) pic.twitter.com/zCTn70flRy

2019-07-28 12:15:46
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速水御舟《鶴》(山種美術館)。御舟の日記によると、昭和7年、4月13日に小林古径らとともに菱田家を訪ね、春草の遺稿を見て感激を新たにしたそうです。本作品は、まさにその日に描かれたという記録が残っているんですよ。(山崎) pic.twitter.com/YOmZE2BE8G

2019-07-28 12:16:12
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速水御舟《春池温》(山種美術館)。本作品を描くにあたり、御舟は画室に鯉を入れた盥(たらい)を持ち込み、何度も熱心に写生したそうです。御舟の作品録には《桃花鯉魚》と記されていますが、後に《春池温》と改題された作品。(山崎) pic.twitter.com/g25Dpee9un

2019-07-30 11:59:08
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速水御舟《暗香》(山種美術館)。横長の画面の、ほぼ対角線上に描かれた梅の枝。昭和初期に琳派を意識した屏風を描いて以来、小画面においても構図を重視した花鳥画を立て続けに制作した御舟の特徴をよく表した作品。(山崎) pic.twitter.com/cs9Kl8BRMm

2019-07-30 11:59:30
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目黒の自宅の庭の八重椿を描いた《椿ノ花》(山種美術館)。花の枝をクローズアップした折枝画を好んで描いた御舟。この時期は《名樹散椿》で試みたような画面を横切る画面構成を小画面においても活かしています。(山崎) pic.twitter.com/BitCJyyp2u

2019-07-31 11:59:00
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《あけぼの・春の宵》(山種美術館)。《あけぼの》には白緑色の朝鮮色紙、《春の宵》には淡紅色の朝鮮色紙を用いたのだそうです。「紙と絵具の性質に対する心構え」の必要性を重視した晩年の御舟らしい作品。(山崎) pic.twitter.com/L2EYfS2viy

2019-07-31 11:59:15
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昭和5年の渡欧途中で描かれた《京劇 (写生) 》(山種美術館)より4点を展示中。本作品は、御舟自筆の「金刀陣 孫悟空 扮 鄭発祥」の書き込みから、孫悟空役者として知られた上海の鄭法祥(1892-1965)を描いたことがわかります。(山崎) pic.twitter.com/PwPRBXBlwv

2019-08-01 12:00:38
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今日は #御舟の誕生日。125年前の今日、御舟は蒔田良三郎・いとの次男として東京市浅草区浅草茅町2丁目16番地(現・台東区柳橋1丁目19番地)に生まれました。ぜひこの記念日に、山種美術館の速水御舟展へお出かけくださいね。(山崎) pic.twitter.com/yRabf2yg8g

2019-08-02 12:06:01
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