福島の甲状腺検査の1巡目から3巡目の結果を振り返る

時間がかかりましたがようやく論文が読めたので、非公開で作っていたまとめを公開に切り替えました。
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巻頭言

nao @parasite2006

@nao73714 @drsteppenwolf @F1_ABS @jadegreen210 1) 検出率の地域差なし、2) 腫瘍組織の遺伝子検査で点突然変異(被曝線量によらず一定確率で出現)>遺伝子再構成変異(被曝時年齢が低く被曝線量が高いほど出現確率が上昇)で2巡目以降も再構成変異の割合が増えない、3) 事故時5歳未満で10歳までの診断例なしの3つ揃えば私なら「原発と無関係」に軍配

2019-05-10 15:55:08

1巡目から3巡目のデータをコンパクトに振り返る・その1

nao @parasite2006

福島の甲状腺検査、1巡目からの発見率の変化をごらんください(2019年7月8日公表分)。1巡目の結果確定には1次検査のスケジュール完了から約1年半かかったので3巡目の結果確定にはあと半年ほどかかると予想されますが、それでも3巡目の10万人当たり発見率が1-2巡目の半分に達する可能性は低そうです。 pic.twitter.com/lC9FnV4awi

2019-07-09 12:03:45
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nao @parasite2006

2019年7月9日付朝日新聞朝刊が「福島 甲状腺がん新たに5人」(下手な写真ですみません)と書いたのは、2018年12月31日から2019年3月31日までの間に手術を受けた人が3巡目で3人、4巡目で1人、25歳の検査で1人増えたことをさします。(一方悪性+疑い例数の増大はそれぞれ3人、3人、0人です) pic.twitter.com/HUNH3O6TMN

2019-07-09 20:27:55
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(↑この新聞記事のように1巡目からの累計値にしか関心がなく「何人増えて合計何人になった」としか書かないのは最悪の報道です。この検査は当初放射線の影響による甲状腺癌の潜伏期を4-5年と想定し、1巡目=先行検査で放射線の影響が現れる前の状況を把握した上で2巡目以降=本格検査の結果を1巡目と比較してどの程度の差があるかを検討するよう計画されていました。従って1巡ごとの結果を出して時間とともにどのように変化していくかをみないと、意味のある判断ができません)

nao @parasite2006

前のツイートの根拠は2019年4月8日付公表分pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac… と2019年7月8日公表分pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac… の甲状腺検査1-4巡目結果まとめファイルです。

2019-07-09 20:39:48
nao @parasite2006

こちらは1-3巡目の悪性+疑い例の年齢分布曲線(2019年7月8日公表分、2019年3月31日現在)、左が事故時年齢、右が二次検査時年齢による表示です。事故時年齢5歳未満で10歳になるまでに診断された子(チェルノブイリ事故後のベラルーシではこれが圧倒的多数)は1巡目と2巡目で1人ずつ、3巡目はゼロです。 pic.twitter.com/mDTZmcOfoO

2019-07-09 20:51:03
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(↑具体的にはこういうことです↓)

nao @parasite2006

@nao73714 @drsteppenwolf @F1_ABS @jadegreen210 (続き)1-4巡目の甲状腺結果総覧ファイルpref.fukushima.lg.jp/uploaded/attac… 1巡目で事故時6歳/診断時8歳、2巡目で事故時5歳/診断時9歳が1人ずつ3巡目で事故時6歳/診断時12歳が1人だけ。事故時と診断時の年齢の開きは1巡ごとに2年ずつ拡大。4巡目時点で事故時3歳以上の子が診断されても自然発生と区別できない

2019-05-10 12:25:46

(↑すみません、3巡目の「事故時6歳」は「事故時5歳」のミスプリントでした)

nao @parasite2006

twitter.com/parasite2006/s… 事故時と診断時の年齢の開きは1巡ごとに2年ずつ拡大します。4巡目時点で事故時3歳以上の子が診断されても10歳を過ぎて臨床症状を現して診断される自然発生の甲状腺癌と区別できず、5巡目になると事故時1歳またはゼロ歳の子が診断されても自然発生と区別できなくなります。

2019-07-09 21:17:39
nao @parasite2006

福島県民健康調査甲状腺検査の1巡目-4巡目の年齢別受診率の変遷。2巡目以降の赤字は事故時年齢で、事故時-1歳は事故の翌年生まれ。2巡目以降学校検診が高校まで拡大されましたが、高校を卒業すると事実上ドロップアウトするため、4巡目に至って受診者は今や事故時10歳以下に限定される事態に。 pic.twitter.com/XEDXEGPgm5

2019-07-09 23:04:56
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green2 @jadegreen210

@parasite2006 改めて「学校で検診をすること」の問題の大きさを感じました。たとえ今後適切な事前説明が実現したと仮定しても、学校での集団検診はダメですね。

2019-07-09 23:16:49
nao @parasite2006

@jadegreen210 私も放射線影響による発がんの有無を知ることを目的として甲状腺検査をするのなら、こういう理由でtwitter.com/parasite2006/s… 小学校卒業と同時に検査も卒業でいいと考えています。中学校以降も絨毯爆撃的に学校検診を続けても、放射線と無関係な自然発生の甲状腺癌の種を不必要に掘り起こすだけです

2019-07-09 23:27:09
nao @parasite2006

チェルノブイリ事故後のベラルーシの小児甲状腺癌の年齢分布曲線の特徴togetter.com/li/1010722 を知り、自然発生の年齢分布曲線twitter.com/parasite2006/s… と比較すれば、事故時5歳未満で10歳になる前に診断された子がいるかどうかが放射線影響による甲状腺癌発生のチェックポイントになるとわかる

2019-07-09 23:19:42
mizuki_kanna07409🐰おーん @kanna07409

甲状腺検査って、計画の段階では15歳までだったのよ。それが「高校卒業までは福島にいるんだから」で18歳までになったのよ。

2019-07-09 23:17:48
nao @parasite2006

@kanna07409 twitter.com/parasite2006/s… この年齢分布曲線で事故時年齢16歳以上を外すと1巡目115(手術して良性と判明した1例を除く)→56、2巡目71→53、3順目24→22となります。1順目では高校が学校検診対象外で、2年間のタイムラグのため会津いわきの事故時16歳以上の受診率が直前2年間の半分しかない状況でもこれ

2019-07-10 09:09:17

(↑下に再録する年齢分布曲線の左半分の3枚は事故時年齢を横軸として書いたものですが、ここから事故時年齢16歳以上をはずす試算をしてみると、本来は原発事故の放射線とは無関係に存在していたとみてまず間違いがない癌を検査を受けたばかりに巻き添えで診断されてしまった子どもたちの数の多さを改めて実感させられます↓)

nao @parasite2006

こちらは1-3巡目の悪性+疑い例の年齢分布曲線(2019年7月8日公表分、2019年3月31日現在)、左が事故時年齢、右が二次検査時年齢による表示です。事故時年齢5歳未満で10歳になるまでに診断された子(チェルノブイリ事故後のベラルーシではこれが圧倒的多数)は1巡目と2巡目で1人ずつ、3巡目はゼロです。 pic.twitter.com/mDTZmcOfoO

2019-07-09 20:51:03
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nao @parasite2006

チェルノブイリ事故後のベラルーシの小児甲状腺癌の年齢分布曲線の特徴togetter.com/li/1010722 を知り、自然発生の年齢分布曲線twitter.com/parasite2006/s… と比較すれば、事故時5歳未満で10歳になる前に診断された子がいるかどうかが放射線影響による甲状腺癌発生のチェックポイントになるとわかる

2019-07-09 23:19:42
nao @parasite2006

@hkemo1 1枚目のグラフは甲状腺癌の男女別罹患率が年齢ととともに変化する様子です。このグラフを作って初めて知りましたが、米国の白人と黒人には罹患率の大きな差があり、日本人は男女とも白人より黒人に近いことがわかります pic.twitter.com/yiG17038lV

2015-11-11 16:29:08
まとめ ベラルーシの小児甲状腺癌罹患者と福島県民健康調査の甲状腺癌罹患者の年齢分布を比較する:事故時年齢ベースと診断時年齢ベ.. 福島民報記事(2016年8月4日付) 「「小児甲状腺がん増加考えにくい」 長崎大高村教授ら」 http://www.minpo.jp/news/detail/2016080433415 記事で取り上げられている論文(英文、無料) Noboru Takamura, Makiko Orita, Vladimir Saenko, Shunichi Yamashita, Shigenobu Nagataki, Yuri Demidchik. Radiation and risk of thyroid cancer: Fukushima and Chernobyl. Lancet Diabetes Endocrinol 2016;4:647. http://www.thelancet.com/pdfs/journal.. 11330 pv 196 2 users 8

(年齢分布曲線のチェックポイントおさらい)

nao @parasite2006

@yoka72 ご指摘感謝。図pic.twitter.com/sgnQKDOHf6 は2巡目を1990-1993年(チェルノブイリ事故4-7年後)のベラルーシpic.twitter.com/YI65y2u0ar やウクライナ pic.twitter.com/DUjmCQ9Ass と比較が本意です

2016-06-07 11:32:32
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nao @parasite2006

@kazooooya ウクライナの1990-1993年の分布(年齢は事故時年齢)pic.twitter.com/YI65y2u0ar は15-17歳と10歳以下の2個の山が見えますが、同じ年のベラルーシは10歳以下の山の方が圧倒的に大きい pic.twitter.com/DUjmCQ9Ass

2015-12-01 18:56:30
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nao @parasite2006

@hseino1 もし福島県民健康調査の甲状腺検査で発見されている甲状腺癌が放射線と無関係の自然発生分だけだとすると、事故時年齢で作った年齢分布グラフの低年齢側のスロープ(高年齢側スロープの形やピークの位置は時とともに不正確にならざるを得ない)が1巡ごとに2歳ずつ左にずれるだけ

2016-08-10 05:26:28
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