飲み会は全員参加が義務?来たい人だけでいい? SMマトリックス概論2
7.ハード・ソフト概念補足
SMマトリックスと性格の関係についてもう少し考えてみる。性格とか思考パターンと一番密接な関係にあるのは「ハード・ソフト」の軸である。ハードな傾向の強い人は物事を規範的に考える。「〜すべき」という規範を元に正義を判断し、正しくあろうとする。#SMマトリックス
2019-09-03 14:20:49ソフトな傾向が強い人は相対主義的であり、規範の絶対性そのものを疑ってかかる。なぜ「〜すべし」ということができるの?それは個人の好みや美学とはどう違うの?そのような疑問を持ちがちだし、「個人的な好み」として多くのものを捉えやすい。#SMマトリックス
2019-09-03 14:24:28典型的なのは芸術や美について。ハードな人はなんらかの基準に基づいて芸術的な価値や美しさを序列をつけて比べられると考える。美を測る基準となる一本の物差しを想定する。エンタメよりアートに高い価値があることを認めることに抵抗がない。文化の蓄積とる伝統を受け入れる。#SMマトリックス
2019-09-03 14:29:47ソフトな人はたとえば「芸術は文化的価値が高くエンタメは低い」といった考えを否定する。大量の個人の好みの集積のみが存在し、多くの人に好まれたり、一部の知識層に好まれたりするものがあるが、それらも単に「個人の好み」とみなし、特別な価値があるとはみなさない。#SMマトリックス
2019-09-03 14:36:09もちろん、ハード、ソフトも性格そのものではなく、事柄によってハードになったりソフトになったりする。対人関係においては、心理的な距離が近い相手(親子・夫婦)や、密接な利害関係がある相手(職場の人間)に対しては、ハードになりやすい。#SMマトリックス
2019-09-03 14:41:12絶対に自分の価値観や望みに賛同してもらい、その考えを共有してもらわないと困るという状況になればなるほど、ハードさは高まる。たとえば会社の上司は遅刻を繰り返す部下に対してはハードに「遅刻をしてはいけない」と言わざるを得ないことが多い。#SMマトリックス
2019-09-03 14:43:50集団の意識、目的を1つにまとめ、そこに向かわせようとする時、それは全体主義的、一神教的であり、ハードになるといえる。集団の各構成メンバーが自由な方向を目指して動くことをよしとするのは個人主義的、多神教もしくは無神論的であり、ソフトであるといえる。#SMマトリックス
2019-09-03 14:49:29全員参加を前提で会社などの飲み会が開催されるところはハードな集団、希望者のみ参加でよくて参加しなくても本当になにも問題がないところはソフトな集団です。めんたねは完全にソフトな集団です。#SMマトリックス
2019-09-03 01:01:29ハードは上司部下など縦の関係に多く見られ、ソフトは友人など対等な横の関係に多く見られる。ハードな傾向が強く、ソフトが弱い人は横の関係、対等な関係を結ぶのが苦手で、同年代よりも先輩・後輩などと一緒にいる方が楽だと感じたりする。役割分担がはっきりしているからだ。#SMマトリックス
2019-09-03 01:34:14ハードなだけでもソフトなだけでもなかなかうまくやっていけないので、状況に合わせてボチボチ2つの対応を組み合わせてやっていくことになる。なので、ハード・ソフトにはその人の思考の癖が表れやすいが、状況によって変わるものでもある。シンプルに性格であるとも言いにくい。#SMマトリックス
2019-09-03 14:54:53@kamiyahasse2 はい。さらに期待が高くてもそれを要求する権利はないと思える人と、自分の期待が高ければ、相手にそれを要求する権利があると思えてしまう人がいて、後者は期待が高い時にハードな方へ突き抜けます。前者は期待の高さとソフトな姿勢を両立できる。自他境界の確立と関係してますね。#SMマトリックス
2019-09-03 15:13:33@kamiyahasse2 関係は深いと思います。そこが面白いところです。「なんで宿題やってないの?」と発話しつつ、自分でその意図を明確に自覚していない、メンタライズできていないという話と同根なのです。
2019-09-03 15:20:168.SM概念補足
- 責任の所在
- 言葉の意味の確定
- 解決者ポジションと被害者ポジション
SMマトリックスにおける「S」「M」という概念は以下の連続ツイートで示した通り、元々はSMプレイのSMであるが、コミュニケーション全般に使えるものとして広げた独自概念だ。このSとМについてもう少しイメージしやすいように補足する。#SMマトリックス twitter.com/mentane/status…
2019-09-03 20:46:38SMマトリックスは2008年の暮れに生まれた。ミルトン・エリクソン読書会にて『アンコモン・セラピー』というエリクソンの治療例を集めた本を読み進めていた時、ある患者の様子を見て、通称「老師」@alimao8 は言った。「これは、支配的なマゾ、俗にエゴマゾと呼ばれるやつですね」#SMマトリックス
2019-09-01 08:17:43Sは、コミュニケーションの形式において、働きかけを起こす側である。先手・後手があるとしたら、先手。Mは支配Mにおいて期待をほのめかすという予備動作があるとはいえ、形式的にはハッキリと何か働きかけを行ってはいない。相手からの働きかけが先にあり、それに反応する。後手だ。#SMマトリックス pic.twitter.com/MYXXLTje21
2019-09-03 20:58:12Sには先手を取るだけではなく、きちんと「意図を明言する」、「決定する・決断を下す」といった働きが含まれる。仲間数名でランチに向かい、デパートのレストラン街で入る店を決める。そんなとき、Sが「ここにしよう」と提案し、Мは「うん、そうしよう」とその決断に従う。#SMマトリックス
2019-09-03 21:03:01ところが、「決断する」というSの役割を引き受ける人がいない集団では「どこにしようか?」「どこでもいいよ」「私もどこでもいい?」みたいな会話が延々と続いてなかなか入る店が決まらないこともある。みんながMの側、人に決めてもらってその決定に従う側に張り付いている。#SMマトリックス
2019-09-03 21:05:12ではなんでみんなSをやりたがらないのか?誰かがサクッと「ここにしよう」と言ってやれば済む話なのに。 その理由は、責任を負いたくないからだ。物事を決定する側に回ると、決定した結果にも責任を引き受ける必要があるように感じる。#SMマトリックス
2019-09-03 21:09:34入った店の味がまずかった時、実際にそうかはさておき、決めた人の責任という感じがする。メンバーの一人がその店は嫌だなあと思っていれば、決定者(S)はそのメンバーから恨まれるかもしれない。こういった責任を引き受けたくない人たちはМ的対応を好む。#SMマトリックス
2019-09-03 21:13:13ぼくの友人の佐田弘幸さんは「日本人は責任恐怖症なんや!」と以前、会ったときに言っていたが、ぼくもその通りだと思う。責任を引き受けることに強い恐怖感を持つ人が多い。#SMマトリックス
2019-09-03 21:14:56S側に回ったときに引き受けるべき責任も実はたいしたことがなくて、選んだ店が多少まずくてもそのことで実際に責められることはないし、なんだかんだ「この人が店を決めてくれるから」とかえって人は集まってくる。そういう意味ではS側に回れるようにしておくのは結構お得です。#SMマトリックス pic.twitter.com/3BQo5ucf58
2019-09-03 23:59:43(日本では?)S側に率先して回れる人が少ないため、Sをあえて引き受けて行動すると、周りにM性の高い人がだんだんと集まってくる。この人にくっついていけば、なにかいいこと面白いことがあるのではないか?と。あと恋愛関係のモテにおいても特に男性はS側に回れるとウケが良い。#SMマトリックス pic.twitter.com/YoXNlregOh
2019-09-03 23:57:12「明言する」のも同じ。発言の意図を確定させて明言すると、あとで「そんなことは言ってません」と言い逃れができない。自分の言葉に責任を引き受けなければならない。あえて文脈が決定できないような曖昧な物言いに終始すれば、言い逃れが可能になる。支配Mはそういう時に便利である。#SMマトリックス
2019-09-03 21:19:23