アルバム感想文第4回『A Night At The Opera』

一ヶ月もかかった割には……って感じかな。
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Hg(水銀) @Hg0161324

7曲目『Seaside Rendezvous』 オペラ座の夜で一番陽気で、アナログだとA面を締める曲。次がブライアンのアレなのでまあちょっとした小休憩というか息抜き。かと思いきやこの曲もかなり凝っていて途中のジャズセクションが結構すごい。カズーという楽曲の要領で口元に薄い紙を当て声を出すことで

2019-09-13 23:03:21
Hg(水銀) @Hg0161324

ブラスサウンドを完全再現。「木管」フレ「全員いまーす。」「金管」ロジャ「全員いまーす」、てなわけでふたりがそれぞれ楽器を分担。声なのでよく聞くと金管セクションがロジャーの叫び声まんまなことが分かる。ヒィィィハァァァ カズー、今回初めて知ったけど結構安価みたいだし声の大きさで

2019-09-13 23:04:14
Hg(水銀) @Hg0161324

音の大きさも変わるんだったらひや族大移動の時に持っていきたいな。 それにタップダンスは指に指貫というものを使ってミキシングデスクを叩いて録音。こう聞くとクイーンの曲ではかなり多彩でありながらかなりが人間の体という結構シンプルな構成をしている感じがするね。

2019-09-13 23:05:13
Hg(水銀) @Hg0161324

歌詞も結構陽気で、バカンスシーズンの地中海で恋人に軽口叩いたり毎晩月明かりの下で船旅をする妄想をしていたりと(若しかしたら本当かも)めっちゃ楽しそう。フレディ海好きだねー。歌詞には部分的にフランス語が使われてたりとそれっぽい雰囲気もありますね。

2019-09-13 23:06:40
Hg(水銀) @Hg0161324

収録はロジャーとアイデアを出し合いながらジョーク的な感じやっていたらしく、その楽しさがこっちにまで見えてくるような気がするかもしれない。一方その頃、ブライアンは独り部屋に篭ってギターとおしゃべりしていた………多分嘘。

2019-09-13 23:08:21
Hg(水銀) @Hg0161324

8曲目『The Prophet's Song』 ブライアン作曲の個人的クイーンで最もブッとんだ曲。そもそも最初がブライアンが例の肝炎で寝込んでる時に見た夢を元に作曲したというエピソードであることからもそのぶっとび具合が伺える。どう考えても怪しい電波か啓示を受け取ってるよね。怖すぎる。

2019-09-13 23:10:38
Hg(水銀) @Hg0161324

クイーンの曲でも屈指のプログレッシブロックで神秘的な曲。歌詞の内容的にはかのノアの方舟などを引用していらっしゃるので特に書かないといけないところは無い。が、この曲の真のヤバさはフレディの独唱パートにある。 途中で軽くコーラスは入るが、ほぼ全てがフレディの独唱であるこのパートは

2019-09-13 23:11:43
Hg(水銀) @Hg0161324

魅惑のロックンロールよろしくブライアンお得意の三段輪唱を駆使してカノンが奏でられるわけだが、これが見事に気持ち悪い。いや冗談抜きで。イヤホン左右に分けられてるから耳がゾワゾワするし歌い方というかそういうのが比喩抜きで鼓膜を舐め取ってくるので背筋のゾワゾワが止まらなさすぎる。

2019-09-13 23:13:45
Hg(水銀) @Hg0161324

ちなみにこのカノンパートはアルバムにしては珍しくフレディが一発録りを挑み見事に成功させた。ライブパフォーマンスで腐るほどやってるので忘れがちだが正確なリズム感と音感がないと簡単に不協和音になりかねないのでやはりフレディの凄さが分かる。単にやりまくって慣れてただけかもしれんけど

2019-09-13 23:16:02
Hg(水銀) @Hg0161324

その前で展開されていた曲調がテーマ的なのもあって酷く暗く陰湿なので不安感が余計に煽られる。バックバンドが一切ないので洪水が起こる最後の夜的な解釈もできるか。事実ソロパートが終わるどドラムのおどろおどろしい音が奏でられたかと思うと激しいギターソロが展開されフレディの怒声が飛んでくる

2019-09-13 23:16:51
Hg(水銀) @Hg0161324

ので、ここが洪水で世界が飲み込まれ全ての生物が流されているパートだと解釈することも可能。確認してみたが歌詞の流れ的にも自然かな。全てが流される光景を見ながら「地上の子供たちよ、それでも愛が答えなのだ。」という気持ちは一体どうなのであろうか。私が真にこの曲が「気持ち悪い」と思うのは

2019-09-13 23:18:08
Hg(水銀) @Hg0161324

この部分だけ視点がちょっとよく分からないところ。歌詞を見た感じで意訳すると「幻があの声をかき消す。『あの狂人を言葉に耳を傾けよ!』という声を。」とあるが、ここまで聞いてきた感じだと神の言葉を受けた歌い手と、ほの支持を出した神様の視点が交互に繰り返されていると思ったのだが、

2019-09-13 23:19:06
Hg(水銀) @Hg0161324

そうだとしてもよく分からないし、極めつけに最後には「恐れは消えない。私にあの狂人を笑う勇気はない。」と書いてある。そもそも洪水起こすから船作ってねって言い出したのは神様なのに、なんでそいつの事を狂人とかいって怖がるんだって話。今調べたんだけど、話の流れ的には聖書的な大洪水の話より

2019-09-13 23:20:14
Hg(水銀) @Hg0161324

古代メソポタミアのウトナピシュティムの話の方が近いのではないか?と思われたり。ぶっちゃけ宗教的にはどう違うのかが私には分からないんだよね。ただこの『狂人』の解釈が意味不明で、解釈によっては歌詞の構成そのものが変わってしまうのではないかって感じがして、だからかなり怖いと感じたり。

2019-09-13 23:21:19
Hg(水銀) @Hg0161324

これ、もしかして神と船を作った人間の他にもう1人別の視点があると思うんだよね。というか絶対ブライアン本人だよねこれ。マジで啓示受け取ってない???まあ単なる夢オチでしたって言うのもアリ。曲としてはすごく面白いし好きだしね。

2019-09-13 23:22:29
Hg(水銀) @Hg0161324

因みにこの感想文を書くために結構調べたんだけど、なんとライブパフォーマンスの動画が出てきた。嘘だろ、これライブでやるの????見てみたらフレディがディレイ使って1人でやってたんだけど、かなり多種多様な音を出してて結構聴きごたえはあった。でも普通に怖い。

2019-09-13 23:26:40
Hg(水銀) @Hg0161324

ちなみにスタジオ盤のカノンパート、公式にアップされてるリリックビデオだとノアの方舟的な絵画が背景で流れてて余計怖い

2019-09-13 23:27:24
Hg(水銀) @Hg0161324

余談:有名な話、この曲はメイド・イン・ヘブンのアレを除けばクイーンで最長の曲であり、2曲目の虚ろな日曜日が最短の曲であるので、このアルバムにはクイーン史上最も長い曲の短い曲の両方が揃ったアルバムなのだ!まあかなり挑戦的なアルバムだし別に不思議ではないとも思えるが。

2019-09-13 23:29:13
Hg(水銀) @Hg0161324

あとクレジットに書いてある「Toy Koto」とは文字通り玩具の琴で、ブライアンがファンにもらったものを使ったらしい。本当になんでも使うな君ら。曲が終わった後には多分(弾いたことないので区別できない)爪弾きと思われるアコースティックギターと事の掛け合いがカノンパートとはまた別で

2019-09-13 23:29:51
Hg(水銀) @Hg0161324

というか結構耳に心地よく、昂った感情がスッと明鏡止水になっていく。このパートは曲の余韻を残すと同時に全くコンセプトの違う次の曲へと自然に繋げていく。これ本当に凄くて、流れが自然すぎてもはや一つの芸術だし、実際にオペラを「体験」させられる。

2019-09-13 23:31:02
Hg(水銀) @Hg0161324

9曲目『Love Of My Life』 フレディが生涯愛した人、メアリー・オースティンに捧げた曲。映画ではフレディがゲイであることを自覚しメアリーと破局するという文脈の大逆転を見せ主に私を恐怖の底に突き落とした。フレディのピアノとブライアンの本当に血眼になりながら弾いたハープの掛け合いが最の高

2019-09-13 23:32:11
Hg(水銀) @Hg0161324

フレディがメアリーに捧げたというところが一番大きくもあるけれど、実は割といろんな文脈に取れる曲。普通にちょっと女々しくてな男が恋人に待ってくれと歌う曲にも読み取れるし、ライブでの演出を考えるとファンに向けたメッセージとも読み取ることが出来る。まあ、そのあたりは聞き手の解釈次第

2019-09-13 23:33:00
Hg(水銀) @Hg0161324

ライブだとフレディは一切ピアノを弾かず、ブライアンが12弦ギターで伴奏を奏でる。これも映画で描写されたが、フレディが途中で歌うのをやめ観客に任せるのがお約束。サントラに収録されているバージョンは普通に泣けるので全員聞け。(謎に悲鳴をあげる女性とソロ中のブライアン!コールも見もの。)

2019-09-13 23:33:41
Hg(水銀) @Hg0161324

クイーンはライブバンドなのでレコードの再現は一切こだわらず、観客と意思疎通できるこの方法が完璧な手段だったため、82年にはフレディが完璧にピアノパートを忘れてしまっていたり。そのくだりで言うと、楽曲中のハープ演奏はブライアン曰く「ステージで絶対やるもんか!ぜぇーったいだ!(超意訳)

2019-09-13 23:35:46
Hg(水銀) @Hg0161324

なんでもドアが開いて気圧が変わる度に音程が狂ったそうで、神経質なブライアンにとっては多分賽の河原よりももっと酷い地獄であったのかもしれない。知り合いのハープ奏者に軽く聞いてみると「そんなことは無い」と言ってたと思うのでもしかしたら時代なのかもしれない。詳しい人教えてくらはい

2019-09-13 23:37:05
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