ぱすイカ二次創作⑪

ぱすかる❄ @pascal_syan

「……やはり、そういうことなのですね。今回の大会は……」 「おっと。まだお前には、何も言ってなかったはずだが？」 「察しはついております」 しばしの間、静寂。 「……俺も歳だ。なんとか誤魔化してきているが、そろそろガタが来てもおかしくないだろう。」

ぱすかる❄ @pascal_syan

ナワバリバトルは、若者の、いや……「若者にしかできない」スポーツ。 14歳からヒト形態に変身することができるので、そこが始まり。 歳をとるにつれて、徐々にインクの回復力が落ちていき……ナワバリバトルをすることが、できなくなってしまうのだ。

ぱすかる❄ @pascal_syan

そうなれば、否応なしに引退せざるを得なくなる。シグルイの超人的な身体をしても、限界からは逃れられない。いずれ、「終わり」が来るのだ。 そうなる前に、この名を継ぐ者を探さなければならない。死狂いの名にふさわしい、とびっきりの強者を……

ぱすかる❄ @pascal_syan

サイキョー杯。参加資格はナワバリバトルを一度でもしたことがある人、と、とても低いものだ。 低くなければならない。世の中に潜む、まだ見ぬ強者とまみえるためには。 優勝賞品のひとつ、「サイキョーになる資格」。 その言葉が意味するものは……

ぱすかる❄ @pascal_syan

「……俺は」 オクトーが口を開く。 「あなたがどのような名でいようとも、あなたの右腕であり続けます」 「ふふ、その言葉を待っていたぞ」 「俺が継ぐわけには、いきませんから」 オクトーは微笑む。 「なんだ、いらないのか？候補が出なかったら、お前に譲ろうと思っていたのに」

ぱすかる❄ @pascal_syan

「ご冗談を。あなたはそれを望んでいないはず」 シグルイは、それには答えなかった。 サイキョー杯。 ハイカラスクエアの若者にとっては、とにかく大きい大会、といった認識だろう。 だが、大会の裏で動く思惑は、誰も知る由がない。 決勝戦を終える、その日までは……