親から甘えられた子どもは自他境界が曖昧になる SMマトリックス概論5
転移というのは自分と親の関係を、自分とパートナーの間に見る。パートナー選びにおいても、どことなく自分の親と似た要素を持つ相手を選びがちになる。そして、親から得られなかった愛を、親と似たパートナーと再度関係をやり直すことで取り戻そうとする。#SMマトリックス pic.twitter.com/iz0LAJqOoa
2019-09-18 01:42:45転移が起こると、実際のパートナーの言動とは違ったものを勝手に読み込む。親への想いをパートナーへと投影するからだ。パートナーには青天の霹靂だ。やってもいないこと、考えてもいないことを責め立てられる。でも転移を起こしている本人には確かにそのように見えているのだ。#SMマトリックス
2019-09-18 01:45:46実際のパートナーシップは親子関係ではない。大人同士の独立した対等な個人の関係である。それぞれが違った人間であり、異なる個性、思考、感情を持ちつつ、共存していく。そのためにはお互いの違いを認めて尊重するソフトな感覚が必要になる。#SMマトリックス pic.twitter.com/6xgeQZfj8M
2019-09-18 01:53:42だが転移が起きていると、無自覚の内に自分は子どものポジション、ハード支配Мに入り、ハードな支配性がむき出しになる。無自覚の内にパートナーに対して、本来は親に向けたかったはずの大きな期待をかける。そして、それに応えてもらえないと愛されていないとひどく傷つき、憤慨する。#SMマトリックス pic.twitter.com/0NEt8PQrF6
2019-09-18 02:02:03非常に幸運なケースだとパートナーに恵まれ、パートナーとの関わりの中で、親から得られなかった服従S対応、これを愛情やサポート、善意などと呼んでもいいかもしれないが、そういったものを十分に得られ、癒されていくことがある。パートナーが親代わりをしてくれたケースだ。#SMマトリックス
2019-09-18 02:07:20子供時代に親に甘えられて苦労している女性が包容力のある男性パートナーと付き合って回復していく話はわりと聞くのだけど、男性が包容力のある女性パートナーと付き合って回復していく話はわりと少ない。女性の方が出産育児を控えてパートナーへの期待が大きく評価がシビアなのかも。 #SMマトリックス
2019-09-18 14:35:58女性が母とはうまくいかず、父とはさほど問題がなかった時には、男性パートナーに癒される率が高く、父とうまくいかなかったときには男性パートナーに転移を激しく起こしてしまうために関係がうまくいかなくなりやすい、という仮説を聞いたことがある。確かにそれはあるかもしれない。#SMマトリックス
2019-09-18 14:44:48親に甘えられた子どもたちによる子育て
癒されない想いをハード支配М的欲求として抱えたまま、子を持ち、子育てに入る人もいる。彼らの満たされない甘え欲求が時には子どもへと向かう。自らも親に甘えられ苦しんだが、自分が親に回っても、また気づかぬうちに繰り返してしまう。悲しい負の連鎖がそこにある。#SMマトリックス pic.twitter.com/MyUlpDUr00
2019-09-18 02:10:54子に甘える親は、子離れをすることができない。自らがハード支配Мのポジションを占め、子をハード服従Sのポジションに回して、子どもから満たされない自分の想いを少しでも慰撫してもらおう、ケアしてもらおうと切実に強く思っているからである。#SMマトリックス pic.twitter.com/InbXTClyl2
2019-09-18 02:22:56親が過剰に子どもを甘やかすとき、なぜそれは親が子どもに甘えていると言えるのか?親は「子どもから愛されたい」という強い支配M的欲求を持ち、その実現のための操作的手段として過剰に甘やかしているからだ。一見、服従Sに見えても根本の欲求の在り方が支配M、にある。#SMマトリックス pic.twitter.com/m29zUkPvXm
2019-09-18 02:35:48親が子どもに習い事や勉強などをスパルタでやらせて少しでも優秀にさせようと躍起になるのも、度を過ぎれば支配M的欲求、甘え欲求である。親が「優秀な子の親」というセルフイメージをもちたいがため、子どもに自己実現の片棒を担がせる。子ども自身がそれを望むかは問題とならない。 #SMマトリックス pic.twitter.com/hcwop7wsmP
2019-09-18 02:51:03100%幻想と自他境界
※内容は以下の書籍を全面的に参考にしています。
崔炯仁『メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服』星和書店
@mentane 「子どもなのに親の役割をやらされることになる。その結果、親に対する100%幻想を捨て去ることもできない。」 ここがよくわかりません。 甘えられないことと親に対する幻想を捨てられないことがどう繋がるのかをもう少し詳しく解説して頂きたいです。
2019-09-18 02:32:23親子が逆転していない、子が親に甘えられる状態で育った子は、自分の望みを自覚する能力を伸ばす。赤ん坊の時は全てを察してくれた親だが、成長と共に子の望みも多様化し、全てを察してくれるわけではなくなる。子どもは自分の望みを明確に自覚し、言葉で親に伝える必要が出てくる。#SMマトリックス
2019-09-18 02:59:42また、言葉を使って自分の望みを親に伝えれば、親もできる範囲でその実現に向けて手を貸してくれる。だからこそ、自分の望みを自覚し、言語化する能力が発達していく。#SMマトリックス
2019-09-18 03:01:37一方、親子逆転状態、つまり、親が子に甘える状態で育った子どもはどのように育つか?子の望みはいつでも親によって無視される。重要なのは親の望みである。それも「~ちゃんはこうしたいんだよね?」とあたかも子の望みのようにして、親は自分の望みを押し付けてくる。#SMマトリックス
2019-09-18 03:03:27このような状態では自分自身の望みを自覚し、言語化する能力は育たない。もし仮に自分の望みを自覚したとしても、それは決してかなわぬ望みであるし、親への反逆ともなる。このようにして、自分の望みと親の望みを混然一体、まぜこぜにしたまま成長していく。#SMマトリックス
2019-09-18 03:05:45これは言うならば、心がまだ言葉を理解できない赤ちゃんの状態に近いということである。心の言語化、メンタライズ不全状態だ。自分が本当に何を望んでいるのかも自分ではよくわからなくて、親の方が自分の望んでいることをわかっているのかもしれない。#SMマトリックス
2019-09-18 03:09:04子が親に甘える健全なケースに話を戻す。子は親との関わりに十分満足しながら、自分の望みを言語化できるようになる。そのとき、気づく。「いい親だからといって、自分の悩みを全て解決できるわけじゃない。寄り添って見ていたり、できる範囲で手を貸してくれるが、全ては無理なんだ」#SMマトリックス pic.twitter.com/znc4Lhr7f0
2019-09-18 03:29:34このようにして適切に子が親に甘えられると、100%幻想が無くなっていく。親とはいえ、自分とは異なる他人であり、自分のことを全て理解することなどは無理なのだと心の底から実感する。また、そのこと自体に取り立てて無念さがない。極めて当たり前のこととしてそれを受け入れる。#SMマトリックス pic.twitter.com/e4ljJMV0Lh
2019-09-18 03:32:17自分の感情や思考が言語化され(メンタライズ)、親密かつ健全な関係が身近にあるとき、自他境界がわかり、その内側は決して他人には代わってもらえないと理解できる。自分を100%理解して、いつでも助けてくれる、苦しみを代わってくれるような存在はいないとわかる。#SMマトリックス pic.twitter.com/his0wPY9uJ
2019-09-18 03:38:37一方、親が子に甘える状況下で育つと、先に述べた通りメンタライズ不全であり、親との関係性も混乱しており、自他境界がわからない。境界が見えず、その内と外が連続している。#SMマトリックス pic.twitter.com/oBtK1RSz7i
2019-09-18 03:57:02自他境界が見えず、そばに近づいてくる人がいると「私の人生の苦悩を丸ごと抱え込んでくれるのではないか?」という100%幻想が広がってくる。その背景には「自分は親がああいう状態だったから、そのように抱えてくれる存在が得られなかっただけだ」という思いがある。#SMマトリックス pic.twitter.com/wOWRn38XC4
2019-09-18 04:00:46また自分自身も親から甘えられ、自他境界を越えて丸抱えをしてもらおうと利用されてきたので、それが幻想ではなく実現可能な期待だと感じてしまうのは仕方がないところがある。#SMマトリックス pic.twitter.com/FnX9UrJDPg
2019-09-18 04:03:39