【インスリンと肥満の大事な話】「日本人で体重100キロ超えるのは才能ないと無理」というツイートに、専門医が解説!【追加その2あり】

糖尿病予防にも、ダイエットにも、参考になるお話しだと思います。 後半には、食後の血糖値の上昇とインスリンと肥満・糖尿病の関係についての解説ツイートをまとめました。
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NK細胞 @nkcell_dm_endo

食後の血糖上昇およびインスリン分泌と体重の関係について。 食後は当然血糖値は上がります。 それを抑えるためにインスリンが分泌されます。 血糖値が上がり始めたすぐのインスリン分泌の急上昇をインスリンの初期分泌と言います。

2019-06-27 18:17:01
NK細胞 @nkcell_dm_endo

糖尿病の前段階や軽い糖尿病の場合、この初期分泌がまず低下します。 また日本をはじめとするアジア人種は元々インスリン分泌が弱い事が知られており、当然初期分泌も弱いです。 初期分泌が弱いと、上昇するのをまず血糖値に先を越され、あとを追うようにしてインスリンの分泌が上昇します。

2019-06-27 18:17:02
NK細胞 @nkcell_dm_endo

後追いになるとより高い血糖値を抑え込むためによりたくさんのインスリンを要することになります。 遅れて出過ぎの状態に今度はなります。 その結果、食後数時間して食べる前よりも血糖値が下がるケースがあります。 特にこのメカニズムが原因で起こる低血糖を反応性低血糖といいます。

2019-06-27 18:17:02
NK細胞 @nkcell_dm_endo

そのため反応性低血糖は、初期分泌の弱い、糖尿病になりやすい方もしくは初期の糖尿病の方に起こりやすいと言えます。 この、初期分泌不良後の遅れたインスリンの過剰な分泌(遅延過分泌)の状態の方は実はけっこう多いです。 軽度肥満体型寄りの方は特に要注意です。

2019-06-27 18:17:03

インスリンの働きについての解説:どういう時に太るのか?

NK細胞 @nkcell_dm_endo

ここでインスリンの働きを考えてみましょう。 インスリンの働きとは何か。 血糖値を下げるホルモン、確かにそれは正しいです。 ただ、これは血液中の糖濃度の側面からしか見ていない働きとも言えます。 糖は決して消えて無くなっているわけではないのです。

2019-06-27 18:17:03
NK細胞 @nkcell_dm_endo

これを全身の細胞の視点から見てみましょう。 糖は決して消えてなくなる存在ではないのです。 インスリンが作用した糖質は血液中から消えて無くなるのでは無く、血液中から全身の細胞内へ移行して血糖値を下げているのです。

2019-06-27 18:17:04
NK細胞 @nkcell_dm_endo

こうして、全身の細胞たちは糖という栄養を得て、血液中からは糖が減り血糖値が下がるわけです。 では太るのはどういった時に起こるのか。 全身の細胞に対して栄養が過剰になると、栄養を脂肪の形で蓄えることが出来る脂肪細胞へと余剰な栄養が流れます。

2019-06-27 18:17:04
NK細胞 @nkcell_dm_endo

豊富な栄養を脂肪細胞が受け取れる状態になると脂肪細胞は大型化します。 これが太る時のメカニズムです。 太るためには脂肪細胞が過剰な栄養を受け取れる状況でないといけません。 なので太るためには、過剰な栄養と、それを細胞内に運び込める十分なインスリンが必要になります。

2019-06-27 18:17:05
NK細胞 @nkcell_dm_endo

逆に言えば、栄養とインスリンのどちらか一方でも欠ければ太れなくなります。 栄養量が一緒ならば、インスリンが過剰になり過ぎない方が太りにくいです。 インスリンの初期分泌不良後の、遅延過分泌は太りやすいパターンとも言えます。

2019-06-27 18:17:05

では太りにくくするためには……?

NK細胞 @nkcell_dm_endo

となると、太りにくくするためには、インスリンの分泌が追いつかないような速さで血糖値を上昇させないことが大事です。 そのためには ・ゆっくりよく噛んで食べる ・主食類を後に食べる ことが効果があります。

2019-06-27 18:17:06
NK細胞 @nkcell_dm_endo

いわゆる低GIダイエットもこれと同じことです。 GI値とはグライセミックインデックスのことで、簡単に言えば、食材の血糖値の上がりやすさのことです。 GI値が低い、すなわち、血糖値が上がりにくい食材を選び、インスリンが過剰に分泌されないようにして太らないようにする手法です。

2019-06-27 18:17:06
NK細胞 @nkcell_dm_endo

また遅延過分泌状態になると、最終的には膵臓に求められる仕事量が多くなりますので、膵臓に負担をかけないためにも血糖値を急激に上げないことが重要です。 日本人は膵臓のインスリン分泌能力が低いので、将来的にインスリン注射を要するような糖尿病にならないためには膵臓を労りましょう。

2019-06-27 18:17:07
さく @v1gg_t

@nksensei_endo 為になるツイートありがとうございます。一つ教えて頂きたいのですが、胃での消化には3-5時間要すると読んだことがあります。すると一回の食事内容は殆どが胃の中で混ざり合い、食する順番は意味を成さないのではと思うのですが、実際は如何なのでしょうか?

2019-06-27 20:46:32
NK細胞 @nkcell_dm_endo

@v1gg_t それは食後胃が完全に空になるまでの時間だと思います。実際、食後1時間もしないうちから血糖値も上がり始めますので、小腸からの吸収が既に起こっていることの証かと。基本的には先に食べたものから胃排出が起こると考えて良いと思います。

2019-06-27 21:35:54
さく @v1gg_t

@nksensei_endo 成る程、来た順に胃や小腸は処理をしていく為やはりその順番で分泌されるものも変わっていく訳ですね 疑問が解消しました!丁寧な説明ありがとうございます😊

2019-06-27 21:51:25
NK細胞 @nkcell_dm_endo

@v1gg_t いえいえ、参考になりましたら幸いです😊

2019-06-29 15:16:10
Ri-i @Rii_1dm

@nksensei_endo 1型糖尿病です。 インスリンを打ってから食事をしています。 主食を後にしようとは思うのですが、後にしているうちに血糖値が下がってきたら…という不安から、結局ご飯から食べてしまいます。 タンパク質、繊維質、それから主食。インスリン注射からどのくらいの時間があくのが理想とお考えでしょう?

2019-06-28 13:40:49
NK細胞 @nkcell_dm_endo

@Rii_1dm 基本的に個別の症例にはお答え致しませんので、あくまで一般論としてお答えします。 血糖値は食事開始後、皆さんが思っている以上に早く上がることが多いです。 会席料理などの様に、一品一品ごとの間隔が空くわけでなければ普通に最初のメニューを食べ始める食事開始の直前の注射で良いと思われます。

2019-06-29 15:53:02
土屋志乃 @shino_tsuchiya

@nksensei_endo マクドナルドばかりの生活をやめようと思いました。

2019-08-01 23:08:19

追加パート:肥満と糖尿病発症の関係性のお話

NK細胞 @nkcell_dm_endo

今日は肥満と糖尿病発症の関係性のお話。 日本は欧米に比べると肥満は少なく、あったとしても軽度です。 しかし、糖尿病の発症は多いです。 太っていないから自分は糖尿病は大丈夫とは言えないのです。 そのあたりの関係性について今日は述べてみたいと思います。

2019-06-29 18:18:13
NK細胞 @nkcell_dm_endo

先日のツイートでは、食事の順番と血糖上昇や太りやすさとの関係について述べました。 今日は太ること自体の血糖値への影響についてです。 一連のツイート内で太るためには過剰な栄養と十分なインスリンが必要であると述べました。 twitter.com/nksensei_endo/…

2019-06-29 18:18:15
NK細胞 @nkcell_dm_endo

食後の血糖上昇と食事について少し述べてみます。 食べた後に血糖値というのは当然上昇します。 蛋白質や脂質でも上昇はしますが、炭水化物類による上昇が1番大きく、栄養素の比率としてもその割合が大きいため、1番ポイントになります。 血糖値の上昇の仕方は、食べる順番と関わりがあります。

2019-06-27 18:16:57
NK細胞 @nkcell_dm_endo

つまり、言い換えると太れる方は十分なインスリン分泌の能力を持っていると言えます。 太れるのは一種の能力であるとも言えるのです。 平均的にみると、アジアの人達と比べると欧米の人達の体型って大きいですよね? これは人種間でのインスリン分泌能の差を示していると言えます。

2019-06-29 18:18:15