エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~5世代目・後編3~
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「ガティの生国では…珈琲は心弱き人を奴隷にすると言われた。故に修行を積んだ一握りの僧だけに許された秘薬であった。もし世界を珈琲が支配するなら、珈琲の奴隷となるものもあまたあらわれよう」 「悪くない話やな。ウチは儲かる」 「さすがに三日月の商人(あきびと)だ」
2019-10-26 23:18:34「せやけど、なんでウチやのうてあの影の国の男についてくことにしたん」 「王に挑み、勝ったのがあのものだからだ」 「ウチかて今日は王と勝負しにきたんやで」 「だが勝ったのはあのものだ…それは偶然ではない」
2019-10-26 23:20:10香料商は珈琲の伝道に肩を目配せしてみせる。 「ま、そのうち振り向かせてみせるさかい。ところで王はほんまに奴隷をみんな解放して、新たに作るのをやめると思うん?」 「ああ。そうするであろう。影の国を恐れるがゆえに」 「影の国。ま、聞いたことあるけど」
2019-10-26 23:22:25口髭の商人は、宮殿に満ちる香木の煙を吸って快さそうに伸びをする盲目の船長をうかがう。 「ええで。今日はじぶんの勝ちや。せやけど、世界一の船乗りで商人はこのウチ、ディヴァや!次は鼻をあかしたるでオズロウ!」
2019-10-26 23:24:46かなり距離はあったが、まるで聞こえたように暗い膚の若者は振り返る。 「ディヴァはーん!空飛ぶ絨毯だしたってやー!」 「あーもうありがたみない!待ってや!」
2019-10-26 23:25:34そんなこんなでまたも乗員をひとりゲット。 次いでにまた一つの国の滅びが決まった気がするが、きっと新たな国が一つ興るだろう。未来の王たるべき少年は、鼠を追い散らす不思議な木の笛を持ち歩く。
2019-10-26 23:27:49辺境に赴任していた奴隷戦士が、優れた軍将となり、強敵として立ちふさがるだろうが、まあそういうのは全部、オズロウには直接は関係してこない。 さてさて。次に我等が盲目の船長がめざすのは安息の国。 西方諸国をはるかにしのぐ勢力を持つ三つの大国の一つ。
2019-10-26 23:31:08持っている軍の大きさも工芸の巧みさも、魔法だってはるかに優っているが、でも世界の北西のはしっこで光だ闇だと力んでどんぱちやってる連中にかまっていられないのだ。
2019-10-26 23:34:43いろいろ大国には大国の悩みがある。 でもそれもオズロウには関係ない。関係あるのは安息の国の薔薇水や薔薇油。水や油に花のにおいを閉じ込める不思議な技だ。
2019-10-26 23:35:43次回。「オズロウの世界いい男ええ男」シリーズは 「誰でも泥で理想の男を作ってセックスできる秘密の青魔法がすごい!。でもこれ高度なオナニーだよな」 乞うご期待!
2019-10-26 23:39:06次の話
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