貨幣の価値は何から生じているのか？ ――MMTの説明に対抗して

しろうと @sirouto

「買う」という行為は、金を商品に投票している、という風にも解釈できる。

しろうと @sirouto

この言い方が不自然だと思うなら、「不買運動」をイメージして欲しい。

しろうと @sirouto

「不買運動」では、投票に近い政治性が生じている。ここでは貨幣が意思表示の手段になっている。

しろうと @sirouto

しかし、不買運動に限らず、商品の購入は投票のようなものだと、一般化して考えればよい。

しろうと @sirouto

別に不買運動でなくても、客に買われない商品は、市場から淘汰されていくからだ。

しろうと @sirouto

つまり、民主主義と自由市場を、同じような構造のシステムだと私は見ている。

しろうと @sirouto

さっきは商品を投票行為に見立てたが、逆に見ることもできる。

しろうと @sirouto

ある政党や政治家を選んで一票を投じることは、「政策を購入する」ことと見立てることができる。

しろうと @sirouto

有権者の利益を実現するために、民主制や選挙制度があるはずなので、そんなに大きくは外れていないはずだ。

しろうと @sirouto

さて、商品を買うだけでなく、「貨幣を買う」という、さっきの見方をもう一度適用してみよう。

しろうと @sirouto

外国為替では、円やドルやユーロなど、複数の通貨から選んで、「金で金を買う」ことができる。

しろうと @sirouto

それは、「通貨に対する投票」のようなものだと解釈することも可能だろう。

しろうと @sirouto

ところで、ここで読者は疑問に思うかもしれない。なぜ、投票というたとえを用いて、二重に例を説明するのか？

しろうと @sirouto

それはこうだ。議員が選挙で選ばれる、というのが民主主義の基本だというのは、みんな分かっている。

しろうと @sirouto

しかし、国際的な貿易や為替があることで、それを通じて、海外からもある種の「投票」を受けているようなものなのだ。

しろうと @sirouto

そして、この見方は、「MMT」の一国経済でだけ成立するような、視野の狭さを浮き彫りにする。

しろうと @sirouto

インフレ（率）が市場の需給関係で決まるとして、ハイパーインフレは単にその延長線上にあるわけではない。

しろうと @sirouto

ハイパーインフレは、その国の財政や、通貨への信任が毀損された時に起こる。

しろうと @sirouto

ハイパーインフレが課税によって制御できないのは、通常のインフレと仕組みが違うからだ。

しろうと @sirouto

さっきの選挙や投票の比喩を使うなら、ハイパーインフレは、通貨が「不信任」を喰らったような状態なのだ。

しろうと @sirouto

売買をひっくり返して金を買うということ、市場と投票を重ね合わせることと、二重の例で説明した。

しろうと @sirouto

そのことによって、貨幣の価値と、ハイパーインフレという非日常的な現象が、なぜ生じるか明確になった。

しろうと @sirouto

また、一国経済から多国間経済に拡張した時、課税説よりも交換説の方が応用が利くだろう。

しろうと @sirouto

なお、冒頭で言った通り、私の説は『貨幣論』に影響されている。

しろうと @sirouto

ただ、『貨幣論』は、マルクス主義との関係で考えていて、議論が煩雑になるので、ここで内容は詳しく紹介しない。