反出生主義の喝破方法を模索する前に､まずは出生主義を自分なりに喝破してみた

いよかんドール @gSacqZctcnyygx9

まず反出生主義については前回の考察記事に載せている前提知識や概要､反論等で既に述べているのでそちらを参考にすればいい話なんですが､その一方で出生主義の方は恐らく｢そう言えばあまりその言葉自体を聞いたことがないな……｣と思う人が多いでしょう｡

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とは言え出生主義の定義を明確にしないまま放置したら話が進まないのは分かり切っているので､とりあえず｢出生主義｣で検索した結果から出たページの中で出生主義の定義になり得そうなヒントを頼りに出生主義を定義付けてみたらこんな感じになりました｡

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【反出生主義の対極に位置する思想である出生主義の定義とは？】 ･｢人類や社会の存続｣を保障する為に出産や育児を促進することを是とする

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･そのうち人類の存続については人類を含めた生き物が繁殖を通して命を繋いでいく存在であることを第一の根拠としている ･また人間社会を存続させるには積極的な育児支援等を通して人口を維持する為の金銭的及び社会的優遇措置が必要だと考えている

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･中には中絶や避妊に対して何らかの制限を設けようと呼びかけている輩もいるが､勿論それが実を結ぶかどうかは別の話 ･要するに出生主義の主張を一言で言うなら｢この世に生を受けた者は皆子供を作るべき｣ってこと

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……まあ御覧の通り出生主義の内容はごく普通に考えれば本当に｢そりゃ当たり前だろ｣としか言いようがないものばかりです｡ 特に｢人類や社会の存続の保証｣に関してはそれ自体が人間社会を維持していく上で非常に重要な前提であるのは最早疑いようが無いでしょう｡

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んで､自然界を見渡してみると実に様々な生き物達が自ら置かれた環境の中でそれぞれ異なる生存戦略を基に種の存続を図っていることがよく解りますが､

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先程述べた人間社会を維持する前提を踏まえると人類は｢文明の発展等を通して社会性を高度に発展させること｣を種としての生存戦略にしたと言えます｡

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その後どうなったかと言えば｢人類は文明発展のおかげで多くの個体を生かせるようになった｣という事実が先述の生存戦略の成功を物語っている訳です｡

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それどころか今や自然界では最早敵無しの存在にまで大出世したことも考えると､ぶっちゃけ今の人類は種としては生物史上稀に見る繁栄を享受していると言っても良いでしょう｡

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また人間社会に目を向けても､よく考えれば数多く存在する複雑な制度や各地に建てられている多様な施設等を活用しているのは言うまでも無く私達人間であり､

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その人間の総数である人口を維持するには移民に頼る場合でもない限り必然的にある程度子供の数を確保しないといけないのは誰がどう見ても明白です｡ 当然ながら子供の数を確保するには育児環境をしっかりと整えるだけでなく､その前段階である恋愛や結婚に関する積極的な支援も必要になってきます｡

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更に言えば出生のきっかけを作るのは人間に限らず全ての生き物が子孫を残す際に行う繁殖行動であり､その行動自体は生き物全てが共通して持っている生存本能に基づいています｡

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勿論実際には本能と理性が一緒に備わっている生き物も存在していますし､種によっては人間のように理性による行動への干渉が強かったりしますが､それでもどんな生き物だっていくら理性が重要視されようが生存本能無くしては生きていけないのが現実です｡

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そして本能や理性をまともに機能させるには筋肉と同じく日々鍛え続けることが必要だということも決して忘れてはなりません｡ 特に本能を鍛えることに関しては先程述べた｢育児環境の整備｣や｢恋愛･結婚の支援｣を上手く成功させる為の必須条件だと言っても過言では無く､

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それを怠ってしまうと早い話が幼いうちに食料獲得や生産活動の喜びを知らずに育ったせいで生産や労働に意義を見出せない大人が出来上がるという恐ろしい事態になってしまいます｡

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つまり逆に言えば先述の出生主義の定義で触れた｢人口を維持する為の金銭的及び社会的優遇措置｣の実行は生理的にも理に叶っていると言えるのです｡ 以上の要点を纏めると､出生主義は人間が元来備わっている生存本能を肯定的に捉えて突き詰めていく思想だと理解して頂ければいいかと思います｡

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さて､ここまでなら出生主義こそ反出生主義への反論として最適な材料に相応しいように思えますが､ハッキリ言って当の反出生主義者の反応を見た限りではやはり出生主義も反出生主義と同じくいくつかの致命的な弱点を抱えていると言わざるを得ません｡

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その具体例を大まかに挙げると大体こんな感じになります｡ 【出生主義が抱えている致命的な弱点の一例】 ･各世帯の家庭事情次第で人生の行方が激しく左右されることや､種の繁栄が必ずしも個人の幸福には繋がらないことが考慮されていない

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･闇雲に新たな命を生み出せば物事が解決するとは限らず､むしろそれが余計に事態を悪化させてしまうことも有り得る ･元々が人間の本能を第一に尊重する思想である為､下手に反出生主義者を敵に回すと感情論や人格侵害に走ってしまう恐れがある

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まず1番目の弱点を要約すると､出生主義は人類や社会の存続を最重視するという性質上どうしても個人の尊重が軽視されがちになりやすいと言えます｡

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んで､この｢個人の尊重｣というのは実は｢共通の目的｣や｢規範｣､｢共同｣と同じく家族や民族､企業､国家等と言ったあらゆる社会集団を存続させる為に必要な要素の一つになっています｡