『アニメを殺す経営』――悲惨なマネジメントが押し潰す日本のクリエイター業界に必要なもの――
- karaisan123
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可読性向上のため、前から考えていたnoteでの同時投稿を行ったのだ。普通の口調で読みたい方はこちらでどうぞ、なのだ。 note版(通常文体・標準語) note.com/karaisan/n/n7f…
2020-01-05 19:30:34長いので、最後まで読むのは面倒だと思うのだ。けれどもし、あなたが日本のアニメを百年後も殺したくないと願うなら。どうか最後まで読んで欲しいのだ。
2020-01-06 08:03:21喫緊のテーマであるために、前置きは今回後に回すのだ。長いけれど、すべての関係者やアニメファンの方にとって参照可能なように、関連するほぼすべての事柄について引用するか解説をしたつもりなのだ。 アニメ製作業界、及び国内のコンテンツ産業の現状分析と、それに対する提言なのだ。
2020-01-05 19:30:59今回のテーマは、「『アニメを殺す経営』――悲惨なマネジメントが押し潰す日本のクリエイター業界に必要なもの――」なのだ。
2020-01-05 19:31:06『アニメを殺す経営』――悲惨なマネジメントが押し潰す日本のクリエイター業界に必要なもの――
庵野秀明監督の告白と、明らかになったガイナックスの破滅的経営
まず、状況整理から。株式会社カラーの代表取締役であり、『新世紀エヴァンゲリオン』『シン・ゴジラ』などを手掛けた映画監督でもある庵野秀明氏が、ダイヤモンドオンラインに寄稿した記事が12月30日に公開されたのだ。
2020-01-05 19:31:12概要としては、『エヴァ』の成功の後、多額の収益を得たアニメ制作会社ガイナックスが過剰すぎる放漫・浪費経営を行い、庵野監督の離脱後も『エヴァ』による収入を上回る赤字を積み重ね、多くの作品の版権や庵野監督在籍時の貴重な資料などを売り払っていた、という内容なのだ。
2020-01-05 19:31:18以下がその記事なのだ。 【庵野監督・特別寄稿】『エヴァ』の名を悪用したガイナックスと報道に強く憤る理由(ダイヤモンドオンライン) diamond.jp/articles/-/224…
2020-01-05 19:31:24また、それに関連する記事や反応を同日にまとめた記事が以下なのだ。 ガイナックス報道に憤る理由を綴った『庵野秀明の手記』に心痛める流れ…「ゲームはそういう理由が」「島本和彦との関係がエモい」など(Togetter) togetter.com/li/1449262
2020-01-05 19:31:31こうした『優れた創造性を破壊する経営の失敗』という事例は日本には数え切れないほどあって、要するに長所と短所の話だとは思うのだ。ただ、この事例はその代表例に成り得るほどに、あまりにも酷いのだ。
2020-01-05 19:31:39発揮された創造性が世界に名を残すほどに優れていた点と、行われた経営がそのすべてを食い潰すほどに破滅的であった、というギャップの大きさが、なのだ。
2020-01-05 19:31:45「経営者」という存在の持つ意味
日本では経営者は嫌われる側なので、経営なんてそんなもん、と思うかもしれないのだ。けれど経営学を学んだ者として、カライさんは経営という概念が極めて重要であると感じるのだ。そして、魅力的だとも。
2020-01-05 19:31:52王様が統治する社会では、王様がゴミと言った作品はすべてゴミなのだ。けれど資本主義社会においては、その作品を素晴らしいと感じてお金を出す人がいれば、そこに価値が生まれるのだ。そしてその作品は、世に広がるかもしれないのだ。
2020-01-05 19:32:02経営者とは、作品を守り、支え、育てる者なのだ。現代の資本主義社会においてはインターネット等の普及によってとても高度な流通システムが成立していて、非常に多くの可能性があるのだ。世界にだって羽ばたけるのだ。 それを行う専門家こそ、経営者なのだ。
2020-01-05 19:32:11あらゆる分野の優秀な経営者は、現代の社会構造を学び、経営における蓄積された知識と技術を吸収し、自らの企業が置かれた状況を分析して、最善となる戦略を実行するのだ。
2020-01-05 19:32:20そしてその結果からまた考え、常に変化する世界に対応しながら、従業員や商品の生みだした価値を世の中により良い形で届けることを考えているのだ。
2020-01-05 19:32:22お金持ちで、欲望の塊。私腹を肥やしてばかり。そう見えるかもしれないのだ。 けれど経営者として企業を存続させていくことは、並大抵の行為ではないのだ。自らの知識や判断が甘ければ、何十億という損失が発生し、何百人という社員の人生を破滅させてしまう重責が常にその背にはあるのだ。
2020-01-05 19:32:32人間であるからこそ責務を全うし、自分が成し遂げようと考えたことのために、限られた時間と能力の中で全力を尽くすのだ。
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