エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~8世代目・その10~

クソババアの失禁が書きたかった。 ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜マジッグアンドウィザーズネタトークにでもどうぞ
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まとめ 【目次】エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話(#えるどれ) 人間とエルフって寿命が違うじゃん。 だから女エルフの奴隷を代々受け継いでいる家系があるといいよね。 という大長編ヨタ話の目次です。 Wikiを作ってもらいました! https://wikiwiki.jp/elf-dr/ 21846 pv 167 2 users

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まとめ エルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系の話( #えるどれ )~8世代目・その9~ クソババア好きの気持ちが抑えられなかった。 ハッシュタグは「#えるどれ」。適宜マジッグアンドウィザーズネタトークにでもどうぞ 9203 pv 6

以下本編

帽子男 @alkali_acid

◆◆◆◆ この物語はエルフの女奴隷を代々受け継ぐ家系のウハウハドスケベご都合ファンタジー。 略して #えるどれ 。 このハッシュタグで元ネタになった各種ファンタジー雑談や、皆さんの描いて下さったイラストが見られますよ! 過去のまとめはこちらから読めます! togetter.com/t/%E3%81%88%E3…

2020-02-03 20:40:01
帽子男 @alkali_acid

さてさて。 魑魅魍魎の巣食う影の国に美しきエルフの女奴隷を捕え、代々の世継ぎを産ませてきた外道の一族、黒の乗り手。狂気と邪悪に満ちた血統にもついに裁きが下りました。 西方の善なる神々たる光の諸王の使節、白の伝道術師が小柄だが勇敢な種族、半丈とともに奇襲をかけ見事討伐に成功。

2020-02-03 20:44:56
帽子男 @alkali_acid

正義の執行人の統領たる媼(おうな)オローレイは、背の低い配下に命じて、黒の乗り手の骸から、力の源である魔法の指輪を奪い取ります。 「その指輪を影の国の心臓部、火の山にある滅びの亀裂に放り込めば、不滅の幽鬼と言われる黒の乗り手ももう蘇れない。急ぐよ」

2020-02-03 20:47:40
帽子男 @alkali_acid

遠目には子供のようにも見える忍のもの達は、しかしためらったようす。 「でもおばあさん。大丈夫なの?」 「顔色だって悪いし」 「さっきの戦いであんなに…」

2020-02-03 20:48:54
帽子男 @alkali_acid

白の伝道術師はふんと鼻息を吐く。 「あたしが、黒の乗り手に相対して小便をちびったことかい?腰を抜かしてへたり込んだことかい?ああそうさ。死ぬかと思ったね。勝てっこないと。そんなもんだよ戦ってのはね。糞と尿を垂れ流し、泣きじゃくって逃げ回ることもある。あたしは何度もさ」

2020-02-03 20:50:52
帽子男 @alkali_acid

一息にまくし立ててから、老婆はしかしぎらりと双眸を輝かせた。 「だけど最後に敵を殺して、生き残ったやつが勝ちなんだよ。覚えときな。あたし達は、影の国の太守、黒の乗り手と蜘蛛の女王を始末した。正面から挑んだら、歯が立ちっこないクソ化け物どもを、悪運とあがきでやっつけたのさ」

2020-02-03 20:53:19
帽子男 @alkali_acid

「だが…ここで臆病風に吹かれて引き返したら、あたし達がやったこたあ無になるんだ。黒の乗り手は必ず蘇る。次はそこに転がってるのよりもっと手強いクソ化け物ができてくる。そいつを止められるのはもう、光の諸王と唯一にして大いなるものしかいない。そうすりゃ世界を二つに割る大戦だ」

2020-02-03 20:55:20
帽子男 @alkali_acid

「あんた達穴居の民、旅の仲間だったミドリイシのような綺麗なエルフ、甲冑潰しみたいな勇ましいドワーフ、食い意地の張ったトロルに、こすっからいゴブリン、皆巻き込まれる。大地は割れ、大洋は煮え、大空は落ちる」

2020-02-03 20:57:11
帽子男 @alkali_acid

「世界が滅ぶかもしれないんだよ。いいかい。そうなる前に…あたし達がケリをつける。こいつが最後の機会だ。嫌ならついて来なくて良い、と言いたいところだけどねえ!そうはいかないんだよ。おちびども。あんた達があたしの頼みの綱だ。臆病でひ弱に見えるあんた達の、思いもかけない力だけが」

2020-02-03 20:59:08
帽子男 @alkali_acid

オローレイは半丈の群を見回した。 「この狭の大地じゃ思いもかけないことが起きる。絶対無敵のような強さを持つ力あるものが、連中からするとごくつまらない、小さきものに討たれる。どうしてそうなるのかは解らない。唯一にして大いなるものの計らい、と言いたいところだが、そんなんじゃない」

2020-02-03 21:00:46
帽子男 @alkali_acid

「とにかく、あたしにはあんた達が必要だ。ついてきておくれ。この影の国の…いや奥まで。あたしと一緒にね」 魔法使いの老婆の言葉を、小さな刺客の群はそれぞれ肯った。 「いいよ」 「魔法の指輪を滅ぼして帰ろう」 「うん。これで最後の冒険だ」 「そうだよ。終わったらあたし達の故郷へ帰ろう」

2020-02-03 21:04:10
帽子男 @alkali_acid

白の伝道術師ははじめて微笑んだ。寂しい笑いだった。 先に待つのが、半丈の里で聞かせた物語の冒険の大団円などではないのを承知していたからだ。しかしやはり決然と進みだした。黒の繰り手の指から切り落とした禍々しい呪具を伴に運ばせて。

2020-02-03 21:05:41
帽子男 @alkali_acid

隠れ蓑は一行を隠し、広大な影の国のよく整った道を無事進ませた。 荒野があるかと思えば突然穀倉があらわれ、密林が沼沢が砂漠が、次々と姿を見せては消える。 やがて鐘の音が響き渡った。 鳥獣が虫や魚や草木さえもが、嘆き始めたようだった。

2020-02-03 21:08:02
帽子男 @alkali_acid

「黒の繰り手が死んだ」 「影の国の太守が討たれた」 「千の綴織の作りしひと」 「万の麗衣を縫いしひと」 「もはや精霊の船団の帆を細蟹(ささがに)の指の刺繍が彩ることはないのか」

2020-02-03 21:09:47
帽子男 @alkali_acid

「夜ごと宵ごと変わる闇の侍女のお仕着せに新たな意匠は産まれないのか」 「我等の執政は逝かれた」 「女王帰ります日までこの地を預かるお方がまたひとり」

2020-02-03 21:12:03
帽子男 @alkali_acid

白の伝道術師は黙したまますべてをやり過ごした。 だが火の山が近づくにつれ耳に聞こえる言葉は変わってくる。 「女王の帰還は近い」 「影の国の虚ろの玉座に、今こそ闇の女王が戻られる」 「西の諸王に相対し、ただ一人我等の味方につく御方」 「女王の帰還は近い…」

2020-02-03 21:14:56
帽子男 @alkali_acid

オローレイは杖をきつく握りしめ、齢(よわい)を感じせぬ頑丈な歯を食いしばった。 影の国に入るまで背と腰に帯びていた鞘はとうに捨て去っている。すでに隠し国より伝わった妖精の双剣は失われ、光の玻璃瓶は蓄えていた星々の輝きのあらかたを解き放ってしまった。魔人を封じる呪具、縛夷鎖もない。

2020-02-03 21:17:50
帽子男 @alkali_acid

とうてい万全とは言い難いが、任務は遂行せねばならない。 火の山が迫ってきた。名前に反して煙は見えない。百里離れても見えると伝わっていた赤い溶岩の流れも。地熱のためあたりは暖かいが、耐え難いほどではなかった。

2020-02-03 21:19:47
帽子男 @alkali_acid

白の伝道術師は、登り口を探そうと景色を注意深く観察したが、取りこし苦労だった。 都市があった。 岩の小山のごとき壮麗な建物があまた並び、青白い肌と赤黒い肌の巨人が、にぎやかに暮らしている。

2020-02-03 21:22:22
帽子男 @alkali_acid

「おばあさん…」 思わず半丈の一人があえぐ。オローレイは返事をしなかった。 巨人。火の巨人と霜の巨人。まだ幼いものが多いが、しかし離れていても打ち据えられるような魔法の力をあふれさせている。

2020-02-03 21:23:47
帽子男 @alkali_acid

どうやって避けたものか考え込んでいると、頭上に影が差した。 見上げた忍のもの達は今度は悲鳴を抑えきれなかった。 竜。 何頭もの竜だった。まっすぐに天の高くを南から北へ飛んでゆく。一頭が口に咥えているのは内海に住む水の怪物の一種のようだった。

2020-02-03 21:26:19
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