財政の視角から見るフランス革命 ~もしくは『わかりやすいストーリー』の陥穽
- light_snow
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当時の「民」ってのは、領主の財産でもあったんです。正確に言えば「徴税権」ですね。「自分の土地に住んでいるヤツは自分のものなので、そいつらから税を取り立てる」権利も含めて支配に含まれていました。なので、革命政府、「そういうのおかしくない?」と、人権を旗揚げしました。
2020-04-09 21:05:58そうすることで、どこの貴族の領内に住んでいようが、「みんなフランス国民さ!」とすれば、「だから税金は領主じゃなくて国に払えや」になるのです。実はこういった内情が、フランス革命の前後にあったわけですな。
2020-04-09 21:07:53ただこういう薄暗い内情は表沙汰にできません。 民衆の支持によってなりたった政権は、民衆の人気を失えば崩壊します。実際革命政権もその後ぐちゃぐちゃになり、殺されまくったわけですから。 なので、わかりやすいストーリーを固めたわけです。
2020-04-09 21:09:28かくして出来上がったのが、 「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」なマリーアントワネットと、「錠前好きで世間知らず、自分も開発に関わったギロチンで首を落とされた暗愚で凡愚なルイ十六世」という、わかりやすいストーリーだったわけです。
2020-04-09 21:11:16どうでしょう、二百年近く前の話ですが、けっこう、身近で似たような話、聞きません?w pic.twitter.com/akmFXi71aU
2020-04-09 21:16:33説明後の応答
@sow_LIBRA11 有力層の徴税逃れを認めるのは洋の東西を問わず亡国の始まりですからね。 改革派の王様が話し合いの為に三部会を招集したのが原因で自分が殺されるなんて最高に皮肉ですよねw
2020-04-10 00:39:06@sow_LIBRA11 自分の暮らす共同体が滅ぶのに、自分だけは無傷でいられる訳ないとなぜ人間は気づけないのでしょうね。
2020-04-10 00:54:24@sow_LIBRA11 わかりやすい解説をありがとうございます! これに影響を受けたプラハ会議なども基本的にはブルジョワ層が権益を強化するためにナショナリズムを利用したもの……という卒論を書いたのを思い出しました。 ナショナリズムってのはそれを声高に唱える人ほど信じていない、というのが個人的な持論です。
2020-04-09 21:24:21@takeshikatsuyo1 右でも左でもね、「きれいすぎるものにはなんかしらある」と思ってしまいますね、実際あるんですわこれが・・・
2020-04-09 21:33:09@sow_LIBRA11 物書き趣味としては、そういう建前と本音のギャップを面白おかしく書けたら良いなあと思っています。
2020-04-09 21:39:22@sow_LIBRA11 悪だと思わされて倒した者は、実は巨悪と戦っていたものだった。 苦し紛れで都合良くファンタジーを生み出した。 ・・・という架空のような現実。 事後は話題にされないアラブの春も似たようなところがありますね。 わかりやすい解説ありがとうございます。
2020-04-10 06:53:27@S_Doichi 「悪のフセイン」を倒したと思ったら、イスラム国が勃興したものにも通じますな。 わかりやすい「悪」ほど、倒した後はたちが悪いんですよ。
2020-04-10 10:29:35@sow_LIBRA11 田沼意次の失脚、稲を食べる雀を退治した毛沢東、白人を追い出したジンバブエ、消費税を廃止したら税負担が増えたマレーシア。 庶民感覚だから煽動されやすいのも危険です。
2020-04-10 10:41:31@S_Doichi その「わかりやすさ」を軽視しすぎると、それもまた不幸を呼ぶんです。ここんとこの塩梅が、実は「まつりごと」の一番むずかしいところかもしれませんな。
2020-04-10 10:59:49