【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第268話「名医名患者」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第14巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」01】 第268話です。華陀回です。 関羽の策謀により、魏軍援軍はきれいに水に流されました。ついでに樊城も水浸し状態となっております。そのため、城兵もすっかり戦意を喪失してしまっていました。援軍がこなければジリ貧というのが籠城戦の辛い所。

2020-04-28 13:25:58
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」02】 ただ、樊城にとって幸いだったのは、この洪水のために関羽の陣も高地に陣変えをしたため、遠くに離れたことであります。動けない代わりに攻撃も受けない状態です。この状況を利用して、樊城守将の曹仁に城を脱出してはどうかという進言が行われます。

2020-04-28 13:28:10
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」03】 このままでは餓死か落城は必至。夜中にひそかに船で城を抜け出し、一時身を隠すのが賢明、と聞いた曹仁は、確かにその通りかもしれぬ、と船の支度をさせろと言います。しかし、これは城兵を見殺しにする策です。

2020-04-28 13:29:59
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」04】 これに対して反対する者が。名前は出てきませんが、吉川三国志では満寵となっています。城を捨てるのはとんでもない、洪水は10日もすれば水はひく。情報によれば許都以南も水害に侵され、飢えた領民が暴徒と化し、関羽もその平定に神経を使っていると。

2020-04-28 13:36:20
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」05】 しかし、この城はもう落ちかけているのだぞ、と弱気な曹仁に対し、魏王の舎弟であなたの動きは魏全体に大きな影響を与える。この城を捨てれば黄河以南は荊州の軍馬で平定されてしまう、それで国に帰れるか?魏王になんと言って顔を合わせるのか?と。

2020-04-28 13:38:36
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」06】 ここまで言われた曹仁は、自身の弱気を跳ね飛ばします。よく言ってくれた、お主の教えがなければおそらく自分は国家の大事を誤ったであろう、と諌めた者の手を握ります。この曹仁のいい意味での心変わりがこの後の展開に大きな影響を与えます。

2020-04-28 13:40:29
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」07】 曹仁は自分の愛馬を城壁に引いてこいと言います。籠城戦で馬は役に立ちませんが…。 城兵の前に立った曹仁は、激を飛ばします。自分は魏王の命を受けてこの城を守る役目を任されている。今、その覚悟を見せる、と。

2020-04-28 13:42:41
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」08】 これがわしの覚悟じゃ、と自分の愛馬の首を一刀両断。あわれ犠牲となった馬の首は水浸しになった城外へと落ちていきます。馬に乗って逃げることはないという意思表示でしょう。城を捨て逃げ出す者は誰とてこの通りだ、と曹仁は宣告します。

2020-04-28 13:44:28
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」09】 これを見た城兵たちは、若干引き気味な表情ではありますが、曹仁の気持ちを汲んで、自分らも命を捨ててこの城を守り抜くと誓うのです。馬一匹の犠牲で、樊城はもうしばらくは持ちこたえられることになりました。

2020-04-28 13:46:20
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」10】 一方、于禁を生け捕り、龐徳を討ち、七軍を濁流にのませた関羽の戦いぶりに、世間は「あっ」と言います。関羽の威名は天下に鳴り響きました。しかし、これだけの大勝をしながら、関羽の陣は重苦しい空気が漂っていました。

2020-04-28 13:48:35
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」11】 その理由は、関羽の容態が良くなかったから。龐徳から受けた矢傷、一旦は治ったかと思っていましたが、その後おかしくなり、毎夜熱にうなされ出したのです。破傷風の症状と見られます。関羽の家来たちは密かに医者を探しはじめました。

2020-04-28 13:50:26
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」12】 この時、一人の旅医者が関羽の陣を訪れます。関平が出迎えまたこの男は華陀と名乗ります。関平はすぐに父・関羽の容態を見てくれと案内します。華陀の名前は関羽も耳にしていました。呉に華陀という名医がいるという話で、まさかの本人登場。

2020-04-28 13:52:54
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」13】 呉と荊州は緊張関係にあります。その呉の華陀が自分の病気を聞いて来てくれたのか、と関羽。華陀は、医者に国境はない、医は仁術、病人がいれば参ります、と答えます。関羽は馬良と碁を打っていましたがそれは中断して華陀に腕を見せます。

2020-04-28 13:54:55
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」14】 華陀は、関羽の腕が腐りかけていると診ます。今のうちに悪血(おけつ)を出し、骨を削らねば腕は廃物となりましょう、との診立て。関羽に治せる自信はあるか、と聞かれ、はい、と答える華陀。よし、やってくれ、と即断。さっそく手術の準備を始めます。

2020-04-28 13:56:55
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」15】 華陀は、骨を削る時痛むので動かないように縛ると布を用意しますが、そんなものはいらん、医者の治療を恐れていては生命をはって戦はできん、という関羽の言葉に、ではそのままで、と華陀は小刀を取り出し、思い切りよく関羽の腕に突き刺します。

2020-04-28 13:59:18
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」16】 平然とした顔で華陀の処置をみつめる関羽。華陀はゴリゴリと骨を削ります。馬良はじっと見守りますが、関平や周倉は思わず目をつむってしまいます。見てるほうが痛いとはまさにこのこと。 ほどなく処置が終わったようです。

2020-04-28 14:02:00
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」17】 翌日、ご気分はいかが、と華陀が関羽に尋ねます。ゆうべはぐっすりと熟睡した、今朝は痛みもなくなった、と快方に向かっていることを伝える関羽。お主はまさしく天下の名医じゃ、と関羽が言えば、華陀は、私も将軍のような患者を見たのは初めてだ、と。

2020-04-28 14:04:06
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」18】 将軍はじつに天下の名患者、という華陀の言葉に、関羽は名医と名患者ならば、病気も逃げ出すわ、と豪語します。あとの養生はどうすればいいかと尋ねる関羽に、怒ることは禁物との答えが。

2020-04-28 14:05:59
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」19】 かつて周瑜も矢傷がもとの病気の時に、怒るのは禁物と言われてましたが、とにかく怒って興奮するのは体によくないようです。怒るなと言われても怒っちゃうこともあるんでしょうけど。

2020-04-28 14:07:49
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【横山光輝「三国志」講座268「名医名患者」20】 こうして、華陀は飄然と関羽の陣を去っていきます。 関羽の傷が癒えたその先に、樊城攻略の道が見えるのか…。この続きはまた次回となります。 今回はここまで。

2020-04-28 14:09:21