大長編歴史漫画「センゴク」の作者・宮下英樹先生が『創作秘話』を語る〜、連載開始から現在の作風に至るまで
ヤングマガジンにて連載中の『センゴク権兵衛』公式アカウントです!! 著者・宮下英樹と担当編集者が、作品の情報、雑談、取材レポートなど、いろいろつぶやいていきます。
【回想記1】戦国時代への興味の原体験は地元の祭りの「武者絵」。僕が一番好きだったのは義経像。戦国・源平・日本武尊も金太郎もいわば御伽話の感覚。その後、小五ぐらいに親戚の家で見た「信長の野望・全国版」で戦国時代なるものを何となく認識する。「織田」「徳川」の文字がやたら格好良かった。 pic.twitter.com/7IP18T8Mfh
2019-11-14 06:32:53そうでしたか。昔の僕は小説にいくのが高すぎるハードルでした。星新一のショートショートより長い文章が読めなかったもので。(宮) twitter.com/shoutanoittoko…
2019-11-15 02:41:22@sengoku_YM 僕も信長の野望が歴史に興味を持つきっかけでした。そして司馬遼太郎さんの小説の戦国武将の描き方で戦国に生きる人々に魅力を感じ更に興味を持つようになりました♪
2019-11-14 06:40:27ファンにはたまらない延々繰り返されるBGMが親には苛立たしかったやもですね。(宮) twitter.com/sker724/status…
2019-11-15 02:42:57自分も戦国時代好きになったの「信長の野望」だったなー。 小学校の時、親にゲームやり過ぎで怒られたけど、必死に歴史の勉強してるんだって抵抗を見せてた僕。笑 t.co/SKOvLGrYa4
2019-11-14 07:50:46ゲームと違って現実に里見氏を攻める難しさがわかってくると戦国時代に詳しくなった証拠やもですね。(宮) twitter.com/nyun123/status…
2019-11-15 02:46:20@sengoku_YM 私も 戦国時代を好きになったきっかけは たまたま友人の家に置いてあった 「信長の野望・全国版」でした。 その時に なんとなく選んだ大名が北条家で それ以来。たとえ最新作であっても いまだにプレイしてるのは北条家です。
2019-11-14 12:25:56【回想記2】スタイリッシュな画面構成で、ゲーム開始と同時に全国の「戦」「災害」「一揆・謀反」のニュースが流れてくる。相場が動き、財政を鑑みつつ開墾・治水に着手し、民衆・家臣の忠誠を気にしつつ、弱体化した他国へ攻める機会を窺う。幼い僕は「これが戦国時代だ」という“刷り込み”をされた。 pic.twitter.com/oI06UEjvn4
2019-11-15 02:49:27明確な答えはないんですが、南房総の山間地と海が容易に侵攻しづらかったり、新興勢力の北条に反抗する勢力が散在するため外交的に苦しめられたりという感じです。何だかんだ遥か遥か北の上杉の越山が減ると、里見氏も北条と和睦せざるを得なくなっていきます。(宮) twitter.com/sakuyatani/sta…
2019-11-16 05:17:58【回想記3】然して戦国ドラマを観るが内容が把握出来ない。僕は天空の城ラピュタが難しいと思う程リテラシーが低い。「善」と「悪」以外の「第三勢力」が出ると話の筋がわからなくなる…だのに僕は「一人の大名」ではなくゲームのように「全国の大名が一斉に国盗り合戦をする」感じが観たいのである。 pic.twitter.com/8jfS5P44zu
2019-11-16 06:15:06今週号の解説。私感だと最強は「どうやって自分を倒すかを徹底して想定した上で、さらにそれを上回る策を練る戦術家」…但し常人には無理であろう「人間には嫌な事実を見ない習性がある為」。次に強いのはアスリートの如き気持ちの切り替え。オンの秀吉は徹底して冷徹。ゴンの戦いを見て何を思うのか。 pic.twitter.com/vpT527jx0w
2019-11-19 06:21:18【4章129話】復活の第一歩、山中城合戦は功を焦らず裏方仕事から。人間万事塞翁が馬、ゴンが九州で失敗してなければここで討死してたやもしれない。信長時代の競争原理を棄て、しかし挽回への意思は残したまま。時代に合わせて「何を変革し何を保守するべきか」…天性の生存戦略は何気に磨かれている。 pic.twitter.com/9ZbwhcP7Bt
2019-11-20 06:06:54【回想記4】歴史漫画に興味が出始め、最初に読んだのが本宮ひろ志氏の「赤龍王」。ジャンプ作品の中で異色の歴史モノだったが、感覚的に「王道少年漫画と違う面白さ」があった。当時は漫画家になる気も毛頭なく、分析的には読んでないが「激動の社会情勢」「民衆のうねり」「天命」…とにかく面白い。 pic.twitter.com/SLIWxuP8e7
2019-11-21 07:33:57【追記】本宮先生に非常に失礼ながら「赤龍王」連載当初は絵が重すぎかつ、誰が主人公かよくわからず、拷問場面などが怖すぎたため読んでなくて、後で単行本で買いました。(宮)
2019-11-21 07:38:14【回想記5】歴史系は好きなものの書籍系には手を出さず、造詣は一向に深まらないまま工学部の大学生に。寧ろ歴史の授業はキャラ性や物語性が皆無で一番の苦手科目となった。理由はとかく登場人物が多く相関関係の複雑なお話自体が苦手。ゴッドファーザーも全く内容が理解不能だった程(今はバイブル)。 pic.twitter.com/vIMTKCvj6q
2019-11-22 06:04:30【回想記6】大学で目標もなく、とりあえず大学院に向け優良成績を目指すが、一般教養の数学にてチンプンカンプンの公式を覚えさせられる。教諭に「難しいんですけど」と問うと「是れ、数学的にアイウエオの段階!」と云われ、自分が勉強に向かないことを悟り、何となく漫画を描こうと思うようになる。 pic.twitter.com/4bt30D0AMM
2019-11-23 05:42:53【回想記7】かつては全く話が浮かんでこなかったので漫画を描くのを断念したが、大学生になると「漫画は先天的な感性が乏しくとも学問的な修養次第で描けるのではないか?」という仮定の下に本格的に話作りを独学してみる。要は映画をパクった。下図はレザボアドッグズをパクった作品(5作目だったか)。 pic.twitter.com/f0K5IWhvfB
2019-11-24 05:57:53【4章130話】秀次、切腹覚悟の総攻撃。基本的に漫画では無能キャラは無能に有能キャラは有能に働く。…が歴史の難しい処は「何れの人物も失敗すれば成功もする」「因果関係も無かったりする」。不確定性だらけの世を生きるには使えるもの(知性・感情・経験・思想・縁故・天運)は全て使う。是もテーマ。 pic.twitter.com/jhjIDvwKfy
2019-11-26 06:46:59【回想記8】映画を観るうちに何となく法則性が見えてくる。例えば「初恋モノ」は下図のような感情の流れになる。音楽で言うコード進行の一種か。この辺から(10作目位)新人賞には何とか入るようになるが、所詮構造を真似ただけなのでデビューには遠い段階。とかく縁あって上京&アシスタントの道に進む。 pic.twitter.com/M3sA59g0v2
2019-11-27 05:47:14【回想記9】新人〜プロへの段階で体質改善する必要があった。露悪的に言うと「作品→商品」にせねばならない。技術は磨けばいいとして、難しいのは“俗化”する事。当時は世紀末だったためか(?)過激な作品が多かった気がする。棘も毒もキレもない作風の僕には厳しい状況…然れど、時世は変転するもの。 pic.twitter.com/kNxsmEX6y5
2019-11-28 04:55:53【回想記10】アシスタント先では是迄読んだこともない作品を教えて頂いた。ロマン主義的な少女漫画や、相反する新井英樹に安達哲など自然主義的な作品。賞はとっても一向にデビューに近づけない数年間だったが「多様な面白さ」への気付きを得た。表面的な成果が出なくとも質的成長があったと思われる。 pic.twitter.com/ARkM0aYZHx
2019-11-29 05:07:37【回想記11】実は根っからのヤンマガ読者ではなかったが、いくつかの作品は知ってて「異質なセンスの作品群」のイメージだけはあった。今にして思うと、美化を抑えてリアルさを求めた自然主義的な作風だった。自分はそれまで世界の美しい半分しか見てなくて、もう半分の美しくない世界も広がっている。 pic.twitter.com/Moffvw1ZjQ
2019-11-29 22:08:27今週号の解説。ファンタジーで例えると、勇者が己の魂の中に存在する魑魅魍魎と対峙する「鏡の間」。高野山から下山(還俗)して戦いの場に戻るゴンへの試練。作中の古渓和尚はゴンに対し単に「恐怖を克服して復活しろ」と言ってたわけではない。先の見えない世を生きるために善悪を越えた視野を得よと。 pic.twitter.com/tcD081GzUK
2019-12-03 05:54:41【4章131話】初の赤土での戦。人が成長(適応)する為には「死線を乗り越える」か「懊悩する事」が必要。前者は「失敗=死」やもしれぬが後者の場合は「失敗=適応システム作動」となる(…悩みつつ寝起きを繰り返す内に今まで出来なかった事が突如出来たりする現象)。古渓は若くないゴンに後者を勧めた。 pic.twitter.com/NF879TMsPS
2019-12-04 05:17:50漫画の世界の事しかわかりませんが、名編集曰く「誰がいつ伸びるかわからない」。仕事に適応できるか否かは自分にも他人もわからないもので難しいですね…。(宮) twitter.com/shoutanoittoko…
2019-12-05 04:04:28@sengoku_YM 現代なら失敗したから言って死ぬということはないですが、現代でも通じる話ですね。死ぬかわりに退社ということはありますが(^^;
2019-12-04 06:42:43【そしてヤンマガへ】故・名編集曰く「ヤンマガは知性の限りを尽くして馬鹿をやる雑誌」…とても太刀打ち出来る作家陣ではないと思ってたが、ミーハー根性で持ち込みしてみた。新人賞はさほどの評価じゃなかったが、担当について頂いたのが新人女性編集。良い意味でヤンマガ色がなく高評価して頂いた。 pic.twitter.com/Xt3gYbIXlZ
2019-12-05 04:13:06