2020-05-13のまとめ
在留者総数 (15歳以上) について は,2005年が18.0万人,2010年は12.4万人で,5年間で5.6万人(31.0%)減少 していた8。年代別では,2005年は20代をピークに年齢とともに在留者が減少し,2010年は30代の在留者数が最も多かった
2020-05-13 00:42:282005年から2010年にかけて「分類不能」が2倍以上に増えた以外は,比較可能な全ての職種で労働者数が減少していたことがわかる。特に顕著だったのは,7.3万人が減少した生産工程労働者で,ブラジル人総数に占める同労働者の割合も,68.7%から55.5%に減少していた。
2020-05-13 00:42:302005年に10代から40代だった者は,若年層ほど「帰国者」 の割合(減少率10)が高く,樋口(2010)とも整合する。40代の減少率が最も低いが,それでも2010年には,2005年在留者の61.8%しか残留していなかった。
2020-05-13 00:45:34とはいえ,全年代の平均減少率(46.8%)は,Dustmann and Görlach (2016)がまとめた各国の帰国者割合(20-50%)の範囲内である。
2020-05-13 00:45:34帰国者(NIATRE)と残留者(国勢調査)の年齢分布 pic.twitter.com/Dv19jg9tm1
2020-05-13 00:45:35学歴については,NIATREデータの方が,小学・中学卒者の割合が低く,大学・大学院卒者の割合が高いなど,相対的に高学歴者が多い。
2020-05-13 00:45:37約8割の相談者はNIATRE来訪時には失業しており,相談内容の95%以上が仕事に関連していた。 ブラジルへの帰国後にスムーズに再就職できなかった者が,NIATREに来訪したことがうかがえる。
2020-05-13 00:47:24日本語レベルは,中級程度(50%)と答えた者が42.6%,上級(N1, N2)程度(80%)と答えた者が22.2%だった。
2020-05-13 00:47:26日本語レベルの高い者,ITスキル を有する 者,専門職従事者は,早期に帰国した確率が有意に低い。この結果は,高技能者ほど,金融危機 直後には日本にとどまっていたことを意味する。つまり,金融危機直後のブラジル人の帰国行動は,(日本にとっての)正のセレクションだった
2020-05-13 00:47:27女性,年齢が高い者,未婚者は早期帰国者である 確率が有意に高かった。この属性に関する傾向は,諸外国の帰国移民の特徴とも符合する。生産工程労働経験者やブラジル人集住地域の居住者については,早期 の帰国傾向は認められなかった
2020-05-13 00:47:28日本への滞在期間の長さに応じて早期帰国確率が逓減していたこと,5年間の滞在を境に早期帰国確率が有意に低下していた
2020-05-13 00:47:30推定結果(被説明変数:帰国支援金利用ダミー) pic.twitter.com/NGLgb5mV2p
2020-05-13 00:49:23帰国支援金の利用確率は,日本語スキルが高い者,専門・技術的労働者,サービス業従事者で低かった。だが,日本での滞在年数と帰国支援金利用の間に有意な関係はな い。一方で,年齢が高い者の支援金利用確率は 有意に高 かに高かった。
2020-05-13 00:49:24帰国支援金を得てブラジルに帰国した者の平均年齢は,支援金を利用しなかった者よりも6.0歳高い48.2歳だった。相対的な高年齢者ほど,日本での再就労を予定せずに帰国していたことになる。
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