【アニメ産業調べ物１～５】「人材不足・労働環境・収益」一次調査

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

一次調査では「『人材・労働環境・収益』の三つがアニメ産業が抱える課題の根本要因であり、負のスパイラルを生んでいる」という仮説を立て、 １．(クリエイター・経営人材の)人材不足 ２．労働環境・待遇の悪化 ３．収益の低下 複数の参考資料・文献の分析から仮説は妥当であると結論づけました。 pic.twitter.com/coTo4UBRKI

拡大

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

また、基礎項目に対する一次調査を通じて、 ・人材不足による影響 ⇒技能の低水準化(競争性喪失、研鑚時間の喪失等による)、収支の悪化、人材の高齢化、労働環境悪化、改善できる人材の減少 ・労働環境の悪化による影響 ⇒(深刻な)人材離れ、現場のモチベーションの低下、生産性の低下(収支の悪化)

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

・収益の低下による影響 ⇒労働環境の悪化(報酬、環境整備)、人材離れ(経営層)、デジタル移行など生産性向上リソースの不足、海外市場開拓など新規投資リソースの不足 など、それぞれの要因において重要な問題点が見えてきました。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

そしてまた、これらは「現在の問題の根本要因」ではあるものの、少しずつ改善傾向にあることもわかりました。 以下がその内訳です。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

・アニメ産業は中小含め増収増益傾向 ・海外市場及び配信収益は年々増加(パッケージは半減し、主要媒体が移行中) ・適切な制作費を交渉・単価引き上げを確保できたケースが出始めた ・案件増加を受け利幅の厚い案件の選別傾向がみられ始めている 等々。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

「収益の問題」が解決されつつあるため、これを元手に「労働環境」を改善し、環境が整えば「人手不足」が解決できるという改善のスパイラルが想定できます。 このままいけば、１００年後にはすべてのアニメ業界の問題は解決されているかもしれません。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

ただし懸念点、未解決の残存課題や新たな問題もあります。 ・企業単位の収益は統計上改善されつつあるが、労働環境にはまだ反映されていない(現場の声より) ・アニメ市場の成長を期待した過剰参入により、一時的に競争過多⇒収益悪化と倒産件数の増加があった

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

・「三十代以下の世代がいない」ことによる、一斉引退からの技術継承失敗リスク ・人材不足による国外への外注量増加 ・中国アニメ産業の飛躍的成長。大ヒット作『哪吒之魔童降世』が800億円の興行収入となり、単独国でのアニメ映画収益、世界歴代一位となった。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

これらの残存課題からは、 ・「収益の向上を労働環境の改善に繋げられるか」 ・「ベテラン世代が離脱する前に状況を変えられるか」 ・「中国アニメとの競争に生き残れるか」 という大きく三つの『次の時代の問題』が見えてきます。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

これら『次の時代の問題』についての調査を、次のテーマとしたいと思います。 また、『人材・労働環境・収益』一次調査についての過程及び詳細として、以降の記録をご参照ください。 (序盤よりも、『労働環境』以降の方がデータを参照できているかと思います。人材についてもそちらの方が詳しい)

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

どうも、始めまして。シャベルです。 ここはアニメ産業についての調べ物をして、その記録を溜めていく感じの枠になります。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

しばらくは大した内容にはならないと思いますが、続けば何年かはやりたいので、最終的に積み重ねて「へぇ、そうなんだ」と誰かの役に立つアニメ産業関連資料になればいいなぁと。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

発端はこちら。(中の人は同じ。アニメ産業の調べ物に絞るために分裂しました) togetter.com/li/1451938 庵野監督のニュースを見て衝動的に書き上げた内容が思った以上に反響を頂いたため、本腰入れて取り組んでみたいなと思い、こういうのを始めました。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

色々書いてますが、 ・アニメ産業には経営の課題がある(ガイナックスの事例) ・経営上の課題を解決できれば、アニメ産業の現状を変えられるかも？ ・コンテンツ産業における「理想的な経営事例」(いくつか) 辺りが本題でした。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

また、その補足であるこちらでは、 togetter.com/li/1452521 ・アニメ産業と海外進出について ・日本のアニメ産業の海外進出上の失敗と、それを解決した人 ・「海外市場で正しい収益構造を作れれば、アニメ産業の課題は解決できるかも？」 というような話も。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

とはいえ、ちゃんと書くにはまだまだ情報量が足りません。論拠を揃えて参照可能な資料にするために、まずは調べ物から。

日本のアニメ産業を考えるシャベル @Anime_Syaberu

少し考えてみると、以下の三つが織りなす負のスパイラルが、 アニメ産業を取り巻く最も重要な課題なのでは？　という仮説が浮かびました。 １．(クリエイター・経営人材の)人材不足 ２．労働環境・待遇の悪化 ３．収益の低下 というわけで、まず最初はこの三つについて調べてみたいと思います。 pic.twitter.com/ZGq7u9H8t7

拡大