「信用創造」の廃止で、何が起こるか? ――「公共貨幣」によって、「負担なき財政再建」は可能か?

「反緊縮」派を大別すると、「リフレ派」「MMT派」「信用創造廃止派」の三派になります。 今回は、この「信用創造廃止派」が主張する、「公共貨幣」「ポジティブマネー」について検討します。 「信用創造を廃止するとどうなるか」「国債から公共貨幣に切り替えるのはどうか」「負担なき財政再建」は可能か、といったことを考えていきます。
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しろうと @sirouto

また同記事で、公共貨幣によって、「増税なしに政府債務が完済」するという。

2020-12-12 22:22:07
しろうと @sirouto

「国民負担なしでの財政再建」というのは、「無税国家」につながる道であって、そのような「フリーランチ」はありえない、というのが私の立場だ。

2020-12-12 22:23:49
しろうと @sirouto

しかし、それは以前のまとめでやったので、ここではあえて繰り返さない。「信用創造廃止論」の問題について考えよう。

2020-12-12 22:24:59
しろうと @sirouto

「公共貨幣やポジティブマネーなら、国債のように返済する必要がないから、良いじゃないか」という素朴な意見がありうる。おそらく公共貨幣の支持者に多そうだ。

2020-12-12 22:27:11
しろうと @sirouto

しかし、経済(学)に「フリーランチ」はないのであって、そんな一方的に都合の良い仕組みは成立しない。公共貨幣だろうが何だろうが、「無税国家」や「負担なき財政再建」は不可能だ。

2020-12-12 22:28:25
しろうと @sirouto

もしかりに、国債を廃止して、公共貨幣の増刷によって全面的に政府支出を賄うと、「債務危機」は起こらない。が、「信任毀損」が起こる。

2020-12-12 22:29:36
しろうと @sirouto

なぜ、信任の毀損が起きるかというと、公共貨幣というのは、国債の日銀引き受けと同じようなものだからだ。

2020-12-12 22:30:05
しろうと @sirouto

toyokeizai.net/articles/-/2934 政府紙幣発行は、日銀の国債引き受けより弊害が大きい(東洋経済)

2020-12-12 22:30:33
しろうと @sirouto

経済学者ではないので、難しくて細かい理屈は抜きにして、公共貨幣や信用創造廃止によって、経済がダメになる流れを、大ざっぱに説明してみよう。

2020-12-12 22:34:12
しろうと @sirouto

まず、公共貨幣なら債務ではないので、返済の必要がないことを、支持者はポジティブに捉えるかもしれない。しかしだ。

2020-12-12 22:35:00
しろうと @sirouto

かりに公共貨幣(や政府紙幣や永久国債)に切り替えた所で、ウナギがタダで食べ放題にはならないし、全国民が銀座の一等地に住むこともできない。供給の制約があるからだ。

2020-12-12 22:36:41
しろうと @sirouto

公共貨幣や無利子永久国債は、無利子・無期限だが、それゆえに財政規律は今より緩みがち になり、インフレのリスクも今より大きくなる。

2020-12-12 22:38:52
しろうと @sirouto

反緊縮のコピペでよく言う「誰かの黒字は誰かの赤字」をもじって言えば、「誰かの福祉は誰かの負担」であって、「無税福祉国家」はありえない。無から有は生じない。

2020-12-12 22:43:25
しろうと @sirouto

また、為替の問題もある。外国人から見たとき、確実にインフレするような通貨を、長期的に持ちたいと思うだろうか?

2020-12-12 22:44:24
しろうと @sirouto

日本のように、石油などの資源がない国は、海外輸入が必要不可欠なので、インフレと通貨安が起こると、物価が上がって国民の生活が苦しくなる。

2020-12-12 22:46:10
しろうと @sirouto

そして、民間の銀行から、信用創造を奪うことのデメリットについても触れておこう。

2020-12-12 22:47:02
しろうと @sirouto

公共貨幣論者は、信用創造を否定することで、大恐慌やバブル崩壊のような、景気変動がなくなるから、経済が安定するという。

2020-12-12 22:48:00
しろうと @sirouto

しかし、信用創造の廃止というのは、いわば最初から信用収縮しているような状態なので、経済が縮小する。

2020-12-12 22:49:05
しろうと @sirouto

これは、旧ソ連のような共産主義国が、資本主義や自由市場を否定していたので、大恐慌の影響を受けなかったものの、経済が回らず、最終的には旧ソ連が崩壊した流れに似ている。

2020-12-12 22:50:33
しろうと @sirouto

そもそも、信用創造があることによって、資金が得られるために、元手が乏しい人間でも、事業を起こせるようになったわけだ。

2020-12-12 22:52:29
しろうと @sirouto

近代以前は、身分制社会ということもあるが、最初から資金がある家に生まれなければ、大きな商売をするのが難しかった。

2020-12-12 22:53:40
しろうと @sirouto

それから、国債について、「市中消化の原則」があるが、なぜそうなっているかというと、市場の調整機能によって、財政拡大にブレーキを掛ける仕組みになっている。

2020-12-12 22:57:58
しろうと @sirouto

市場でインフレ率と金利が連動し、国債による資金調達コストが掛かることによって、無制限な財政拡大とインフレ昂進に対するブレーキになる。

2020-12-12 22:59:38
しろうと @sirouto

これは、言ってみれば、アメリカの本家MMT論者が、裁量的財政政策より好む、「ビルトイン・スタビライザー」みたいなものだ。要は自動的な仕組み。

2020-12-12 23:00:37
しろうと @sirouto

こうした自由市場の資源分配機能が、公共貨幣(と信用創造の廃止)の導入によって、破壊されてしまう。言わば「金融における共産化」のようなものだ。

2020-12-12 23:01:51