くろぐだの奇妙な冒険 第13巻(最終巻) ~Over "Quartzer"~

作者:日向寺皐月(@satuki_hyugaji)さん 「#自分のスタンドを考えてみるタグ」から始まったフォロワースタンド使い化企画連載小説(三次創作) 第13巻分まとめ https://togetter.com/li/1639892 ←12巻 特別編→ まだ
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日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 50 「しま―」 日向寺の防御より先に、バッド・デイの拳が振り下ろされた 「これで!消えちゃえ!」 更に連撃。4本の腕がそれぞれ日向寺の居た辺りを殴り、クレーターを深くする 「やっちゃえよ!バッド・デイ!」 ブシドーの咆哮に、バッド・デイの拳が乗って小さな爆発が起きた

2020-12-23 23:50:16
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 51 「あは…あはは!あはははは!!」 ブシドーは高らかに笑い、クレーターを見る。バッド・デイの拳が突き刺さり、完全に陥没している 「凄い…凄いよバッド・デイ!やっぱり君は最高の友達だ!」 楽しげなブシドーの笑い声が辺りに響き、バッド・デイはゆっくりと拳を引き抜く

2020-12-23 23:58:07
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 52 すると… 「…何で?」 クレーターの中にあったのは、白と金に輝くマント。それには一切の汚れは無く、また一切の傷も無い 「何で潰れてないの!?」 バッド・デイはその声に応える様に、更に拳を振るう。が、しかし。それらは総て弾かれ、逆にパンチを食らって吹き飛んだ

2020-12-24 00:04:39
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 53 「はぁ…はぁ…」 肩で息をするのは、白いマントを纏ったくろぐだ。その両拳は、右手が白と金、左手は黒と銀のグローブが嵌められている。そして、マントを止めている金具にはあの真っ赤な石が嵌め込まれていた 「先生、大丈夫ですか?」 くろぐだはそう言い、右手を差し出す

2020-12-24 00:11:02
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 54 「あぁ、何とかね…」 日向寺はその手を取り、起き上がる。そして、高らかに宣言した 「祝え!我らが救世主、くろぐだの新たなるスタンドの発現を!その名は、プライム・バウンド・ケープ!今正に誕生の瞬間である!」 そこまで言い切ると、くろぐだの方を見て笑顔を浮かべる

2020-12-24 00:15:18
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 55 「お嬢さん…いや、我が救世主と呼ぶべきだね。君は戦いながら護ると言う、相対した二つの欲望を叶えた訳だ。素晴らしいね」 一瞬、くろぐだの胸元に光る石を見た日向寺。が、直ぐに視線を外してバッド・デイの方を見た 「な、なんで…なんで!」 ブシドーの叫びが辺りに響く

2020-12-25 01:52:05
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 56 「僕の邪魔を…しないでよ!」 バッド・デイの豪腕が、くろぐだと日向寺の二人を狙う。しかし、くろぐだが翻したマントに弾かれる。そして出来た隙を、日向寺の回し蹴りで吹き飛ばされる 「ぐぁっ!」 直ぐ様立ち上がり、バッド・デイは走り出す。が、今度はくろぐだがパンチ

2020-12-25 02:01:06
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 57 「セイヤーッ!」 日向寺程ではないが、バッド・デイを退けた。それを見て日向寺は、満足げに頷く 「これなら…行ける」 そして、袂から一冊の本を取り出す日向寺。救世主降臨暦だ 「お嬢さん、少し時間稼ぎをお願いする」 「は、はい!」 くろぐだは頷き、マントを翻した

2020-12-25 23:18:17
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 58 日向寺は救世主降臨暦を開き、顎に手を置いて考える。そして、徐ろにページを破いた 「ものは試しか」 破れたページは宙に舞い、そのまま何処かに吸い込まれる。それを見、降臨暦を引き裂いた 降臨暦の中にあった大量のページが舞い上がる。雨は既に上がり、乾いた風が吹く

2020-12-25 23:24:45
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 59 と、それらが同じ方向に吸い込まれて行った。そして、そちらから飛来して来る鳥が一羽。トゥーの太虚鳥だ 「成る程…運命を《超えろ》…か」 日向寺はタイキョ・バードを手に載せ、そっと呟く 「端から、319回目の世界で会うつもり何て無いって訳か…」 と、その時

2020-12-25 23:31:03
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 60 日向寺の手の上で、タイキョ・バードが姿を変えた。それは、一本の羽根ペン。日向寺はそれを指の上で玩び、高らかに宣言した 「私とて作家の端くれ。一言に総てを賭けるならば―こう書き記そう!」 ページが無くなり、表紙だけになった救世主降臨暦。そこへペン先を滑らせる

2020-12-25 23:37:33
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 61 「たった一言―」 日向寺が書き終えると、羽根ペンは崩壊して風に舞う。そして、日向寺はその表紙を掲げた 「《どんなミラクルも起き放題》だ。我ながらどうかと思うが…まぁ、最善は尽くしたよ」 再び空に吸い込まれる表紙。そして日向寺は見た。バッド・デイが苦しむ姿を

2020-12-25 23:42:08
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 62 「う、うわぁぁぁあっ!」 バッド・デイの胸部で叫ぶブシドー。それと同時に、バッド・デイも頭を抱えながら咆哮する 「僕は…僕は僕は僕は!一体何をしてきたんだ!何を…何をしてしまったんだ!」 苦しみ、藻掻くバッド・デイ。くろぐだは驚きと困惑の表情でそれを見る

2020-12-25 23:48:14
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 63 「矢張り、自らの罪を知ったか…」 「せ、先生!」 そんなくろぐだの背後から現れる日向寺。くろぐだは振り向き、日向寺に尋ねる 「あの…バッド・デイは…」 「彼はね。自分の罪を《認めたん》だ。故に。バッド・デイも動けない。存在意義そのものが揺らいでいるからね」

2020-12-25 23:51:43
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 64 「バッド・デイAct.5は、罪を持った者を罪の重い順に破壊する。今までは君の中の罪悪感に反応していたが…」 そう言い、日向寺はバッド・デイに近付く。しかしバッド・デイは反撃して来ず、ただ悶苦しむ 「今、一番の罪人は…彼だ」 日向寺は刀を杖に仕舞い、ブシドーを指す

2020-12-25 23:56:06
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 67 「…救え無いんですか?」 そんなブシドーを見て、くろぐだは呟いた。一瞬呆気に取られる日向寺だったが、直ぐに笑って返す 「君は本当に善性の塊だね、我が救世主。今のバッド・デイは弱体化している。恐らく分離する事は出来るとも」 「え!じゃあ―」 「ただし、だ」

2020-12-25 23:59:32
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 68 日向寺は逸るくろぐだの前に手を出し、制した 「彼をバッド・デイから分離する事が、必ずしも正解では無い。このまま総てを終わらせる事も、また一つの―」 「それでも」 日向寺の言葉を聞き、くろぐだは言った。その小さな拳は硬く握られ、覚悟の度合いを示している

2020-12-26 00:02:43
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 69 「それでも、私は救います。だって、苦しんでいるんですから」 日向寺を見据える、真っ直ぐな瞳。その瞳を暫く見て、日向寺は柔らかな笑みを浮かべた 「…分かったよ、我が救世主。では手助けしよう」 そう言って、日向寺はバッド・デイの腹部を仕込み刀で斬った

2020-12-26 00:06:39
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 70 真白な綿の中に絡まる様に、ブシドーは捕まっている。そしてくろぐだは、ブシドーへと右手を伸ばした 「聞こえますか!貴方を…貴方を、助けに来ました!」 ブシドーは驚いた表情を浮かべ、くろぐだを見る 「手を…私の手を掴んで下さい!」 「私は貴方を救いに来ました!」

2020-12-26 00:09:35

第三十九話「Be The One《総てが一つに》」

日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 第39話「Be The One《総てが一つに》」 1 「空で爆発…?」 はんちょ〜は怪訝な表情でそう呟き、首を傾げる。と、かせんは自信有りげな顔でロケットを見せた 「これで第一宇宙速度を出すまで加速させれば、宇宙に放り投げられるのさ。本当は第三宇宙速度を出したいけど…」

2020-12-26 23:25:50
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 2 「待て待て待て!」 はんちょ〜はかせんの言葉を聞き、理解出来そうに無い表情を浮かべる 「何だその宇宙速度ってのは」 それを聞き、かせんは嬉しそうに語り出した。はんちょ〜は失敗したと顔を顰める 「良く聞いてくれたね!宇宙速度は、地表から宇宙に物を打ち上げる―」

2020-12-26 23:29:38
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 3 「…長くなるか?」 「そりゃもう!で、第一宇宙速度は秒速7.9kmで」 そこまで言った時、はんちょ〜はかせんの頭を叩いた。そして、フニコロが戦っている方を向かせる 「状況は理解出来るな?」 「は〜い!」 元気な返事をするかせん。が、その額を冷たい汗が一筋流れた

2020-12-26 23:34:23
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 4 「えっと…初速はこれ位で…垂直離陸じには…これ位かな?それから…」 かせんはブツブツと呟きつつ、メモに計算式を書いて行く。はんちょ〜はそれを横目に、フニコロの戦いを見ていた 自暴自棄に近い捨て身の戦い。それは怒りと悲しみによるものである。が、それは鴉の狙いだ

2020-12-26 23:45:47
日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 5 「…全く、パイセンも冷静じゃねぇ。らしくねぇな…」 「あー駄目だ!破壊力が足りない!」 はんちょ〜が呟いた時、かせんがそう叫んで倒れ込む。同時に、周囲の文字式もかき消えた 「打ち上げと同時にダメージを与えないと、ロケットが出力不足で落下しちゃう…」

2020-12-26 23:51:54
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