J-School ジャーナリズムの危機シンポジウム 2009.12.10(Twitter中継by津田大介)

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津田大介 @tsuda

続いて奥山さんのプレゼン

2009-12-10 18:32:35
津田大介 @tsuda

奥山「日本で非営利調査報道センターを作れないのかという話があった。日本は米英とは違うというのは簡単。確かにいろいろな違いがある。米国には多くの財団が社会に対しての寄付があって、その対象にジャーナリズムも入っている。だが、日本では寄付の文化が根付いていない。寄付税制も貧弱」

2009-12-10 18:34:07
津田大介 @tsuda

奥山「権力を監視する調査報道の重要性が認識されているが、日本ではそこまで重要と思われていないし、調査報道というとちょっと偉そうにしてる的なイメージがジャーナリズム内部にもある。日本では非営利の調査報道センターは私の知る限り1つもない

2009-12-10 18:35:11
津田大介 @tsuda

奥山「日本ではだめかと言われるが、日米の共通点もたくさんある。調査報道は米国をお手本にしたケースもたくさんある。月刊誌の文藝春秋が25年前に田中角栄の金脈と人脈を多くのリサーチャーを雇って、立花隆さんがまとめて報道した」

2009-12-10 18:36:34
津田大介 @tsuda

奥山「この報道の直前にウォーターゲート事件があり、翻訳が日本にも入ってきた。この頃から日本でも調査報道の伝統が始まったのかなと思う。この報道によって田中角栄は辞任に追い込まれた。その後ロッキード事件が起きる。事件の当初米国の事件ということで日本の警察も検察も捜査をしなかった」

2009-12-10 18:38:02
津田大介 @tsuda

奥山「警察と検察のかわりに報道がロッキード事件を調べ、これが調査報道の本格化のきっかけになった。その後リクルート事件が朝日新聞の若い記者たちによって暴かれ、当時の竹下総理が辞任に追い込まれた。日本にも調査報道があるという意味では共通点がある」

2009-12-10 18:39:09
津田大介 @tsuda

奥山「新聞社の幹部たちが最近言っているのは、今まで以上に調査報道を重要視しなければならないのではということ。ネットに負けないためには新聞の得意技をやっていく必要がある。役所行って記者クラブでお手盛りの記事を作っているだけでは新聞テレビの優位性は保てないという危機感が背景にある」

2009-12-10 18:40:48
津田大介 @tsuda

奥山「鳩山総理の献金問題が取りざたされているが、これは朝日新聞にのった6月16日に掲載された記事がきっかけだった。日本も調査報道やってるんですということを声高に言っておきたい」

2009-12-10 18:41:40
津田大介 @tsuda

奥山「もう1つの共通点。それは日本でも新聞出版テレビが構造不況に陥っているということ。日本の多くのマスコミは広告主であっても、不正を行っていれば不正を記事にしてきたと私は思っていますが、構造不況が進んでいくと広告主に対してそういう気概を示せるのか心配しています」

2009-12-10 18:42:52
津田大介 @tsuda

奥山「構造不況で調査報道が縮小していくという可能性もある。一方、調査報道を厚くしていく方向性もあるが、その2つの方向性がせめぎあっている状況で、どちらに傾くのかその趨勢が見えない」

2009-12-10 18:43:28
津田大介 @tsuda

奥山「日本でも米国でも調査報道が必要とされている。それは確信がある。むしろ日本は米国よりも情報公開・ディスクロージャーが不徹底。だからこそ行政や企業の不正を監視する調査報道が米国よりも日本の方が重要ではないか」

2009-12-10 18:44:26
津田大介 @tsuda

奥山「非営利ニュース機関は存在しないが、非営利の市民団体、watchdog活動はここ10年で盛んになってきている。それらの団体は新聞やテレビとタイアップして社会に大きな緊張感を与えているという実績がある。日本の調査報道を考える上でそういう動きは参考になるんじゃないか」

2009-12-10 18:45:37
津田大介 @tsuda

奥山「日本でも大学を拠点にした調査報道の試みが小さくではあるが始まった。この早稲田で大学院で調査報道の授業をやってる。社会人の大学院生が授業の研修として、厚労省がパブリックコメントの結果公表を怠っていたことを調べあげ朝日新聞の記事になった。大学から生まれた誇るべき調査報道の成果」

2009-12-10 18:47:57
津田大介 @tsuda

奥山「今後さまざまな成果が生まれてくることを期待したい」

2009-12-10 18:48:18
津田大介 @tsuda

瀬川「7月に早稲田でシンポジウムをやった。そのとき茂木崇さんが米国の新聞が現在検討している方向性を3つ示した。1つ目はネット上の課金、2つ目はダウンサイジング、3つ目はNPOへの転換」

2009-12-10 18:51:11
津田大介 @tsuda

瀬川「ジャーナリズムの役割は民主主義社会に不可欠な情報提供、市民読者に奉仕、権力監視、アジェンダセッティング、報道の自由と責任」

2009-12-10 18:54:04
津田大介 @tsuda

瀬川「その意味で3つポイントをあげると、NPOジャーナリズム、大学におけるジャーナリズム実践、日本における新しいジャーナリズムということになると思う。今後のディスカッションはこのことを踏まえて話をしてもらいたい」

2009-12-10 18:54:48
津田大介 @tsuda

澤「ルイスさんが非営利報道機関として共同通信の名前が挙がった。正確には我々はNPOというよりも会社だが、上杉隆さんなどが言うのは新聞社も通信社も同じ仕事をしているということ。新聞社はもっとオリジナルな掘り下げた記事を書くべきではないかと上杉さんは言っている」

2009-12-10 18:56:24
津田大介 @tsuda

澤「それは理にかなったことだが、通信社に勤めている者としてはつまらない。しかし今日のルイスさんの話は、逆の可能性を感じさせてもらった。1つ疑問があるのは、通信社のニュースを掲載する新聞社は単なる受け皿になって、新聞社が面白く思わないのではないか。米国はどうなのか」

2009-12-10 18:58:26
津田大介 @tsuda

ルイス「新聞は人員を減らしているので、コンテンツをほかに求める必要が出てきている。一方比較優位性という意味で読者がいるし、プレゼンスもある。だが調査報道というコンテンツを持ってない。非営利報道機関はコンテンツを持っている。多くの中小規模新聞は今までも外部からコンテンツを買ってた」

2009-12-10 19:00:50
津田大介 @tsuda

ルイス「そのかわりローカルな情報がないという問題を抱えていた。米国の小さな新聞社やテレビは調査報道をしない。なのでコンテンツを外部から提供してもらう必要がある」

2009-12-10 19:01:28
津田大介 @tsuda

ルイス「一方、APは4000人いる。共同通信と同じ仕事をしてるが、APの問題は日本では調査報道ができない。それは記事を買ってもらう客を怒らせてしまうから。なので私はニュースのシンジケートサービスを始めようと思っている」

2009-12-10 19:03:45
津田大介 @tsuda

瀬川「共同通信も客を怒らせられないよね?」

2009-12-10 19:04:21
津田大介 @tsuda

澤「我々はあまりそういう制約はないので、そのへんはぜひご理解頂きたい」

2009-12-10 19:04:48
津田大介 @tsuda

奥山「調査報道やって、取材対象となった企業・役所・政治家から名誉毀損で訴えられることが考えられるが、その場合NPOがそれに対応するのは商業メディアと比べて大変なのか、それとも非営利だから対応しやすいのかどっちか」

2009-12-10 19:05:37