「家畜のエサのせいで食糧危機が起きる」説はデマ。マスメディアによって誤情報が拡散された

ヴィーガン真理教が聞くと認知的不協和を起こす現実
34
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「家畜のエサのせいで食料危機が起こる」説は事実誤認。世界の家畜のエサ60億トンの内、実に86%は人が食べられない牧草・作物残渣・食品ロス廃棄物など。それが肉・卵・乳など人が消費できる栄養タンパク源になる訳で、畜産は食料危機の原因どころか、食料安保・飢餓解消に最も貢献する産業なのだ(続) twitter.com/Kshitija_yyz/s… pic.twitter.com/bxJtQyaLhT

2021-01-06 02:19:10
Tija@鍼灸師🌱🇨🇦 @TijaLovesTofu

@WMrI3dZcoYqwgie 今すでに畜産業は地球の農地の83%を使っています。このまま人口が増えてこのペースで肉食を続けたら土地が足りなくなり食糧危機に陥る可能性があるのご存知ですか?今地球上の人が全員菜食になったたら飢餓がなくなるのもご存知ですか?(栽培されているたくさんの穀物が今畜産動物の食糧になってる為)

2020-12-28 19:06:01
拡大
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

家畜が食べるエサの原材料となる食品ロスや廃棄物、植物油を搾ったあとの粕だけで、6億トン(乾物ベース)ある。日本人の年間コメ消費量の100倍の量だ。それを家畜が消費しなければ、産業廃棄物となり、すべては環境負荷の原因になる。つまり、畜産は環境への貢献度が最も高い産業の一つでもある(続)

2021-01-06 02:20:58
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

途上国でも食品ロスが急増する中、その循環による飼料化・畜産は、都市のスラムに住む貧困層への栄養価の高い食の源になっている。日本でもかつて"残飯養豚”と呼ばれた。今では、安全性や栄養価の基準を満たした「エコフィード」として、優先順位の最も高いリサイクル手法として位置付けられる(続)

2021-01-06 02:21:18
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

そうはいっても、飼料に穀物(世界平均で13%)を使い、人の食と競合するとの反論もあるが、牛乳や肉で1kgのタンパク質生産に穀物由来のタンパク質は0.6kgしか使っていない。そのおかげで人類は効率的に貴重なタンパク質を消費でき、ビタミンB12、鉄分、カルシウム等の必須栄養素を吸収できるのだ(続)

2021-01-06 02:22:20
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

しかも、そのタンパク質の変換率は現状の飼料効率(飼料と畜産物の重量比)である。例えば、途上国の一頭当たりの乳生産量は、先進国の5分の一以下と低いが、飼料の給与戦略や栄養管理、ストレス改善などで、飼料効率が上昇中である。生産性向上で、もっと少ない飼料で多く供給できるようになる(続)

2021-01-06 02:23:01
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

畜産のせいで農地が不足するとの批判もあるが、それは知識不足の問題。世界の牧草地の面積は20億ヘクタール(日本の国土の約50倍)と広大なのは確かだが、その大半は「耕作限界地」。穀物が育たないか育っても経済性がない土地だが、牧草地や放牧地として利用することで食料供給に大きく寄与する(続)

2021-01-06 02:23:50
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

最近の研究では、牛や羊など反芻動物の糞尿や酪農家の草地管理のお陰で、耕作限界地でも農地転換可能なところが増加中だ。有用微生物の定着、生物多様性の向上で土壌の生物性・通気性・保水性が良くなり、干ばつにも耐え、作物が作れるのだ。畜産によって農地が減るどころか純増しているのが事実(続)

2021-01-06 02:25:24
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

耕作限界地の中で、農地転換が可能とされる面積は6億8,490万haと推計。家畜用の穀物生産に使われる農地面積2億1,050万haの3倍超である。さらに、その7倍の15億haほど残っている。草地にも適さない低木地や一部放牧で使われる究極の限界地だ。家畜でのみ開拓可能な地球最後のフロンティアである(続)

2021-01-06 02:26:47
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

家畜・畜産の地球・人類への貢献を要約すると、農業ができない限界地を草地・放牧地として活用し、人が食べられない食品廃棄物や副産物も消費でき、タンパク質・微量栄養素を豊富に含む食を提供すると同時に、環境負荷も減少。糞尿で農地の生産性をあげると同時に、不毛な大地さえ蘇らせている(終)

2021-01-06 02:29:21
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「家畜による食料危機説」は事実誤認なのになぜ広まったのか?私が参照した論文著者、国連FAO上級研究員アン・モテット博士は理由をこう語る。「私はメディアから何度となく、家畜の悪影響に関する発表をするよう要求されてきた」「そうしたメディアを通じ人々は間違った情報にさらされ続けている」続 twitter.com/yoshiasakawa/s…

2021-01-07 22:24:20
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「とくに家畜の飼料について、間違った報道が何の疑問も抱かれず、繰り返されていることに気付いた」「メディアでは頻繁にベジタリアン食等を消費者が選択することで、持続可能性に貢献すると報道されていますが、それは家畜が本当に必要とする飼料について、間違った情報にもとづいて流されている」続

2021-01-07 22:26:07
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「よくメディアに引用される推定値では、牛肉1kgを作るのに必要な穀物は6kgから20kgとされるが、今回の研究では牛、羊、山羊などの反芻動物で実際は世界平均で2.8kg、鶏、豚等の単胃動物で3.2kgであることが判明。タンパク質ベースでは牛乳や肉1kg作るのに穀物0.6kgしか使っていないことも分かった」続

2021-01-07 22:27:35
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「研究では、作物残渣や食品ロス・副産物を含む飼料の86%が人間の消費に適さないと判定された。人が食べない材料を使い、世界のカロリーの18%、タンパク質の25%、必須微量栄養素を供給する畜産に対抗し、"家畜なしの地球に優しい”植物ベースの食への移行を求める声は、物事を単純化しすぎである」続

2021-01-07 22:31:11
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

家畜生産を放棄することは、世界で最も貧しい多くの人々にとって、食料や収入源を放棄することになる(*国連FAOでは、5億人の貧困層が食料と収入を家畜に頼っていると推定している)。家畜をなくせば、多くの脆弱な人々の健康と栄養だけでなく、彼らの生存に多大な悪影響を及ぼすことになるのだ」続

2021-01-07 22:32:43
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「多くの農村地域では、家畜なしでは十分な栄養価のある作物を育てることはできない。世界中のどこでも、家畜と作物は同じ農場の一部であり、相互に依存している。一方をなくすことは、もう一方をなくすことになる。家畜のいない世界を想像することは、賢明でないだけでなく、非現実的なのである」続

2021-01-07 22:33:53
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「また私達の研究成果として、よく飼料の主役と報じられ、家畜用の農地拡大の原因とされる大豆粕(*大豆から油を搾った後にでるかす)が世界の家畜飼料に占める割合は4%という結果を導きだした。つまり、飼料効率をわずかでも改善していくことで、飼料用に使う耕地拡大を防ぐことができるのだ」続

2021-01-07 22:35:08
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「飼料効率を向上するために、途上国では給餌管理、系統造成(調べてね)、獣医サービスの向上等の改善の一歩を踏み出しているが、そのシステムには継続的な進歩が必要である。また、飼料作物の収量を増やしたり、食品ロス廃棄物や副産物の家畜飼料へのリサイクル効率を改善することも不可欠である」続

2021-01-07 22:35:55
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

「何よりも、家畜を頼りにしている人々にとって畜産は『現実のもの』(*メディアの机上の空論ではなく)であり続けなければならない。人と地球の両方の持続可能な発展に資源と便益を最適化したいと心から願うなら、家畜生産が生計の鍵を握っている人々に支援を提供することこそ、私達の責任である」終

2021-01-07 22:37:41