桂吉坊さんの #今日の辻占 です

2020年12月27日から落語家の桂吉坊さんが毎日投稿されている#今日の辻占は#なんとなく開いた頁から選ばれた和歌一首を投稿されていますが、どんどん解説が詳しくなってきていて読むのが楽しくなってきたのでまとめてみました。 時間は逆順です。 吉坊さん、FBではツイッターよりも詳しく解説されています。読み応えあります。
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桂吉坊 @kichibo_rakugo

覚悟で思い出したのがあの写真というのも如何なものかと思うけど、お彼岸なので許してください(何でも彼岸か)

2021-03-21 09:36:56
桂吉坊 @kichibo_rakugo

そんな大事なもん預かってて何してくれんねんwと言う感じだが、今の世の中の物差しでは到底及ばない、それぞれ決して引けない覚悟がぶつかり合っていた気がする。 覚悟と簡単に言うけど簡単やない。思い出した、うちの師匠の退院の御礼で作ったテレカを載せておきます。この気概は受け継ぎたいものです pic.twitter.com/TMskOZbfaF

2021-03-21 09:33:10
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桂吉坊 @kichibo_rakugo

それが城に籠っての負け戦ともなれば、朝廷としては一大事で、弟子の八条宮智仁親王は何度も講和を呼びかけるも、幽斎はそれを断り(←!!)、親王は兄の後陽成天皇に奏請して、勅使をもって開城、ここに古今相伝が絶えることなく伝わった。関ヶ原の戦いの二日前の事である。

2021-03-21 09:29:08
桂吉坊 @kichibo_rakugo

とはいえ戦乱の中、細川幽斎自ら兵を率いて戦に加わり、命の危険に晒されてきたわけで、そんな中で代々秘伝として伝えられてきた、勅撰和歌集である古今集の読み方・解釈を受けた(=古今相伝)のは、本来継ぐべき三条西家の跡取りがまだ幼く、必ず子孫へ伝授を行う約束で、いわば預かった。

2021-03-21 09:28:27
桂吉坊 @kichibo_rakugo

平安時代末から続く「古今相伝」を当時唯一の伝承者である幽斎だが、武芸百般に通じ和歌はもとより茶道・連歌に蹴鞠の文芸、囲碁、料理(!?)、猿楽にも造詣深く、このシリーズにチョイチョイ登場する「エースで四番、年俸100億」みたいな人である。近世歌学大成の第一人者という。

2021-03-21 09:27:51
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「いにしえも今もかはらぬ世の中に心のたねをのこすことの葉」細川幽斎 #今日の辻占 #なんとなく開いた頁から選ぶ #日本名歌集成 #衆妙集 細川幽斎。京都に生まれ7歳で細川の養子となり、室町13代将軍義輝に仕える。やがて信長の家臣となり、本能寺の変で信長亡き後に剃髪。

2021-03-21 09:27:14
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「生者必滅会者定離」命に限りがあるからこそ、忘憂の酒の苦さより、今を楽しく生きるというのは、決して生きる事がどうでもいいわけではなくて、さりとて頑張りすぎなくてもいいよ、という気がするのは、酒呑みの言い訳でしょうか(言い訳やな)。彼岸の人を思いつつ、マァ一杯どうですか。 pic.twitter.com/vf0M5HZEvP

2021-03-20 08:35:56
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桂吉坊 @kichibo_rakugo

「生ける者(ヒト)遂(ツヒ)にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しくをあらな」大伴旅人 #今日の辻占 #なんとなく開いた頁から選ぶ #日本名歌集成 #万葉集 #酒を讃めし歌 #彼岸 生あらば必ず死ありとは古今東西この世の決まり事、それなら楽しく酒を飲もうという、これまた世界に溢れる歌の一つ(?)

2021-03-20 08:32:17
桂吉坊 @kichibo_rakugo

うちの師匠 吉朝が、弟子として師匠 米朝を見る目がどれほどのものか、そして師匠が弟子を見ている眼差しを見せて頂いたのは、内弟子をさせて頂ければこそであった。

2021-03-19 09:04:46
桂吉坊 @kichibo_rakugo

ちょっと肩つまんでくれるか、と首から肩腕手、背中から腰と、続きの芸談昔話を伺いながら、岩石のように硬いコリをマッサージして、一日が終わる。台所の片付けをして、再び師匠の部屋を見ると、まだ枕元の灯りをつけて本を読んだりしておられる事もあった。

2021-03-19 09:03:19
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「日めくりを めくって休む 我が家かな」 内弟子時分、師匠が寝る前に詠んだ一句。ただし日めくりをめくったのは夜も酒も深い、午前二時頃であった。 直弟子の先輩方の修行時代に比べれば、孫弟子の内弟子生活はやさしいやさしい毎日で、周りの先輩方がいて下さったから何とか勤まったようなものだ。

2021-03-19 09:02:44
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「法善寺 ぬけて帰ろう はるの雨」桂米朝 #今日の辻占 #八十八忌 今日は、師匠の師匠である、米朝師匠の御命日ですので、やはり師匠の句をもって今回の辻占としたいと思います。(もはや辻占ではないw) pic.twitter.com/IfhZu5sIsE

2021-03-19 09:00:04
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桂吉坊 @kichibo_rakugo

「たまづさ」は手紙。元々は玉梓で、手紙を梓の木に結んで持参したとか梓の杖を使者が持ったとかだそうで。 春霞の空に、北国へ帰る雁を手紙に見立て、音読すると「か」の響きが調子よく聞こえる。 …小鯵なくても選んでもらえた気もするが、そこはイロイロあったんでしょう、知らんけど。

2021-03-18 09:42:37
桂吉坊 @kichibo_rakugo

さて、この歌を作るにあたって、自分の友人がある歌会で秀歌を詠んで羨ましく、食欲不振になってまで歌の事を考え続け(神社経営誰がやってたんだ)、この歌ができたので歌会を開いて披露したというのだから相当である。 「薄墨」というと不祝儀の文章を思い浮かべるが、ここでは薄墨色をした料紙。

2021-03-18 09:40:59
桂吉坊 @kichibo_rakugo

めでたくこの歌含めて三首が入選、ただしこれが元で、後拾遺和歌集は「小鯵集」と言われた。 歌壇の中心ではないがその近く、つまりそれは政治の近くでもあり、神社をの行く末安泰を図る上でも大切だったのではないか。また、白河天皇の勅願で、住吉神社の神宮寺である荘厳浄土寺を再興している。

2021-03-18 09:39:55
桂吉坊 @kichibo_rakugo

いささか浅学で頼りない書き出しだが、作者はこの歌で評判をとり「薄墨の神主」とアダ名された家代々の住吉神社の神主である。歌への執心は大したものだったそうで、この歌の事は後ほど書くが、自分の歌を和歌集に撰進して欲しいがために、撰者の藤原通俊にササニシキならぬ小鯵を贈り、

2021-03-18 09:38:12
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「うす墨にかくたまづさと見ゆるかなかすめる空にかへるかりがね」津守国基(ツモリノクニモト) #今日の辻占 #なんとなく開いた頁から選ぶ #日本名歌集成 #後拾遺和歌集 仏教では、執心(執着)を捨てるのを度々大切な事柄として聞くが、神道の方は如何なのだろう。

2021-03-18 09:36:56
桂吉坊 @kichibo_rakugo

ここで探している丸邇(ワニ)の佐都紀臣(サツキノオミ)の娘、袁杼比売(オドヒメ)が岡の薮か何かからピョンと跳ね出されるような、さらに可笑しみを覚える。 この可笑しみは大昔の笑いの持つ意味が今とまた違う(元は繋がるんでしょうけど)気がするので、興味深い。

2021-03-17 09:51:58
桂吉坊 @kichibo_rakugo

結婚の時に嫁が逃げるというのは一つの儀式でもあったらしいが、それに対して詠んだのが、金すき500本でもって隠れた岡をすいて探すぞと(←岡ハゲて無くなるちゅうねん)、言うてしまうところが流石の大王。言うことが大きい。大きすぎる。僕は「すき撥ねる」の、撥ねるという所で、

2021-03-17 09:48:41
桂吉坊 @kichibo_rakugo

ある。天皇が、直に手を下すというのは、死という穢れに触れる禁忌と言うのもあったのだろうか。その後、この血は絶えているのも、悪王のイメージを加速させたと思う。また、沢山の妻を持つ「色好み」も、王様の甲斐性というか、必須条件であったようで、政略的なものも含めて雄略天皇には多い。

2021-03-17 09:47:10
桂吉坊 @kichibo_rakugo

兄の安康天皇が眉弱(マヨワ)王に暗殺されると、眉弱王はもとより王に味方した大臣、そして自分の兄や親類縁者の皇位継承者を皆殺しにして即位。意に背く者を斬り捨てたり、家焼いたりと、トンデモ譚も多く、大悪天皇(ハナハダアシキスメラミコト)とも言われる。どちらかと言うと、後世こっちが有名。

2021-03-17 09:46:22
桂吉坊 @kichibo_rakugo

仁徳天皇の孫。『古事記』では124才まで生きたとされる(数え方が二倍の説あり)。ヤマトという国を、国内外に大変に大きくした天皇と言うてもいいのでないかと。葛城においてはの一言主(ヒトコトヌシ)神に会い、現人神とされ、有徳天皇(オムオムシクマシマススメラミコト)と呼ばれる一方、

2021-03-17 09:45:49
桂吉坊 @kichibo_rakugo

「嬢子(オトメ)のい隠る岡を金鉏(カナスキ)も五百箇(イホチ)もがも鉏(ス)き撥(ハ)ぬるもの」雄略天皇 #今日の辻占 #なんとなく開いた頁から選ぶ #日本名歌集成 #古事記 …何から書いたらええねんと思っているが、何しろスケールが可笑しいほど大きいのが「王様」なのだろうと言う事である。

2021-03-17 09:45:23
桂吉坊 @kichibo_rakugo

泣きすぎてなのか、自分が何んで泣いてたか忘れて「えっ?」となるような。でも、いきなり泣き止むのもアレやし…と頑張って泣き直した記憶があるのですが、皆さん無いですか。えっ?僕だけ?

2021-03-16 08:12:23
桂吉坊 @kichibo_rakugo

友の子は、どんな事を叱られていたのであろう。京都弁で怒られていたのか、それは分からないけれど、叱られて泣いてそうな気がする。子供は必死やけど、見ている大人は微笑ましい。 …子供時分、あれ、ワーッと泣いてて、ふと我に帰りませんでしたか。

2021-03-16 08:11:46
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