中世ヨーロッパの都市世界

河原温、1996,「中世ヨーロッパの都市世界」、山川出版社   http://amzn.to/rqneBj   基本の内容としては「中世の都市は自由とか自治とか幻想もたれてるけどそんな自由って感じでもなかったよー」みたいな話 続きを読む
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m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 中世社会においては孤児、寡婦、老人など「キリストの貧者」と呼ばれた社会的弱者を保護し、救済することはキリスト教会の努めであった。

2011-08-04 17:33:50
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 12C以来のとし社会の発展の中でそうした「慈善」意識の反映として都市において設立された注目すべき社会施設に施療院(ホスピタル、ホスピス、オテル=デュー)がある。施療院は修道院に付属し、巡礼や旅人に一夜の宿を供し、物乞いたちを受け入れた

2011-08-04 17:35:48
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 ホスピタルはやがて修道院から独立し、富裕市民の寄進により設立されるようになった。こうした都市のホスピタルはハンセン病患者や盲人を受け入れ、捨て子養育院、娼婦のための更生施設としても機能し、弱者のための救済施設として分化、専門化していった

2011-08-04 17:38:40
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 都市の寡頭支配層である商人や公証人たちは王権によるバックアップを望み、王もまた商人たちによる金銭的な支援を望んだ。このような相互作用は英仏両国に王権の強化をもたらすことになった

2011-08-04 21:23:18
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 ドイツやイタリアでは神聖ローマ帝国という緩やかな統合体の中にあって皇帝権は弱体であった。そのため皇帝は大諸侯に対抗すべく都市に同盟を求めた。結果、ケルン、リューベック、ニュルンベルクなど「帝国都市」と呼ばれる都市群が成立した

2011-08-04 21:24:51
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 帝国都市は名目的でしかなかった帝国に直属することにより、実質的に強固な「自治」を享受することとなった。これらの都市は13C以来たがいにさまざまな同盟を結んで領邦諸侯に政治的に対抗した

2011-08-04 21:26:17
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 中世末期におけるドイツ、イタリア、フランドルの場合と、フランス、イングランドの場合とにみられるような対照的な都市の状況や政治的地位は中世末期の社会変動をへて絶対王政から「国民」国家の形成という近世、近代へ向けての決定的な分岐を示すものであった

2011-08-04 21:30:32
m_um_u @m_um_u

#中世ヨーロッパの都市世界 中世都市の保持し得た「自由と自治」の強弱にいわば「反比例」して、その後の「国家」統一の過程は遂行したといえるだろう (※都市の自治が強かったドイツ、フランドル、イタリアは絶対王政→国民国家の過程が遅れた

2011-08-04 21:32:44