尿中の放射性セシウムによる膀胱壁の被曝線量の計算
- parasite2006
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完全な形の計算式も教えていただきました
単位体積あたりベクレル数ρのCs-137が半径aの球面内に一様に分布する場合、その中心からr(≧a)離れた位置の線量は、kρπ{2a-(r^2-a^2)/r×ln{(r+a)/(r-a)}}となる。ただし、k≒7.8E-14Svm^2/Bqh。球面上では、2kρπaとなる。
2011-08-05 16:25:32K-40の影響との比較(ここでは1回分の排尿量300 mlに合わせ、膀胱を半径4.2 cmの球と想定。また膀胱内の放射性物質量も排尿直後のゼロと満杯時の最大存在量の平均値を採用)
1日に排泄される90BqのK-40のうち80%が排尿によるものとし、1日300mL≒0.3kgの排尿を6回するとして考えてみることにする。この場合、K-40の濃度が40Bq/kgの尿が膀胱に溜まることになり、膀胱内には平均6BqのK-40が存在することになる。
2011-08-05 22:24:23(追加説明ここから)
この部分の説明が足りなく分かりづらかったようで、すみません。排尿直後に一瞬にしてまた300mL溜まるわけではないので、一定の割合で溜まっていき、300mL溜まったら全て排尿することの繰り返しとして、その平均値の6Bqとしました。@parasite2006
2011-08-07 07:27:37K-40の値はそのままなのですが、Cs-137のγ線の影響が元の半径5cmの場合の計算で半径を4.2cmに変えただけの値になってしまっていました。同じモデルなら値を半分にする必要がありました。多少訂正させてください。(続く)@parasite2006
2011-08-07 07:37:10@MAKIRIN1230 たびたびお騒がせしてすみません。今まとめの編集のためCs-137による線量の新旧計算結果を上下に並べて眺めたのですが、γ線の線量は半分になっているのに対し、β線の線量は旧結果のままです。恐れ入りますが再度ご確認いただけないでしょうか?公開は停止中です。
2011-08-07 13:22:55お手数をおかけして申し訳ありません。このモデルではCs-137もK-40もβ線の影響の方がγ線の影響よりかなり大きいので、膀胱壁のβ線による影響が単位質量あたりの尿が吸収するβ線のエネルギーに等しいと仮定したことが、この計算の良し悪しを決めそうです。@parasite2006
2011-08-07 13:23:43今丁度それに関しても含めて返信したところなのですが、β線の影響は尿の量や膀胱の形状には依存せず、単位質量あたりの尿が吸収するエネルギー(これは尿のベクレル数の濃度で決まってしまいます)に比例すると考えられるので、今回の計算では等しいとしています。@parasite2006
2011-08-07 13:30:00「 β線の影響は尿の量には依存せず」という表現は不適切でした。今のモデルでは1日の尿の総量を1800mLと決めているという意味です。すみません。@parasite2006
2011-08-07 13:41:14@MAKIRIN1230 早速のお返事感謝に堪えません。今回の計算では、β線の影響は膀胱内の放射線源の存在量ではなく尿中の濃度に比例し、こちらの方は排尿前後でずっと一定と考えているので計算結果は変わらないということですね。
2011-08-07 13:45:00そうです。β線の場合、物質中ではすぐエネルギーを吸収されて短い距離しか動けないわけです(γ線と比べてずっと透過力が弱い)。これが内部被曝でβ線の影響がγ線より大きくなる理由です。@parasite2006
2011-08-07 13:52:45(追加説明ここまで)
B=6BqのK-40が半径a=4.2cmの球内に一様分布する場合、その球表面におけるγ線の線量は3kB/2a^2=9.2E-11Sv/hとなる。 ここで、k=1.8E-14Svm^2/Bqh。http://t.co/JXIxqPG
2011-08-05 22:46:41球表面でのβ線の影響は、K-40のβ線の平均エネルギーを0.52MeVとし6Bqから出るβ線のエネルギーを球内の平均0.15kgの液体全体が吸収するのと同程度の吸収によると仮定すると、(8.3E-14J×2.2E+4個/h)/0.15kg≒1.2E-8Sv/hとなるようだ。
2011-08-05 22:58:551.2E-8Sv/h≒1,1E-4Sv/year=0.11mSv/yearとなり、K-40の内部被曝による1年あたりの実効線量0.17mSv/yearと同じオーダーになるようだ。Cs-137では、放出されるβ線の平均エネルギーが0.07MeVと低いので、約45Bqで同じ値になる。
2011-08-05 23:22:09【訂正】Cs-137が6Bq/Lの濃度でK-40と同じように含まれていくのなら、その球表面におけるγ線による線量は6.0E-11Sv/h、β線による線量は2.4E-10Sv/hとなり、トータル3.0E-10Sv/h=2.6μSv/yearとなる。@parasite2006
2011-08-07 07:44:45【訂正】Cs-137の値2.6μSv/yearはK-40の値110μSv/yearの約42分の1で、1年あたりの実効線量170μSv/yearの約65分の1である。Cs-137の影響がK-40の影響と同程度になるのは数百Bq/Lの濃度の場合のようだ。@parasite2006
2011-08-07 07:55:28尿に含まれるK-40による影響との比較の計算を追加しましたので、もしよろしかったら、見てみてください。@parasite2006
2011-08-06 11:22:52(まとめ主注:下の発言の「濃度200Bq/L〜300Bq/L」は修正前の計算結果を引用したもの。要は尿中のCs-137の影響が生理的に存在するK-40(40Bq/L)の影響と同程度に達するのは、K-40よりはるかに高濃度で存在する場合だということです)
@MAKIRIN1230 追加計算感謝に堪えません。「Cs-137の影響がK-40の影響と同程度になるのは濃度200Bq/L~300Bq/Lの場合」とのご指摘参考になります。実はベラルーシの少女の全身のWBCスキャン結果を報告した論文(測定は1994年)では(続く)
2011-08-06 11:46:13@MAKIRIN1230 尿(24時間分)中のCs-137量(総液量1 L未満の場合は体積を1 Lに合わせてから測定)とWBCで測定したCs-137量に相関関係(相関係数0.7)があることを示しており、24時間尿中のCs-137量の最大値は87 Bqだったと報告されています。
2011-08-06 12:16:48@MAKIRIN1230 もっともこのWBC測定はチェルノブイリ事故から8年後、夏休みにイタリアに招待されたベラルーシのこどもを対象に出発から7-26日後に行われ、尿検体の採取はWBC測定と同じ日か測定日のすぐ後(恐らく翌日)に行われているところから(続く)
2011-08-06 12:29:00@MAKIRIN1230 (続き)(ベラルーシ出発以後は新たなCs137のとりこみはないと想定して体内Cs-137の半減期を約35日と算出している)過去には尿中Cs-137量がもっと高かった時期があったことは想像に難くありません。
2011-08-06 12:34:07