(おかんまとめ29)朝の三分小説～おかん～(選挙に行こう編)

カメックスシ @agodenderu

おかん464 長野市はだいたい長野電鉄に支配されているが、長野電鉄を裏から操っているのが長野市長の久米隆弘だった。 長野市長の力をもってすれば長野市民全員の動向を把握することも容易い。 「さっきからずっと監視されてる気がするんだよな」 おかんは危険人物として監視されていた。

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おかん465 もし尾行しているのが市長からの刺客なら警察関係の人間の可能性が高い。 ならば目の前で起こる不法行為を見過ごせないはず。 「天気もいいしレッカー車形体で群衆に突っ込もうかなぁ」 「やめろぉ」 案の定男が飛び出して名刺を投げてきた。 「治安維持局フレッシュ八木」

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おかん466 フレッシュ八木の手からはイルカのキーホルダーの付いた鎖が放たれた。 「まさかお前の能力は」 「そう、イルカのキーホルダーを振り回す能力さ」 「うわっ危ない」 まるでイルカショーの様なキーホルダーさばきでおかんを追い詰めていく。 いつの間にか背後にはハローワークが。

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おかん467 おかんは仕方なくハローワークに逃げ込んだ。だが、ハローワークでは地形補整によりおかんの戦闘能力はマイナス30%。ここまで全てフレッシュ八木の計算通りである。 そして、おかんは容易く捕縛されてしまった。 おかんとムーンライトさだみつの身柄は長野県警に引き渡された。

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おかん468 おかんは警察署に連行され、ソースカツ丼の写真を見せられた。 ここでおかんは考えた。この窮地から脱出するには要人を人質にするしかない。 「頼む、長野市長にあわせてくれ」 「ふざけんな」 警官に怒られていると 「長野四天王のこの久米隆弘に何か用かね」 市長の方から来た。

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おかん469 「長野四天王！？あんた市長なのに長野四天王なのか。公務とか大丈夫か」 長野四天王を相手にしてしまうとは運が悪いと思った。 「自分の心配をしたらどうだ。私は君の事を知ってるんだよおかん。長野市を乗っ取り、全市民の洗脳と奴隷化を企んでるらしいな」 「それは多分誤解だ」

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おかん470 「とにかく君みたいな無法者は長野市においておけないな。そっちの賢そうなボーイは市民にしてもいいが」 「ムーンライトさだみつです」 「それはそうと久米隆弘って長野四天王なのに普通の名前だよな」 おかんのこの発言が長野市庁で波紋を生むことになる。これもおかんの作戦だ。

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おかん471 「みんなで市長の新しい名前とか考えた方がいいんじゃないか」 という警察職員の発言から、市長の新しい名前を考える大会が始まった。この職員は後に減給になったが。 「やっぱりカッコいい名前がいいと思う。ダブルドリルデス田植え機とか」 これはおかんの案。 「カッコいいのか」

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おかん472 フレッシュ八木からは「フレッシュ久米」 警察署副所長からは「ボンボ・ウボン」 という案がそれぞれ出された。 「ちょっと男子も真面目に考えてよ」 おかんはキレた。 「お前真面目に考えてたのかよ。もう名前とか「豚もやし丸」とか普通のでいいだろ」 というのは秘書の案。

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おかん473 会場には既に百人くらいの久米隆弘の部下が集まり、祭の様になっていた。 「お前達はどうしてそんなに私の名前を変えたがるんだ」 「なんか普通すぎる名前ですからね」 市長の名前を決めるのに夢中になった部下達の意見は食い違い、やがてそれが原因で乱闘に発展し始めた。

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おかん474 「みんな争いはやめよう」 この乱闘に割って入ったのはおかんだ。 「ここはこの三連休の間に投票で決めたらどうだろう」 一番票の多かった名前に決定する事になった。投票がない場合は自動的に「昆布バーガー」に決定される。 「なんで市長の承認もなしにそんな事を決めている」

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おかん475 久米隆弘の名前はボンボ・ウボンになった。 だがおかんは 「うわぁぁぁ」 「今度は一体なんだ」 「現在カクヨムで好評連載中の忍者館殺人事件第二の容疑者の最新話であの低温殺菌マンが安物のアメリカ牛に芸を仕込まれてたよぉ」 「人の名前を変えておいて他の話をしおって 」

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おかん476 「大体ボンボ・ウボンってなんだよ意味わからん」 警察署副所長の説明では 「古代長野語で僕のパパは伝説の精米機さって感じの意味ですね」 「なるほど、だがそんなモノは長野市最高権力の私が承認しなければ済む話」 「捕まえた」 おかんは市長が興奮した隙に市長を人質に取った。

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おかん477 「少しでも動いたら市長の首がローストビーフだぞ」 ボンボ・ウボンが戦闘タイプの市長ではなく運動不足と判断した上でのおかんの行動だった。 「確かに私は戦闘力はないがね、自分の身を護る方法はあるんだよ」 ボンボ・ウボンがおかんの手を掴むとおかんの姿は消えてしまった。

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おかん478 おかんは温泉の中に浮かんでいた。どうもボンボ・ウボンの能力でどこかの温泉にワープしたみたいだ。 「いたぞ新しい人間だ、捕まえろ」 おかんは訳も解らぬまま、猿人達に捕まってしまった。 だが、自分がムーンライトさだみつを残して敗北した事は解った。 「選挙に行こう編」完